2017.11.25 於:みなとみらいホール
(前半)
スメタナ
歌劇<売られた花嫁>序曲
ドヴォルジャーク
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53
(後半)
バルトーク
管弦楽のための協奏曲
(アンコール)
ドヴォルジャーク
スラブ舞曲 作品72-2 ホ短調
終演後、インキネン氏によるサイン会あり
指揮:ピエタリ・インキネン
ヴァイオリン:扇谷 泰朋
コンマス :田野倉 雅秋
すっきりとした青空が広がった土曜日、クリスマス一色のみなとみらいに東欧プロを聴きに行ってきました。
日本フィルの主席指揮者のインキネンさん。今回の来日では最後の公演がこの横浜でした。今日の注目はヴァイオリンコンチェルトのソリストを日本フィルのコンマスの扇谷さんが努める事、ヴァイオリンコンチェルトそのもの、そしてバルトーク。
先ず、ヴァイオリンコンチェルト。曲は演奏機会が少な目な事が理解出来ない程の名曲。美しく叙情的な旋律を扇谷さんが奏でます。ヴァイオリンと管楽器(オーボエ、クラリネット、ファゴット、フルートが殆ど準主役!)が絡み合う2楽章は室内楽のように端正な音がみなとみらいの広い空間に向かって拡がります。力強い3楽章でも音は乱れず華々しいフィナールでした。扇谷さんのヴァイオリンはもう少し存在感があっても良かった気もしますがなかなか良かったのではと思います。
後半はメインのバルトーク。演奏会で聴くのは初めてです。各楽器が独立して演奏したり、交響曲的な部分があったりで全体的な曲調や流れが掴みにくい曲ですが、奏でられるメロディーは新鮮かつ親しみ易いパーツが組み合わさっており、繊細な表現で(計画的に)組み上げられたインキネンサウンドに聴衆はいつの間にか惹き込まれ、唐突に現れる楽章間も静寂に包まれる程、お客さんの集中度も高まります。私もこの一ヶ月で一番集中した35分だった気がします。
春にはインキネンさんの冷静過ぎる型にはまった感が気になりましたが、実はそれが曲の構造を分かり易く見せてくれていて、何故そこはこの音なのか、という必然まで示してくれているような気がしました。
いやいや、普通の浪花節もできるよ、と、アンコールでは、情感たっぷりに、スラブ舞曲をやってくれました。
来シーズンが待ち遠しいです。その前に次回は第九です。
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