WBA・IBF世界ライトフライ級王座統一戦
WBA世界ライトフライ級王者
田口良一(日)31歳
30戦26勝(12KO)２敗２分
身長168cm
リーチ171cm
IBF世界ライトフライ級王者
ミラン・メリンド(比)29歳
39戦37勝(13KO)２敗
身長158cm
リーチ166cm
いやぁ〜、遂に来たね統一戦。田口良一と言えば、同じジムに大先輩の内山高志が君臨していたから、その弟分として控え目な印象が強かった。色白だし、童顔と言うかどこかナヨっとした女の子みたいなルックスもあって『強可愛い』なんて言われたりしてたけど、実はめちゃくちゃ気が強く、どんな相手だろうと前に出てガンガン打ち合う。根性もハンパ無くて、幾ら殴られても全く怯まない。その見た目とは裏腹に、実にタフなボクサーだ。内山が負けた後もワタナベジムの看板を背負って防衛を続け、その数５回。もう１つ階段を上がるチャンスがやって来た。IBF世界チャンピオンとの王座統一戦である。勝てば『２団体統一王者』の称号がつく。相手のメリンドは半年前の17年５月に八重樫から初回に３度のダウンを奪った男。八重樫はロマゴンに挑んで日本中のボクシング関係者やファンの胸を熱くさせた人気者だから、田口には是非日本ボクシング界を背負ってリベンジしてもらいたい。
１Ｒ
両者共に世界チャンピオン同士。まずは落ち着いた静かな立ち上がり。
メリンドが左フックから左アッパーのコンビネーション。
田口９-10メリンド
２Ｒ
このラウンドもまだ大きな動きは無い。
田口の右クロスと左ボディかな。
田口10-９メリンド
３Ｒ
田口の左ボディと右クロスがヒット。
メリンドはバッティングにより左目上をカット。
田口10-９メリンド
４Ｒ
メリンドが大きなパンチで攻勢をかける。田口も真正面から打ち返す。細かいパンチの打ち方などでは田口のテクニックが上回る。クリーンヒットも多い。このラウンドは難しいが、田口には辛めの採点としておく。
田口９-10メリンド
田口39-37メリンド
５Ｒ
メリンドが前に出て来る。右ストレート、終盤にもボディ。しかし偶然のバッティングによりメリンドは右目の上をカット。
田口９-10メリンド
６Ｒ
劣勢を意識してかメリンドがプレスを強めて来るが、田口は自在に距離を操る。左を突きながらバックステップで距離を外したり、逆に自らも踏み込んで一気に距離を詰めてボディを打ったり。田口はボクシングが上手くなってきたな。
田口の左ボディが有効打。
田口10-９メリンド
７Ｒ
田口は脚も前に出るしパンチも止まらない。右のアッパーとクロスがヒット。
メリンドはラウンド間のインターバルでセコンドから『２ポイントリードしてる』と指示されたそうだが、どっからどう見ても負けてるだろう…？元気付ける為のハッタリか？
田口10-９メリンド
８Ｒ
メリンドはカウンター狙いの指示が出たようだが、最早自分から動きたくてもそれが出来ない状況と言えるだろう。後退するメリンドに対して田口が一方的に攻め立てる。
田口10-９メリンド
田口78-74メリンド
９Ｒ
試合は完全に田口ペースとなり、この調子で行けば田口の勝ちだろう。だが、もちろんボクシングはそう簡単なモノではない。明らかに動きが鈍ってきているメリンドだが、気力を振り絞って攻勢に出る。田口が偶然のバッティングにより左側頭部をカット。位置的に目や鼻を塞ぐ心配は無いものの、かなりの出血で田口の頭半分が血に染まる。
田口９-10メリンド
10Ｒ
顔面に打ち込み、相手の反撃をかわして潜り込みボディというパターンが再三決まる。
田口10-９メリンド
11Ｒ
踏み込み際に左フックを引っ掛けたり、離れ際の右アッパーの置き土産など、田口はズルさを覚えた。必死に反撃するメリンドと倒しにかかる田口の間で激しい打ち合い。メリンドは脚がもつれて後退するなど、田口のKO勝ちの予感が沸き起こる。
田口10-９メリンド
12Ｒ
メリンドは右目の上をカットして流血。田口はKO狙いの右クロスで一方的に打ちまくる。
田口10-９メリンド
試合は12ラウンドの判定となったが、ゴングが鳴った瞬間に両手を突き上げる田口に対してうなだれるメリンド。結果は戦った当人同士がよく判っていた。判定の結果、ジャッジ１人が116-112、２人が117-111。３-０で田口良一が統一王者に輝いた。(俺の採点も117-111で田口)
WBAの赤いベルトに続きIBFの黒いベルトも手にした田口。世界初挑戦の時から全て観てるけど、まさかここまで来るとはね。
さぁ、次はどこに行くのか、今後も目が離せないな。
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