【クリスマスの準備】
ボクの家は1階が両親、2階がボク、3階が姉夫婦、4階が長男夫婦という造りになっている。
この時期になると各々が「クリスマスの飾り付け」を始める。
1階の親父が「星」を作って屋上に飾り、あとはそれぞれが思い思いの物を、通りに面した家のベランダに飾り付けていくのだ。
ボクの仕事は「シーサー」に帽子とマフラーをかぶせること。シーサーは家の守り神なのだが、去年ちょっとしたお遊びでやってみたところ、近所の子供たちに大ウケ!
以来、クリスマス時期になると子供たちから「今年はまだですか?」なんて聞かれてしまい、恒例になってしまった。シーサーはちょうど2階の位置にあるからだ。ベランダから無理して手を伸ばせば届かないこともないのだが、しょっちゅう肩が外れるボクは親父が屋上に星を取り付ける時に一緒にやろうかと思っている。
クリスマスの飾り付けというものは年々パワーアップしていくらしく、向かいの家はサンタの人形やらトナカイの電飾の置物やら、動くトナカイやらでもう収拾がつかない状態である。
実は近所で一番最初に飾りつけを初めたのはウチの家であった。
公務員で休職中でヒマだったボクが、ハンガーで作ったツリーを飾ったら周りの家もやりだした。
ウチが徐々に質素になっていくのに対し、ウチの近所はまるでキャバレー街のようだ。
3階の次女が今年
「家に侵入しようとしているサンタの人形」を買ってきた。
三体のサンタがそれぞれ登っていく感じを表現したものである。
次女は
「いいでしょーこれー」
と張り切って飾りつけをしたがその日の深夜、豪雨が降った。
翌日
「サンタどうなったかな?」
と表に出て見てみると三体のサンタはそれぞれ
・一体はシーサーに必死にしがみつき
・次の一体は上のサンタの足にしがみつき
・最後の一体は2体目のサンタの足に必死にしがみつき車の上にうつ伏せに倒れていた。
なんだこの家・・・
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