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2017年11月04日09:34

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ダダのソフビにまつわるA・B・C−「ウルトラ怪獣シリーズ83 三面怪人ダダ」が裏面まできっちりと線が描かれていたすばらしい出来だった件−

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今週の「ウルトラマンジード」はダダが登場。ということでこの週末にダダのレギュラーソフビが発売されました。これには非常に驚きました。
というのは中国の人件費が高騰して以来、塗装コストがかかるので主役のウルトラマンでさえ

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600円のレギュラーソフビでは塗装が省略されていて特に背面なんかほとんど塗られていないのが現状なのです。
2013年の「ウルトラマンギンガ」の放送時にこれまで30年近く続いてきたウルトラ怪獣シリーズをサイズを小さくして「ウルトラ怪獣500」として500円にした時にはすでにそういう状態でわざわざ売場にウルトラマンの背面は塗られていませんと注意書きが貼り出されたくらいでした。だからウルトラ怪獣の中でも20本の指に入るような人気怪獣であってもダダのように全身に細い線が入っているような複雑な塗装に手間のかかるキャラクターは現状では発売されることはないだろうと思っていたのです。

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「ウルトラ怪獣シリーズ83 三面怪人ダダ」
正直、裏面は塗装されていないと思っていました。それがちゃんと裏面まで完全に塗装されていたので驚きました。造形的にもかなりいんじゃないかと思います。
企業努力で手で塗装することなく黒い線を塗る方法を確立したということだと思うのです。

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その技術とはガシャポンの「ウルトラ墨絵スイング」の技術の応用なのです。この商品は高騰した塗装コストをかけないように黒い塗料に全体を漬けて、後でそれをふき取ることで成型時のモールドに塗料が残り線を塗ったようになるという方法で単色の墨絵風にするという手法で作られていると考えられます。今回のダダのソフビのボディはそれと同じ方法で作られているんじゃないかと思います。

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その証拠に分解してみると見えない部分は黒い塗料が残っています。

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特に胴体内部には塗料が入り込んでいるのか真っ黒になっています。

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足の裏の版権刻印の部分が今回のソフビのみ黒くなっています。普通こんなとこ黒く塗る必要はないですから(笑)。
そして、おそらくボディをその方法で作ってあとから頭をつけているんじゃないかと。というのは商品個体によって頭の角度が微妙に違っているので。

ということでこれまでのダダのソフビの歴史を振り返ってみましょう。
まず、1960年代放映当時のマルサン、1970年代第2次怪獣ブームの時のブルマァク、さらにはポピーのキングザウルスの時代にもダダのソフビは発売されていません。それは今と違って当時ダダがあまり人気がないのもありますが、それ以上に塗装の手間を考えてのことだったんじゃないかと思います。
バンダイが後に30年続くことになる「ウルトラ怪獣シリーズ」を1983年に立ち上げた時も発売されることはありませんでした。

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ダダのソフビが最初に発売されたのは1992年のことです。このころはまだ日本で生産されていて今と比べると線も太く数は少ないですし、裏面はまったく塗られていませんが、それでも当時としては画期的だったんじゃないかと思います。
1990年代後半になると生産が中国になり人件費が安いため塗装が出来るようになり、2000年のリニュアルの際にはダダの背面も塗られるようになりました。このころガシャポンHGシリーズがブームになり中国の塗装技術も上達し細かい塗装も可能になってきました。
ガシャポンHGシリーズでもダダが発売されました。小さいながらもきっちりと線が塗られており見事な彩色のこれが初めてのハイクオリティのダダとなります。。一方、2000年のゴモラを皮切りに出来の良くなかった人気怪獣のソフビを最新の造形・彩色でのリニューアルが行われ、2004年にダダもついにリニューアルされました。

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「ウルトラ怪獣シリーズ17 三面怪人ダダ」
きっちりと全身の線が塗られ、顔の小さい点々まで再現されたほぼ完璧なダダのソフビでした。この時以前はなかった首にも可動部分が採用されました。それはダダB、ダダCを作るためでもあったのです。2004年に2つのダダが限定版で発売されました。

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ウルトラマンフェスティバル2004限定の「ウルトラ怪獣シリーズ2004 三面怪人ダダ(B)」

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ハローマック限定の「ウルトラ怪獣シリーズ2004 三面怪人ダダ(C)」

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さらに2012年のウルトラマンフェスティバル限定で「ウルトラ怪獣シリーズSP ダダ 透明化バージョン」</A>が発売されました。
壁を抜けるダダのイメージなんでしょうか、クリアにシルバーで塗装されています。ただ線の数は省略されています。

ということでざっとダダのソフビの歴史をふりかえってきましたが、今この人件費が高騰している時代に積み重ねた経験とアイディアで乗り切って見事600円という価格で復活したこのダダの新作ソフビに私は拍手を送りたいと思います。


















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