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2017年10月02日09:40

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【旅】アメリカ旅行《弐拾八》コロラド自然科学博物館２

数多くの化石が発見されていく中で、それまでの常識では説明できないモノが次々見つかった。

卵を抱いて温めている親。
子供を守るように親が両側を歩いてる足跡。
そして羽毛。

それらの形跡が残る化石が発見されつつあり、当初は『そんなはずはない』、『何かの間違いだろう』と片付けられていたのだが、次第に古生物学者たちの頭に疑念が湧き始めた。

こいつらは爬虫類ではないんじゃないか…？

そんな時デイノニクスの化石が発見される。この恐竜はティラノサウルスの様な形だが、サイズは全然小さくて人間より少し大きい程度。ジュラシックパークで子供達を追いかけ回し、最後ティラノにヤラれちゃうあの恐竜、と説明した方が早いかな。劇中では『ラプトル』と呼ばれていた様に記憶してる。
最大の特徴は後ろ足に１本ずつある巨大な鉤爪だ。他のに比べて１本だけ極端に大きく、身体と比べても不釣り合いなサイズである。こんなに大きく発達するのには、当然何らかの理由があるはずだ。デイノニクスは古生物学界に大きな疑問を投げ入れた。

そして発見者のジョン・オストロームと弟子のロバート・バッカーは
『この恐竜は後ろ回し蹴りを行なった』
という大胆極まりない仮説を発表するに至り、学会は騒然となる。
後ろ回し蹴りを行う為には極めて高い運動能力、発達した心肺機能、複雑な動きを統括する脳などが必要不可欠で、『冷血動物』であり『鈍重なトカゲ』の恐竜には到底ムリなことである。
この矛盾を説明する為に２人は革命的な学説を打ち上げた。恐竜は『温血動物』であり、活発な代謝を持つ活動的な生物で、『鈍重なトカゲ』などではなくイメージとしては『巨大な鳥』に近いとする
『恐竜温血説』である。

これは古生物学の世界が全てひっくり返るような衝撃で、賛否両論が激しく渦巻いた。
しかし、もし恐竜が温血動物であれば、それまでの矛盾や疑問に説明がつくモノが多い。
固定観念を捨てて考えれば、恐竜は温血の方が自然なのだ。
こうして一気に常識が逆転。以後、復元模型やイラストなどは、飛んだり跳ねたりする躍動感溢れる姿に再現された。

写真はプレシオサウルス。