■教科書の文章、理解できる？ 中高生の読解力がピンチ
(朝日新聞デジタル - 11月07日 07:27)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4847631
前にも同じ問題で中高生の学力低下を軽少警鐘する記事があったけど、毎年やってるのかな。問題が全く同じだから、正答率は上がりそうなものだけれど、昨年と比べてどう変化したのだろうか。それをちゃんと記事にしてくれないと本当に中高生の読解力が低下傾向にあるのか、これでも少しはマシな方になったのか、見当がつかない。
けれども学生に限らず、読解力が無いなあと感じるのは大人にもありがちなことである。
私の経験で言えば、「誠にお詫びの言葉もございません」と言ったら、「謝る気がないのか」と立腹されたことがあった。このように、文脈が読み取れない以前に、言葉や表現自体を知らないというレベルの人も少なくない。
昔、「ガイシュツですが」って言い方が流行ったけれども、未だに「既出(きしゅつ)」をそう読んでいて「なぜか変換できない」と首を捻ってる情弱はそこいらにゴロゴロしているのではないか。
ネットで私に絡んでくる人間の大半は、読解力の欠片もない人間が殆どである。
大抵は本文の論点を無視して、一部の表現のみを取り上げて文句をつけてくる。批判されている点については既に本文に書いているのに、よく読んでいないとしか思えない。
それがわかる時点で適当にあしらってお引き取りを願うようにしてはいるが、中には粘着して延々と恨み辛みを書き込んでくる御仁もおられるので、そうした場合はアクセスブロックをかけるしかなくなってくる。議論する気がなくて、自分の意見を押し付けたいだけだから、本文の内容などハナから理解する気がないのだ。
国立情報学研究所の問題を読んで、なぜこんな簡単な問題を読み間違えるのだ、と疑問に思った方もいらっしゃるだろう。でも、「本文をよく読まずに絡んでくる」人間にばかり遭遇してきた経験から推し量るに、誤答した学生たちは最初から問題文を読んでいないのではないかという気もしてくるのだ。
文章を読むのが面倒臭い、読んでも理解できないかもしれないから読みたくない、そう感じている中高生は実は物凄く多い。そんなんで社会生活が送れるのかと疑問に思われた方はまだ学力がおありだ(苦笑)。案外、普通に生活できちゃうんですよ、漢字もろくに読めなくても。
ろくに日本語が喋れない、理解もできないけれど、「イエス」「ノー」だけで世渡りしている留学生とかいっぱいいるじゃないですか。中高生なんて、生まれて物心ついてから10年も日本にいないんですから、外国人と同じです。日本語をよく知らない方が当たり前。
もちろん、読解力が低ければ洞察力も養われない。考える力のない大人になってしまうことは火を見るよりも明らかなことなので、国立情報学研究所ではそのことを一番危惧している。けれども正直、中高生でこの程度の読解もできないようであれば、もう「手遅れ」だと判断するしかないだろう。
Twitterのような短い呟きならともかく、まとまった内容の文章を読んだ経験自体、誤答者たちにはないのだ。
子供に読書の習慣を付けさせるのに親の教育は不可欠である。子供の頃に絵本の読み聞かせを親からして貰ったかどうか、殆どこの一点で子供の運命は変わると言ってよい。
読書という何物にも代えがたいワンダフルな経験をしたかどうか、そこに全ての娯楽に勝る愉悦を覚えたかどうか、それが子供を自ら本に手を伸ばすきっかけを作ることになる。読解力が育つかどうかはそこで決まるのだ。
言っちゃなんだが、低所得層ほど読解力がないのは、間違いなく親が本を買って読み聞かせしてないからだ。だったら図書館に子供を連れていけよ、と思うが、休日も子供をほったらかしてパチンコに興じるような親には図書館など全く無縁の存在でしかないのだろう。30代、40代の親が既に読書習慣もなく、読解力のない者ばかりであれば、その子供がバカに育つのは当たり前だ。
普通に読書をしてきた人には信じられないことかも知れないが、世の中には生まれてこのかた、本なんて読んだことがない人間も腐るほど存在しているのである。
彼らにしてみれば「なぜ本なんか読むの？ 面白くないやん。意味分からんし」ということになる。それが彼らの「正論」として十数年生きてきたので、今さらそれを変えようもない。
こちらが読書は必要だと口が酸っぱくなるくらい熱弁しても、聞く耳を持たない。かえって「本好きなんて変わってるね。何が面白いん？」とこちらをバカにする始末である。
いったん「読書をしなければならない」という意見を受け入れてしまえば、それまで読書をして来なかった自分の人生を恥じねばならなくなるから、それは彼らには到底認めがたいことなのである。
要するに非読書家は現実逃避しているだけなのだ。問題は、そうして現実に目を背けているにも関わらず、世渡りをするのに別に困らないというおかしな状況が現にあるという点にある。
「別に本とか読めんでも困らんし。こんな問題、分からん方が正しい」という開き直りがまかり通ってしまうことが解決の糸口を失わせてしまっているのだ。
「読解力がなくてもいい」という思考は、「勉強自体、しなくていい」と同義である。それは即ち、社会において自らのステイタスを上げたいという上昇思考が失われているということである。ほどほどで満足すると言えば聞こえはいいが、どんなに頑張ったって行き先は高が知れている、努力するだけ無駄だ、という「諦念」がその根底にあるのではないか。
問題解決の手立ては極めて困難である。この社会が「努力すれば報われる」ものにはなっていないこと、そこに最大の原因があるのだから。
格差社会は低所得層から未来への希望そのものを奪ってしまっている。子供に本も買ってやれない家庭で、どうして教育ができるだろうか。親に「そんなの関係ない、うちの子は本なんか読まなくてもいい子に育っている」と言わせてしまう状況がいかに悲惨か。そのあなたの仰る「いい子」は、実際はあなたと同じく、努力する人を無意識のうちに見下している差別主義者になっちゃってるんですよ。
社会全体の話となると、この先、この国が「希望の持てる社会」になるかどうかは疑わしいのだけれど(苦笑)。個人レベルでできることは、本当に子供の頃から本に親しませること以外にはないのだ。
その時、親は間違っても「本を読め」と強制するだけで放置してはならない。一緒に本を読んでやる。そこから自然に自分で本を手に取るように誘導する。それができるのが「親が親であること」の本当の意味だ。
その意味で、「親が親でなくなっている」家庭は今後も増加していくことだろう。歯止めは難しい。未来は暗いが、それを暗いとも感じられなくなっている子供たちからは、自分たちがなぜこんなに貧乏なのかを理解する力も失われているのである。
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【記事全文引用】
教科書や新聞記事のレベルの文章を、きちんと理解できない中高生が多くいることが、国立情報学研究所の新井紀子教授らの研究グループの調査で分かった。新井教授は「基礎的な読解力がないまま大人になれば、運転免許や仕事のための資格を取ることも難しくなる」と指摘している。
調査の名称は「リーディングスキルテスト」。教科書や新聞記事などの文章を読んでもらい、意味や構造を理解できているかを調べる内容で、２０１６年４月から今年７月にかけて、中高生を中心に全国で約２万４千人が受けた。問題は、コンピューターで受験者ごとに無作為に出題した。
その結果、例えば「メジャーリーグ選手の出身国の内訳」に関する中学校の社会科教科書の文章を読み、内容に合うグラフを正しく選べた中学生は１２％で、高校生も２８％にとどまった。文章には「選手のうち２８％はアメリカ合衆国以外の出身」とあったが、四つのグラフの中から「７２％がアメリカ合衆国出身」という事実を示すものを選択できない生徒が多かった。
似た文章を比較する問題でも誤答が多かった。調査では、やはり中学校の社会科の教科書にある「幕府は、１６３９年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」という文と、「１６３９年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」が同じ意味かを尋ねた。幕府と大名の関係が入れ替わっているため、正解は「異なる」だが、中学生の４２％、高校生の２７％が「同じだ」と答えた。
ログイン前の続き調査では、中高生に読書の好き嫌いや１日の勉強時間、スマートフォンの利用時間も聞いたが、読解力との関連は確認できなかった。一方、所得の低い家庭の子どもに学用品費などを補助する就学援助を受けている子どもの割合が多い学校ほど、生徒の正答率が低かった。
新井教授は「中学卒業までに、中学校の教科書を読めるようにすることが教育の最重要課題だ」と話す。仕事の多くが人工知能（ＡＩ）に代替される時代が近づくなか、ＡＩに負けない能力を身につけるには文章の意味を理解し、学び続けることが欠かせないからだ。今後、テストをさらに多くの生徒に受けてもらい、読解力の向上の方法を検証するという。（根岸拓朗）
【リーディングスキルテストの問題例】
以下の文を読みなさい。
幕府は、１６３９年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。
１６３９年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
正答：異なる
正答率：中学生５７％、高校生７１％
出典：東京書籍「新しい社会 歴史」
◇
【問題例】
以下の文を読みなさい。
Ａｌｅｘは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Ａｌｅｘａｎｄｒａの愛称であるが、男性の名Ａｌｅｘａｎｄｅｒの愛称でもある。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから１つ選びなさい。
Ａｌｅｘａｎｄｒａの愛称は（ ）である。
�。腺譯紕�
�■腺譯紕�ａｎｄｅｒ
�Ｃ棒�
�そ�性
正答：��
正答率：中学生３８％、高校生６５％
出典：開隆堂出版「Ｓｕｎｓｈｉｎｅ３」
◇
【問題例】
以下の文を読みなさい。
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから１つ選びなさい。
オセアニアに広がっているのは（ ）である。
�．劵鵐疋ァ雫�
�▲�リスト教
��イスラム教
�な�教
正答：��
正答率：中学生６２％、高校生７２％
出典：東京書籍「新しい社会 地理」
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