利器の功罪

昨日から家内が仕事休みに入りチビたちも保育園をお休みであり正月三が日までずっと一緒である。そうなると僕が皆のお三度支度で実は忙しくなる。なので俺、ファイト〜！いっぱあ〜つ！！！！！＼(◎o◎)／！まあ別に力むほどじゃないか、ははははは(#^.^#)。



昨日家族でシャボン玉遊びをした神社の境内です。僕ら以外人影がなかったここも明後日は初詣で大賑わいとなりましょう。

昨晩のニュースを観ていたところ、どこぞの列車内で男女が小競り合いとなり挙句男性が女性に暴行して逮捕されたとあった。
なんでも男性が女性の隣席に座った途端にスマホでゲームを始めだし、その際に肘を突っ張らかして女性の脇を小突いたところ、小突かれてムッとした女性がこれまた男性を肘で小突いたためその仕儀に男性が激高して女性の顔面を殴打して全治３週間のけがを負わせたということであった。

この事件に対して顔は伏せであるもののなんと女性が取材に応じてコメントを残していたのでありその厚かましさに驚いた。曰くこんなことなら（横暴に）反応せずに黙って立ち去ればよかった、と。
それができないから小突き返したんじゃないのか？まあ取材に応じるくらいの厚顔無恥であればこそかような不始末被害をこうむったのであろう。

それにしても暴行を働いた男だ。いい齢してゲームを邪魔されたくらいで怒るなよ。というかゲームするのに肘立ててどうすんの？僕もたまに乗る電車で座りながら新聞読むけど隣りの人にわるいから新聞は四つ折りにするよ。もっと気を遣わないとね。

だがここでまた別の感慨をもった。これはスマホ依存の副作用ではあるまいか、と。
スマホやケータイの無かったむかしは列車内で座ってすることといったら読書か居眠りくらいのものであったろう。
ところがいまやスマホいじりが大方である。そしてそれに熱中依存するあまりに隣人周辺への配慮を欠いてしまったのではないかと思う次第である。
このあたりガラケー一代の僕としてはスマホやだなあと思ってしまうところである。

そう思って今朝の朝刊を読んだところ、民俗学者の赤坂憲雄さんと音楽家エッセイストの寺尾紗穂さんの往復書簡が掲載されていたので読むと赤坂さんの書簡冒頭に「わかりやすさの暴力」について触れられていた。

昨今ネットやＳＮＳといった媒体機能の普及のせいで個々の考える力が衰えてきつつあることへの懸念を述べるものであった。
確かにそうだ。僕も時折Wiki含んだネットでの検索を行ない瞬時に有用な情報を引き出したりしておりたいへん素早くかつ便利だ。
だがこれって簡便になった分確かに考えるという所作を思いっきり端折ってしまっており人間が部分的にダメになりつつある危機感を抱かされてしまってもいる。

そのことを赤坂さんと寺尾さんは危惧しており「わかりやすさの暴力」と表現しておりさすが考えることを生業にしているおふたりだとその慧眼に感心した。
この「検索」の蔓延もやはりＰＣスマホの普及によるものに相違ない。特にスマホでありこれまたスマホかというところだ。
上記の暴行沙汰といい考える力の衰退といいいまわれわれはスマホとのあり方を問われているのではあるまいか。

以前にもこれに似たようなことを日記に書いた記憶があり、その際に故人には申し訳ないもののと但し書きをしたうえで天才スティーブ・ジョブズ氏を批判したものだった。
彼が人類を猿に近づけたと書いた記憶がある。

まあそうは言ってもジョブズ氏のおかげで世界は一変したし良くなったことも多岐にあろうからして一方的に彼を批判するのもやはりおかしいと反省もしている。
つまりはいかな媒体であれ何でもその人の使い方次第ということだ。
かつて工事現場での作業効率向上のために発明されたのがダイナマイトであったが、いまや戦争での殺人兵器の最たるブツである。スマホも結局はそれと同じだ。

要するに道具を手にした際にいかに「よく用いる」かということであろう。
ところが人間って性悪だったりするので上記のような悪事に発展してしまう。
せめてこれを他山の石とするしかなかろう。スマホだけでなくガラケーの僕も気をつけねばなるまいて。

ふと平成初期のまだケータイどころかポケベルさえも普及していない３０年弱前のことを思い出した。社会人数年目の頃である。
あの頃はまだ呑気だったよなあ。午前中営業仕事で疲れたら午後は会社の近くの団地の裏手の木陰に車を停めて昼寝をこいていたものだ。
出先を「現場」とだけ報告しておいて夕方まで寝こけたこともあった。
スマホ必携のいまどきの営業マンはそんなことできないだろうね。ちょっと気の毒。
その代わりに瞬時にエロ動画を閲覧できるよね。ストレス解消の仕方も様変わりということでしょうか。

まあ一曲。



いまさら猿には戻れませんよね。まあときどきあなたって猿以下ねと家内に言われてますけど(-_-)。