カントの「道徳(人倫)形而上学の基礎づけ」を読解していた。
(トランプの「アメリカファースト」といった、自国中心的な考え方が支配的な雰囲気の世の中。
「自国も苦しい、でも難民を受け入れる」そういった選択をもたらすのは、本能ではなく、理性だと思う。
ともかくすべての世界の統治者が理性を忘れ、自国ファーストになったら、いけないんではないか?と素人ながら思う。
そういうこともあり、上記カントの本を読書会で取り上げてることになった。)
「基礎づけ」をはじめて読んだのは10代だと思うが、20年経った今でも物凄くむづかしい。
むろん、10代よりはマシになったが、お釈迦様の手のひらの上の孫悟空のような心境になった。
ただ短いので、後年の「実践理性批判」の方が整理されており、若干読みやすいと思う。
ただ「基礎づけ」の魅力は、躍動的な文体や実例だ。
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ところで、はたと、ページをめくる手がとまった。
youtubeを勝手に流していたのだが、素晴らしいブラームス2番が流れる。
確認すると、ヴァント/NDRである。
第二楽、第三楽章がとりわけすばらしい。
緩急自在、ええェというくらいのヴィブラート、それでいて、いつものように細かい音型がくっきり聴こえる。
楽器、特にホルンの音色が段違いにすばらしい。
録音もよく、とどろくTimの漸強。
とにかく物凄く積極的な表情、非常に表現主義的?表現意欲の盛んなブラ2だ。
「ヴァントって、こんなにテンポ動かす人だったっけ?」みたいな....(汗)
それも決して悟られないように、尻尾を出さないように、、、これみよがしではない。
Vnにしても「こんな旋律あったの?」という感じである。
NDRもいつも以上にクオリティ、ボルテージが高い。
こんなに手練手管な第二楽章、第三楽章ははじめてである。
僕はこの楽章よくもわるくも退屈に感じていたが、指揮者の力量でここまで違う音楽に聞こえるとは...。
第四楽章は、もっとちょっと欲張りたくなる。
それでも各楽器がクリアーに聞こえ、混濁せず、驚異的だし、録音がよいので、逸品だ。
なによりドイツらしい音色や雰囲気がすばらしい。
〜〜〜
ただ、ちょっとこの金管は鳴らしすぎで、僕の求める?ブラームスの渋さから遠いかもしれない。
が、指揮者の気合い、音のつくりこみ、オケの稽古から鳴らし方まで、すごいのは確かだ。
それと弦の音量や表情が細かすぎて、大らかさがない、という人もいそう。
こういう作りこみを嫌う人もいるはずだ。その辺りは賛否両論。
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