その世界は・・・

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核兵器のない世界はどんな世界なのでしょうか？
平和ですか？
みんな幸福である世界ですか？

否。
あくまで核兵器がない「だけ」の世界。
それ以上ではない。
相変わらず、人種弾圧もあるだろうし、紛争もなくならない。
殺し・殺されるという事件は決してなくならないだろう。

第一、核兵器のなかった第二次世界大戦までを見ていても、分かるが、単にその時代を遡った状態に戻るだけで、根本的な解決はしない。

核兵器がなくなれば、単純に人を殺せる人数が少なくなるだけで、それ以上の有意義なものは何も得られない。
この人たちは、何を目的としているのか？
核兵器だけがなければ、それ以外の武器を使用して紛争をしても構わないのか？
違うというだろう。
でも、それならば、次は通常兵器をなくせとでも言うのかな？
そして、それが叶った先には、兵器ではないが、日常人を殺せるもの・例えば、包丁もなくせというのかな？

正直な話、道具というのは使い方ひとつでメリットにもデメリットにもなる。
核兵器だって、大量殺人ができるというのは、単にエネルギー変換効率が高いということであり、人類のエネルギー消費を担うために必要なもののひとつになる。
それが原発だ。
使用後の核燃料の廃棄問題もあるだろうが、人類がエネルギーを使い続ける限りは、他のエネルギーの在庫状況にも限りがある。

話は逸れ気味になったが、この団体は「核兵器をなくす」ことが目的になっているんじゃないかと思う。
そして、「核兵器がない＝平和」と勘違いしている。
それは被害者から来る発想で、仕方ないだろう。
でも、感情は抜いて物事を考える必要はあると思う。

まずはなぜ、核兵器を持とうと思うのかをしっかりと考えることから始めるべきだろう。
答えは出ていて、親切にも（笑）北朝鮮がそれを示してくれている。
外交的に交渉を有利にするためには、力が必要だ。
それに一番、簡単に示せるのが、核兵器というわけだ。

外交的に有利とは、自国に利益が増えるようなことを行う。つまり、他国よりも高待遇になるようにするということ。
もしくは、自国の希望することを飲ませることだったりする。
希望することとは、単純に言えば、多民族よりも恵まれた生活を送ること。
しかも苦労もなく、楽して人生を過ごすこと。

それを叶えるために、人類は戦争してきて、誰よりも上に立ちたいと思っている。
それは動物と同じで、「強いものが支配する」構造。

そういう理を踏まえて、核兵器をなくしたいと思うのであれば、まずは人類の「弱肉強食」という発想をなくすことから始めないといけないだろうな。
それをするために有効なのは、おそらく、人の感情をなくすこと。
誰よりも優れていたいとかあれよりもましな生活がしたいというのは、感情から出てくる欲求だと思う。
感情をなくせば、支配意識も出てこないだろうし、嫉妬もなければ、恨みもなく、「皆、平等」でいいと思えるはずだろう。

だから、目指すべきは平等な人類だろう。
平等になり、それを維持しようと思えば、核兵器なんて不要だから。

白人も黒人も有色人も男も女も子供も大人も、身体的違いを含めてその差異を認めず、貧富の差も認めず、同じであるように思い込む。
もし、その差を認めるようならば、その不穏分子を抹殺する。
・・・そんな世界か。

多様性を認め、平和や幸福を願う内は、悲しいかな、核兵器はなくならないだろう。
誰も不満を感じない状態というのは、完全な平等でないといけない。
先進国と後進国の壁を失くす必要がある。
飽食と飢餓の壁をなくす必要がある。
富める国と貧しい国の差を失くす必要がある。

そのために持てるものは、持てないものにすべてを渡すことが可能か？
資産を捨てる覚悟があるか？
飯を食えない人と同じように食わずに過ごせるか？
暖かい布団で寝れない人と同じように地面の上で寝れるか？
この地球上で最底辺で過ごす人のレベルに合わせることができるか？

そんな平等主義な社会は実現可能だろうか？
・・・無理だろうな。