※ここより先はゲームブック【混沌の迷宮】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゴーブの街で出会ったひたむきで幸薄そうな少女フキ。
助けを求める彼女に応じ、レドナントの村に向かうことになりました。
白ローブの老女の予言の導きに、白の魔法使いとの出会いを予感しつつ。
そろそろ表題である【混沌の迷宮】は出現するでしょうか。
【サルス 技術点8 体力点14 運点10】
●アタック01-4 魔法使いの地下城塞
フキは語った。
それはある日、レドナントの村付近の森の中にて。
フキは偶然、子どもしか通れないような小さな秘密の入口を見つけたのだという。
そしてむこうみずなことに、入り込んだのだそうな。
そしたら中には数々の兵士がそろい、奇怪な怪物であふれていたのだと。
もともと、レドナントの村の付近には地下城塞があり、ヤバげな連中が入り込んでいる危険な場所であったという。
村ではその危険性を知りつつも、積極的な手出しはできず、近づかないようにするのがせいぜいであった。
最近そこに、謎の魔法使いの一団が入り込んでいるようだ、という噂はあったのだ。
フキがもぐりこんだのは、その地下城塞の通風孔かなにかだったのだろう。
フキが目撃した異様な光景は、戦隊ヒーローもので世界征服をたくらむ悪の組織のアジトにしか見えない。
冒険者ではなくボウケンジャーの出番なのではないか。プレシャス!
「このままでは、世界征服の手はじめにレドナントが滅ぼされるのは時間の問題なの」
だがここにいるのは冒険者。それも俺ただひとり。
軍団とか、いくらなんでも話がでかすぎる。
だが、少女の願いを、無下に断ることはできないな。べ、別にロリコンだからじゃないぞ。そのひたむきさに心打たれたからだ。
それに、魔法使いの一団というのが気になる。
見えない運命の導きがあるとしたら、その魔法使いこそが白の魔法使いなのではないか。
この地下城塞こそがタイトルにもある「混沌の迷宮」なのかもしれないな。
流れが俺に向いているのを感じる。
俺はフキとともにレドナントの村に向かうことにした。
レドナントの村。
そこは活気のない、疲れ切った村だった。
この村出身という少女が見知らぬ男を連れているというのに、関心ひとつ示さない。
フキの話によれば、村ではすでに頻繁に行方不明者が出ているという。村に漂うのは諦めムードから来る無関心か。
フキがゴーブの街まで助けを求めに来たのは、村を訪れる冒険者には軒並み断られたためだそうだ。
いやフキよ。それは無理ないと思うぞ。
どう考えても一人で挑むレベルの話じゃないだろう。
むしろ国家規模で騎士団でも派遣してもらった方がいいレベルだ。
俺だって運命の導きがなければとても受けたとは思えない。
「準備ができたら、地下城塞の入口に案内します」
おう。いつでもいいぞ。
俺はフキの道案内のもと、地下城塞に向けて出発した。
●アタック01-5 フクロウ温泉の友情
道中、枝道があった。
フキの説明によれば、枝道の先には温泉があるんだそうだ。
なんでも、フクロウの神が力を宿していて、普通はありえない友情も芽生えさせてくれるのだとか。
フクロウ。そうか不苦労だな!
これは行かない手はあるまい。
これからの過酷なダンジョン行きを考えても、今温泉でゆったり休息を取るのは良策だ。
よし、じゃあ景気づけにひとっ風呂浴びて行くか。
「だが断る」
フキには劇画タッチですげなく断られたので、待たせるのは悪いと思いつつも、俺だけ入っていくことにした。
ところが温泉には先客がいた。
オークだ!
オークといえばファンタジーものでは定番の敵モンスター。
とはいえここのオークは敵意もない感じで気持ち良さそうに目を細めている。
そうか、なにしろここは、「普通はありえない友情も芽生えさせてくれる」というフクロウ温泉。
オークとだって友情が芽生えちゃうかもしれない。裸のつきあいだ。
こんな時に叫ぶセリフは決まっている。
「ともだちんこー!」
結果、俺はあっというまにオークと仲良くなったのだった。
オーク様の名前はサマンサ。商人で、地下城塞まで商品の買いつけに行くのだという。
お。それは奇遇だ。俺も実はそこに向かうんだよ。
オークは木製の指輪をくれた。
これはオークの指輪。きっとオーク材でできてる。オークとのおともだちの証だ。
これをつけていると、今後オークと出会った時にパラグラフジャンプで好反応が得られるようだ。
いいものをもらったな。
せっかく行先も同じだし、一緒に行かないかと誘ってみる。
そんな時だ。
わしゃわしゃ、がしゃがしゃと耳慣れない音。
振り向くと巨大なダンゴ虫が、キバキバした口からまがまがしい色の液体を垂らしながら温泉に接近中じゃないか!
* オークは にげだした *
はやっ!
さあ、俺はどうするか。
そ、そうだ。とっとととりあえず手桶で前を隠そう。
いや、そんなことをしてる場合じゃない。うろたえるな俺。
ここはオークにならって逃げ出そう。全裸で。
オークが危険を察知したならきっと正しい。
* サルスも にげだした *
わたわたと荷物を回収していると、湯船の方が静かになった。
何があった?
俺は温泉に戻ってみることにした。
すると巨大なダンゴ虫は、湯船の中にぷかぷか浮きながら、ゆっくりと水路に流されていくところだった。
湯船に落ちたか。どうやら熱に弱かったらしい。
服や装備はちゃんと脱衣所に残っていた。
よかった。あやうくここから全裸で旅をしなければいけなくなるところだった。
文末にすべて「全裸で」と書かなきゃいけなくなる冒険はごめんだ。
少女フキと一緒に全裸で旅をするのはいろんな意味でヤバすぎる。
ついでに脱衣所に落ちてた金貨がサイコロ1個分手に入った。
振ってみると2枚ほど。さっきのオークの落しものか。しょうがない。また出会うことがあったら返してやるか。
俺は誰もいなくなった温泉をゆっくりあとにした。
次回、俺はついに地下城塞の入口にたどりついた。全裸で。えっ?
【サルス 技術点8 体力点14 運点10】
■登場人物
サルス 猿顔の挑戦者。ロリコン疑惑。白の魔法使いとの因縁に決着をつけるため旅をしている。
フキ 今回の依頼人。そういえば報酬の話をしていない。次のアタックでは彼女と混浴できる選択肢を探りたい。そんなものはない。
白の魔法使い 生命を研究する魔法使い。人道より研究優先。いろんな器に魂を注入して遊んでいる迷惑なやつ。
オーク様 命名、サマンサ。地下城塞に向かった商人でサルスのともだちんこ。
次へ
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ゲームブックリプレイ【混沌の迷宮】目次
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