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2017年10月29日14:38

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とある就労支援の施設で

 普通の企業に勤められない障害者が、復職を目指して訓練したり、一般企業への就職を諦めて簡単な仕事をする施設として、就労支援サービス事業所と言うのがある。いわゆる授産所が社会と切り離されて軽作業をする場所であるのに対し、一般企業への再就職が視野に入っているところが違う。今回縁あって少し覗くことが出来た。

 まず乱雑なことに目が行く。物が多くて片付かない訳でも、汚れて見た目が悪い訳でもなく、建物も新しくてスペースも充分なのに、とにかく第一印象が「汚い」。建物に入る前から明かに一般の会社とは違う雰囲気を醸していて、普通の人は絶対に近づきたいとは思わないだろう。

 一番元気だったのは知的障害とその他色々の障害を併せもつ女性(30代)だった。割り算は出来ないが普通の会話は成り立つ。彼女はすぐに挨拶に来てくれて、こちらに気を遣ってくれた。次に挨拶に来たのは障害を持たない支援員と言われる中年の男性、そしてもうひとり、バイクの事故で脳高次障害を負った男性(30歳くらい?)も会釈をしてくれた。

 ごく大ざっぱなお金の流れとしては、障害者(利用者/受給者)が1日ここで働くと数千円の給付金が施設に支払われ、これと、その他の助成金や、利用者が働いたことによる売り上げなどが法人の収入になる。働いた利用者は時給の形でお金を貰うが、能力によってはいわゆる最低賃金を大きく割ることも多い。ちなみに利用者は給料の中から法人に「利用料」を支払う。

 仕事はポスティングがメインのようだった。あとはアクセサリーを作って売ったり、新聞やアルミ缶などの回収をしている。今月は目標額の20万円を超えたそうだ。利用者の世話をする支援員と言う人がおり、ここでは純粋な支援員は1名だが、受給者でもある支援員、と言う人が2名いた。利用者は8人くらい。身体障害も精神障害もごちゃ混ぜだ。

 運営をしているのはエネルギッシュな40代の女性だった。自身もうつ病を煩っているため午前中はほぼ寝ているが、この施設の運営の他に、技術者としての仕事も持っている。私がいる間はとても人当たりの良い笑顔を振りまいて「出来る人」オーラを発散させていたが、私が居ないところでは支援員と利用者をずっと叱っていた。一度喋り始めると止まらない人のようで、2時間3時間の小言はザラらしい。

 結局のところ、この施設の汚さ、やる気のない淀んだ雰囲気、仕事の効率の悪さを作っているのは、どうもこの管理者のように思われた。彼女は時間さえあれば小言を言い、支援員と利用者を罵り続ける。彼女とサシで話したのはほんの1時間ほどだったと思うが、自分がいかに努力しているかの話を延々と聞かされた。普通はこの手の施設を訪ねると、どんな障害を持った人が、どんな作業をしているか、の説明があるものだが...。

 彼女の口癖は「この私でさえ」。かなりプライドの高い人のようだ。普通の企業であれば厳しい条件の下で働かせ、社員を淘汰したり、成長させると言うのもアリかも知れないが、ここはそういう場からこぼれた人を拾い上げる施設だ。彼女は「教育」しているつもりのようだが、悪いところをただ叱るばかりで、出来ることを伸ばすと言う視点が無いように見えた。これまでの経歴は知らないが、多分部下の2人や3人は潰しているだろう。

 知り合いを紹介するつもりだったがそれはやめることにした。彼女の下では誰も幸せになれそうもないと思われた。
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