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2017年11月06日20:08

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1957年度国防白書

今年はイギリスの航空産業の分岐点になった1957年度国防白書が発行されてから60周年になります。当時はミサイルの発達で有人機の将来に対るすり悲観論が蔓延し、多くの軍用機が開発中止となりました。イギリスでこの白書の是非は今でも議論の対象になっている様で、季刊誌"The Aviation Historian " に連載記事が載っています。
公文書なら原文が上がっている筈ですが、未だweb上で見付かりません。雑誌に掲載された部分だけ翻訳しました。

1957年の国防白書
ダンカン・サンディス国防相の1957年4月4日の声明で発表した将来の防衛政策の概要は、政府出版局が刊行したパンフレットをに掲載されている。将来の防衛体制を見直し、経済構造を守る為に国家の重大な必要性を議論した。5年間に防衛体制を再編成すれば、初年度に7,900万ポンド節約が予想される。紹介しているパンフレットの一部は、中心的な教義を詳述しています。
財政再建
世界の趨勢は、統合された連合軍の創設に向かっている。
そのために各加盟国が共同努力して公正な役割を果たすが、参加各国が自国だけでバランスが取れた軍備を揃えるのは望ましく無い。しかし、どのような尺度が採られたとしても、英国は西側の防衛費全体の中で不均衡な部分を占めているという結論は否定出来ない。更に英国はアメリカとは別に防衛努力している事を忘れてならない。英国は独自の核抑止力で世界平和に貢献している。
 現時点では核攻撃に対して国民を守る有効な手段は、現時点では存在しないと率直に認識しなくてはならない。
 戦時に空軍の戦闘機は爆撃機迎撃に有効なのは疑い無いが、必然的に突破される。僅か12機でも、それらメガトン爆弾は甚大な被害をもたらす。これにより、軍事計画における優先事項は、戦争準備では無く戦争抑止するべきと明確になった。
 包括的軍縮が英国の外交政策の第一の目的の一方で、侵略に対する唯一の防衛手段は核兵器による抑止力であると、国際的に合意されていることは不幸にも真実である。

核抑止力
今日の自由世界はアメリカが保有する核兵器に依存している。イギリスは及ばずながら独自の核抑止力で貢献している。イギリスの原爆は既に量産され空軍は多数保有している。イギリスのメガトン爆弾は開発中だが、まもなくテストされ生産される。
これらの兵器の運搬手段は現用のV級中型爆撃機で、その速度性能と高度性能は他国の現用爆撃機に匹敵する。その意図は弾道ロケットで補われるべきです。
 平和は核報復能力の脅威の抑止力に依存し、侵略者の爆撃機基地に対する先制攻撃の意図を抑止に不可欠です。爆撃機基地の防衛は抑止に不可欠で実行可能です。有人戦闘機戦力は現在より縮小されるが限定された用途には適合し、次第に空対空ミサイルが搭載されるようになるだろう。やがて戦闘機は地対空ミサイル・システムで代替される。
 ドイツに駐留する戦術航空戦力は1958年3月末に現在の半数に縮小される。飛行隊の削減は原子爆弾に振り替えられる。英本土の軽爆撃機戦力も同様に縮小されNATO諸国に割り当てられる。

航空計画
 もし軍の保有する兵器や装備品が更新され続けるなら、相応の努力で研究開発に続けなくてはならない。しかしながら科学者や技術者が産業に不足しているので、これらの軍事計画の制限が不可欠です。
 防衛計画の中心は有効な抑止力の維持です。最優先は有人爆撃機や弾道ミサイルに搭載可能な核兵器の開発継続です。核弾頭はミサイル防衛にも発展します。
誘導ミサイルと弾道ロケット研究のアメリカとの密接な協力は1953年に合意、維持と開発でに両国に相互利益の証明、アメリカ製ロケット導入で時間と資金を節約すべきです。
 性能と発展性を、中型爆撃機のバルカンとビクター、弾道ロケットの進歩とミサイル防衛を考慮し、政府は10年以内に実用化出来ない有人超音速爆撃機の開発を中止した。地対空ミサイル防衛システム開発を継続し、有人戦闘機は取って代わられる。
既に進行している観点で、政府は空軍にはP.1超音速機より進歩した戦闘機は必要ないと判断し、この様な計画は中止される。

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