紅葉の熊野古道

１２月２日

今日は冷え込むから山では霧氷が期待できそう。
でも、先週の釈迦ヶ岳で霧氷を満喫した。
今日はちょっと趣をかえてみよう。

今年は低山の紅葉が綺麗だと書いてあったな。
熊野古道の紅葉が綺麗だというレコもあった。
そうだ、久しぶりに熊野古道を滝尻から近露まで歩いてみよう。

朝７時半にうちを出る。
こんなにゆっくりした時間から山に行くなんて滅多にないな。

スタートの滝尻王子には貸切タクシーで来た若いカップルがいる。
熊野古道はポイントを車で回ってもあまり意味がない。
歩かなくちゃ。



ここは最初は急登なんだよな。
古道歩きなんて軽い気持ちで登れるところじゃない。
昔両親と一緒に来て、母が５分登っただけで音を上げたな。

剣ノ山３７１ｍ、ふう、一気に３００ｍ近く登った。
登り始めが１００ｍ以下だから侮れないよね。
ここからはちょっと緩くなるよね。

常緑の木々が多い中で時々黄色や赤く色づいた葉っぱが光っている。






家が出てきた。
高原（たかはら）の集落だ。
ここにあのイーデス・ハンソンさんが住んでいるんだよね。
若い人は彼女のことを知っているかしら？



高原熊野神社にお参りする。
小さな神社だけど、熊野古道では一番古い神社らしい。
大きな楠木が神社を守っているみたいだね。





そばの休憩所でお昼ご飯にしよう。
風もなくそんなに寒くない。
青空、山、棚田と広がっている。



あら、何かしら？
１歳くらいの子供の相手をしている若いお母さんに聞いてみる。
「ポニーです。草を食べてくれるペットなんです。」
古道沿いのおうちはみんなに見られてしまうね。



わあ、きれい！
大きなモミジの木だ。
緑から黄色、赤とグラデーションの紅葉だ。
今日一番のべっぴんさんの紅葉だな。




小さな池に落ち葉が広がって輝いている。
決して綺麗な池じゃないけど、落ち葉の演出でいい雰囲気になったね。



木の切り株に石が積まれている。
ケルンだ。
道の両側のほとんどの切り株に石が積まれている。

おや、面白い！
葉っぱの上に小石。
ピアスをした顔。
うまくバランスを取っている塔。
一人じゃねえ〜〜〜
こういうのは仲間とワイワイ言いながら楽しみたいね。





十丈王子にはきれいなトイレがある。ありがたい。
大坂から来たという男性とおしゃべり。
ジェットボイルでお湯を沸かしている。山好きの人だった。

さっき追い越した二人連れの女性が来た。
「まだ登るんですかねえ〜〜〜。」
小さなディパックにスニーカー。山歩きは慣れていないようだ。
すぐに追いついて追い越した。

上田和茶屋跡標高約７００ｍ、今日の最高地点だ。
ここからはもう下り。
滑らないように気をつけなくちゃ。

今迄歩いていたのは十丈王子で会った３人だけ。
晴れた土曜日なのに静かな古道歩きだ。

後ろから男の人が来た。さっきの人かな？
違う、初めて見る人だ。
追い越してさっさと行ってしまった。
速い！

牛馬童子に着く。１５時１３分だ。
ゴールの近露までは１０分くらいになっている。
１６時過ぎのバスには充分間に合うな。




さっきの大阪の男性が追いついてきた。
近露まで一緒に歩く。



「まだ紅葉が残っていましたね。」
「ここは南紀ですからね。そんなに寒くはないんですよ。」

近露王子で手を合わせる。
「無事に歩き通せました。ありがとうございました。」



「私はここからバスに乗って滝尻に戻るんです。」
「僕は近くの道の駅に車を置いて、朝バスで滝尻に行って歩きだしたんです。」

近露で男性と別れてバスを待つ。
バスが着くと、一人の乗客が下りた。
バスには古道歩きらしい一人の客がいるだけだ。
途中で地元の人らしい人が一人乗って来た。
お客さんが乗っているとほっとするね。

滝尻でバスを降りる。
「ありがとうございました。」
ちょっとの間でも貴重なお客さんだったかな。

私もバスのおかげで車まで戻れました。
「ありがとうございました！」