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2017年12月24日20:21

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1997タイ旅行【21】おわりに

 みなさんはタイについていったいどのようなことをご存じであろうか。
 私は、首都がバンコクであることと、ムエタイが盛んな国であることしか知らなかった。タイ料理を食べたことがなかったのでココナッツがどんな味なのか知らなかったし、タイ人がタイ語を喋っていることも知らなかった。ドリアンという有名な果物に至っては、ただただ臭くてうまいものだという知識しかなかった。どんな形をしているものかは分からないままタイに行ってしまったので、市場でドリアンを見かけた友人が「ねえ、あれ、ドリアン」と指さしても「ありゃードリアンじゃない」と何故か自信たっぷりに言い放ってしまったがために、ドリアンを食べ損なうという悲しい旅になってしまった。何故あの時、ドリアンの形を知らないはずの私が「違う」と断言してしまったのか、いくら考えてもわからないのである。まさに異次元に飲み込まれてしまったかのような謎である。
 正直に言うと、これまで、タイをはじめアジアの国々に行きたいと思ったことは一度もなかった。私の頭の中には、「アジアに旅行=ビーチでリゾート」というふうなぼんやりとしたイメージしかなかった。そして「アジアのビーチリゾート」とくれば次に思い浮かぶのは『ラスト・ジゴロ』という映画である。タイはプーケット島を舞台にしたこの映画、平凡な白人主婦が現地のエキゾチックなダンサーにめろめろになってゆくというような、まさによろめきドラマというお話で、当時高校生だった私は「この映画の伝えたかったことは一体何であろうか」とやや悩んだ。それ以後、アジアのリゾート地に対する興味も、主演のジョン・ローンに対する興味も、私は失った。
 その私が何故かタイに行くことになり、実際行ってみると、タイという国はそんなよろめきドラマ一本では語りきれないくらい色々な面を持つ国だということがよくわかった(当たり前だが)。
 今の私の心境は、またタイに行ってうまい屋台のめしを食いたい、そしてワープロに向かいっぱなしでたいへん肩と首が凝ったのでマッサージを受けたい、という気持ちでいっぱいである。そして、できることならば、あの「名もなき町」の人々(特にあのいい男)に、また会う日が来ることを願いたい。友人もたぶんそう願っていることであろう。その日まで、友人が「駅員の友達であるという性別不詳の人物」と文通を続けてくれることに期待している。

            1998.4.4(ゲイの日)、神奈川の自宅にて  まめこ
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