絵画モデル#4

♯４
　三回目です。
　この時は，ホテルに着くなり，すぐにすべてを脱ぎました。画家さんの前でもあたかもそれが自然であるかのように。もう一刻も早くヌードになりたかったという気分です。でもホテル内にあった上着を羽織ります。ボタンをすると腿あたりまで隠れますが，ボタンは一切かけませんでした。なので羽織っていてもオールヌードとあまり変わらない感じです。
その状態で洗面台の前に立ちます。画家さんには背を向けますが，正面は洗面台のガラス越しに映っています。鏡に映ったところと後姿を描かれました。すごく日常的な一コマという感じでしたね。朝起きて上着を羽織り，顔を洗うために洗面台の前に立つという感じの。この時男性器は普通の状態で下を向いていたのですが，洗面台の蛇口は上を向いていて，画家さんはその対比を描いたとのことでした。

二枚目は，その格好のまま画家さんには背を向け，ソファに座ります。画家さんは斜め後ろから描きます。この時後ろからだから前は見えないだろうと油断してしまいました。これまでは勃起をしないようにと頭の中を真っ白にしていたのですが，油断してしまった結果，勃起してしまったんです。何で起ってしまうのでしょうね。ヌードになって開放的な気分になるからでしょうかね。
この二枚目が完成し，それを拝見して愕然としました。斜め後ろからだから見えないと思っていたのに勃起しているところもばっちり描かれていたのです。これにはちょっと恥ずかしかったのですが，画家さんは「起っていたね。」とさらりと言い，それがあたかも自然なことのようにふるまっていました。

　二枚目が書き終わった後，ホテルの一室で昼食をとりました。先ほど着ていた上着だけの状態ですが，ボタンは締めました。しかし普段はそんな恰好で人と食事をしないですよね。でもすごく自然だった気がします。

　その前後は忘れてしまいましたが，今回は，ポーズの練習も兼ねて画家さんに写真撮影をしてもらいました。もちろんヌードです。ヌード撮影はこれも初めてですが，写真だと一瞬のことなので恥ずかしいと感じている暇もなかったという感じでした。ベッドの上，バス洗面所，トイレといろいろなところで撮りました。着衣の画家さんとツーショットで撮ったりしました。この撮影は楽しかったですね。着衣の女性とヌードの自分というシチュエーションは，何とも言えない新しい未知の世界という気がしました。
そこで，画家さんは自分の自画像を僕の横に入れることで着衣の女性とヌードの男性という構図の絵を描きました。これが三枚目です。
　女性のモデルさんがいれば，この構図を本格的に実現したかったので，女性モデルさんを探したのですが，興味ある女性から連絡はあったのですが，最終的には実現しませんでした。

　次回四回目に向けて画家さんにアイディアがあるとのことです。次回は小道具を使いたいとのこと。それは次回まで秘密とのことです。もしかしたら僕が嫌がるかもしれないとのこと。何なんでしょう。すごくドキドキしました。でもその反面次回のモデルが楽しみでもありました。