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2017年12月14日01:37

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「GODZILLA怪獣黙示録」&「夕刊ゴジラ弐号」−読んでもどう考えても人類がゴジラに負けて地球を捨てていかねばならない設定には納得できない件−

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「GODZILLA怪獣惑星」は怪獣映画としておもしろかったし今後の展開も楽しみにしているのですが、個人的にすごくひっかかっていることがあります。それは根本的な作品の設定をもうちょっと考えられなかったのかなというところです。

・1999年から世界各地に怪獣が出現し、それに対し対抗してきた人類であったが2030年に別格ともいえるゴジラが出現した。
・地球への移民を希望する「エクシフ」、「ビルサルド」という2種族の宇宙人が地球に来訪、人類と3種族でゴジラと戦うが結局負けて人類は生存県が11%、人口が5.2億人に減少。
・2047、48年と2隻の恒星間移民船で1万5千人の人類が地球を脱出し移民先の星を目指す。

こういった世界観の中、5000人の移民船アラトラム号がこの作品の舞台となるわけです。
20年かけて行きついた星が結局住めないことがわかり、地球へ帰ることを決め決死の航行を行ったところ地球では2万年たっていて、そこでゴジラと対峙するという物語。

で、私は思ったのですよ。人類は地球そして1万5千人以外の人類を見捨てて宇宙へ旅立つ必要があったのか?と。
ということで公開前の10月25日に発売されたニトロプラスによる小説です。

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角川文庫「GODZILLA怪獣黙示録」大樹連司著・虚淵玄監修
人類がいかに怪獣と戦って地球を追われたかを描く映画の前日譚と言うふれこみだったので読んでみました。
作品は地球連合情報軍総合情報部の職員が対怪獣の記録を残すためさまざまな生存者からその経験談を聞き出すという形式でカマキラス、ドゴラ、ヘドラ、ガバラ、ダカーラ、オルガ、マンダ、ビオランテ、ジラ、ゴロザウルスとそれぞれの怪獣ごと短編で順に事件が語られています。最後にはこの著者が映画の主人公の目の前でゴジラに殺された父親アキラ・サカキであることがわかるという構成になっています。

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冒頭には怪獣の出現地図や年表が掲載されています。
で、読み終った感想はやっぱりなんで?!というものでした。
大前提としてこの作品はゴジラ映画です、怪獣映画です。だからいわゆる”怪獣””ゴジラ”という概念がある世界です。その上SFとしてこの設定を持ち込むのは無理があることはわかっています。
怪獣は個体でありそれぞれの事件で登場するのはおよそ1匹づつです。そしてその中で一番強いとされるゴジラは1匹です。しかもそれは空を飛ぶことも瞬間移動することもありませんし、増殖することもありません。
というのも「シン・ゴジラ」の時の庵野監督と東宝の打ち合わせの中で「増殖・分裂は不可」という条件がありましたからあまりゴジラに突飛な設定はつけられないんですよね。
だとすればゴジラが現れてもそのゴジラから逃げながら人類は地球で生きていったらよかったんじゃないかと思うのです。
ゴジラが人類の天敵でありゴジラは人類を襲うという設定を信用しても地球の全面積と1匹のゴジラとを考えるとある程度犠牲は出ても人類は逃げきることができるんじゃないかと。
たとえば人類が絶滅するような設定、ゴジラによる放射能汚染や病原菌の発生とかいう脅威についてはあまり描写がありませんから。ダカーラのところで一部謎の感染症が発生したという記述があるくらいでした。
方法としては衛星軌道上に巨大なステーション都市を建造し、地球連合の中枢部をそこに移しそこから地球に降りて資源を調達するという方法もありなんじゃないかと。さらに地球に住みたい人もいるだろうから、地球に残って何ヶ所かに拠点を築いてそこから資源をステーションに送るという手もあるのではないかと。
とにかく大半の人類を見捨てて、何が起こるかわからない宇宙の旅を続けるという選択よりは地球に残って生き残ることを考える方がよっぽど良いんじゃないかと思うわけです。
まあストーリー展開上映画の設定が必要だというのはわかるのですが、人類が地球を捨てるにいたるもうちょっとなんかいい設定が考えられなかったんかなあ。

さて、この小説には表題以外にもいろいろと東宝怪獣やメカの名前が登場します。このあたりはニトロプラスのサービスですね(笑)。
怪獣としてはガバラ、エビラ、グリホン、ゲゾラ、ガニメ、マンダ、カメーバ、オオダコ、バラン、バラゴン、クモンガ、メガギラス、ビオランテ、ジラ、ゴロザウルス、メガロ。
映画でもあった中国が対怪獣に作った生物兵器ヘドラが実は怪獣だったという話もあります。そしてパワードスーツジャガーJ、マーカライトファーブ、モゲラ2などのメカも登場します。
そんな中で映画に話が出たビルサルドの間に合わなかった対ゴジラ兵器「メカゴジラ」の名前だけは出てきませんでしたね。

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同じく10月25日発行の「夕刊ゴジラ弐号 GODZILLA怪獣惑星」。
前半が映画「GOZILLA怪獣惑星」に関する記事になっています。映画における怪獣との過去の戦いの歴史について過去の映画の写真などを使って紹介しています。
これを読んでもやっぱり新しい情報はなく、映画の設定については納得できませんでした。
映画についてはキャラクター、ストーリー紹介の他2人の監督、CG製作のポリゴンピクチュアズ、主演の3人の声優、宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜のインタビューが載っています。

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中綴じで上右の怪獣絵師西川伸司氏描き下ろしピンナップがついています。
後半は各種イベントの記事等が載っています。新宿でのゴジライベント、東京新宿にオープンするゴジラストア、西川伸司インタビューなどです。
まあ、映画の副読本としてはおもしろいのですが、新聞で500円という値段はちょっと高すぎると思いますね。

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