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2018年01月12日07:34

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狼少年

 ある村に羊飼いの男の子がいました。仕事は毎日羊の番です。退屈した男の子はちょっといたずらをしたくなりました。
 そこで男の子は、とつぜん大声で叫びました。「たいへんだ!狼だ。狼だ。」村人がおどろいて、かけつけてきました。それを見て、男の子は大笑い。何日かして、男の子はまた大声で叫びました。「たいへんだ!狼だ。狼だ。」村人は、こんども飛び出してきました。男の子はそれを見て、またもや大笑い。
 ところがある日、本当に狼がやってきて、羊の群をおそいました。男の子はあわてて、大声で叫びました。「たいへんだ!狼だ。狼だ。本当に狼が来た!」けれども村人は、今度は誰もきませんでした。
 なんども嘘をいう男の子を、だれも信じなかったのです。さて、その結末は?

 この寓話のタイトルは「嘘をつく子供」、「羊飼いの少年」、あるいは「狼少年」であったりします。羊飼いの少年が狼が来たという嘘を触れ回って村人にいたずらをしていたところ、次第に彼のいうことを誰も信用しなくなり、ある日本当に狼が襲来して、それを知らせても、誰も信用しなかったという話です。この話は多くの場合、日ごろから正直に嘘をつかずに過ごせば、他人から信頼を得ることができるという教訓と理解されています。問題は嘘をつくとどんな罰を受けるかです。それが何であるかは、地域や語る人によって異なります。日本でよく知られた結末は「少年が狼に食べられてしまった」、あるいは「羊が皆食べられてしまった」というものでしょう。でも、狼が食べたのは一部の羊でしかなく、甚大な被害ではなかったということも可能です。また、何のアクションも起こさなかった村人の羊が襲われず少年だけが狼に襲われるという結末は、胸はすくが、残酷な結末です。
 そこで、読者諸氏に「狼少年」の結末を考えていただきたい。それぞれどんな結末にしたいか、そのことが嘘をつくことへの罰について自らがどう考えているかの解答ということになるのです。

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