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2017年12月09日02:12

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談社キャラクター文庫「小説 仮面ライダーゴースト〜未来への記憶〜」は仮面ライダーゴーストの集大成だった

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11月に発売された講談社キャラクター文庫「小説 仮面ライダーゴースト〜未来への記憶〜」を読みました。
上は6月に発売されたDVD「仮面ライダースペクター」に入ってたチラシです。見てもわかるように最初は8月に発行する予定だったものが伸びてやっと11月に発売されたというわけです。 

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講談社キャラクター文庫は2012年11月に平成ライダーの小説版を刊行するため創刊されたレーベルで順に仮面ライダークウガから仮面ライダーオーズまでが刊行されました。その後フォーゼとウィザードが2014年に2015年に鎧武、2016年にドライブが発売されています。
平成ライダーは「仮面ライダー鎧武」で虚淵玄が世界観や最終回までのストーリー設定をきっちり行うというアニメの手法を行ってからわりときっちりと世界設定を作るようになってきました。そして、それまでは年末のMOVIE大戦映画が最後だったのが翌年にVシネマが発売されるようになり、それらを補完するような形で小説が書かれるようになってきました。私は故あってVシネにもつきあっているので鎧武以降は買って読んでいます。

今回の「仮面ライダーゴースト」ではそれが露骨でTVシリーズ最終話で明らかにタケルの子供のような少年アユムが登場しています。
そして12月に行われたファイナルステージのショーでタケルの息子であるアユムが未来からやってきてタケルと一緒に戦います。この段階で母親が誰なのかは謎でした。多分アカリではないだろうと。
今年6月に発売されたVシネマ「仮面ライダースペクター」において謎の少女クロエが登場しタケルと出会います。おそらく彼女がそうなんだろうと思わて続きは小説でとなったわけです。
これだけ前振りされるとそりゃ読みたくなるでしょう!だから発売が延びた時にはがっかりっしたものです。

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「小説 仮面ライダーゴースト〜未来への記憶〜」
読んでみてびっくり。まずグレートアイ視点でのプロローグから始まります。そして本編は3章に分けられています。

第1章 ガンマ世界創世
太古に地球にいたアドニス率いる民がグレートアイの力で違う世界に行き、その環境で生き残るための選択として死なない世界ガンマ世界を作り上げるまでを描いています。
アドニス、3人の息子アルゴス、アデル、アラン、眼魂システムを作り上げたイーディス、Vシネに登場したダントン、イゴールなどガンマサイドのおなじみのキャラクターたちが登場します。
これを読んでやっとガンマ世界の設定がわかりTVシリーズ、映画、Vシネのすべての話の辻褄が合ってきます。

第2章 大天空寺の宿命
1974年からTVの10年前までの大天空寺の天空寺龍、五十嵐、西園寺たちの出来事、深海大悟やイーディスとの出会い、TVの物語に至る過程が描かれています。どこまでが当初から考えてあった設定かはわかりませんが、かなりの部分で辻褄が合うようになっているのには感心しました。
今回の小説では以下のことが初めて描かれています。もしかしたら他であったのを見逃しただけかもしれませんが。
深海大悟はガンマ世界のダントンのもとにいたゴーダイでダントンによって生み出された人工生命体である兄妹(後のマトコとカノン)を連れてモノリスを通じて天空寺にやってきて大悟と名乗り人間として深海奈緒子とマコト、カノンと暮らしていたこと。そして仙人となったイーディスに頼まれ違う世界へ飛ばされたアドニスを助けに2人を置いて行ったこと。ここにきてVシネマと劇場版がうまくつながったというわけです。
猫のユルセンがイーディスが最初に眼魂システムをテストした実験体であったこと。その他スペークターアイコンの出自とか、眼魔の地球侵攻にそなえて仙人が眼魂ドライバーGやディープスペクターアイコンを開発していたことなど細かい部分もフォローしています。
残念なのはBD−BOXに特典として収録されていた「アラン英雄伝」を私は見ていないことです。アランが地球に偵察にき時に若いフミ婆に出会うというような話らしいのですが・・・・仮面ライダードライブ以降はこのパターンのエピソードがあるのですが、さすがにそれにはつきあってられないので。後にまとめてDVDになったりもしてませんしねえ。

分量的には1、2章で全体の3/4くらいを占めています。そして新たな物語はVシネマの後、TVから3年後の話の第3章で語られます。

第3章 タケルとクロエの再会
Vシネマの最後で眼魔世界に青空が戻った後の世界、フミ婆の3回忌の日に生き残ったものの改造のため命が尽きようとしているクロエはタケルの「自分のために生きろ」という言葉の意味を知りたくてタケルに会いに来る。そしてクロエを救うためにタケルが事故に会って意識不明になってしまいます。眼魔やダントンのような敵が現れることもなく病院のタケルのもとを訪れる人々の話が続きます。結局、目をさましたタケルの「未来に繋げる」という願いがグレートアイの力でクロエを生き返らせるのです。

その後、エピローグとして活動を再開したデミアによって危機に陥った人類をタケルとクロエの息子であるアユムが白い仮面ライダーゴーストになって救うというファイナルステージで語られたエピソードで締めくくります。

第3章のタケルとクロエの物語の部分は少ないですが、第1章、第2章はこれまでのTVシリーズ、劇場版、Vシネマ、ファイナルステージと仮面ライダーゴーストを見てきたものにとってはそれらを繋げるお話になっていて結構楽しめる内容になっていたと思います。まさに仮面ライダーゴーストの集大成のような小説でした。

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初回限定で眼魔文字解読表の載ったしおりがついていました。そして巻末には時系列の年表「仮面ライダーゴースト全史『魂の記憶』」が収録されています。








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