JR北海道やJR四国の苦境が報道されています。
JR北海道は、2018年度までは政府から
総額1200億円の支援措置を得られます。
とはいえ、支援終了後、2020年度末までに
資金ショートになる可能性があるとのことです。
JR北海道の島田修社長は、
「毎年約180億円規模の経常赤字(単体)が見込まれ、
しかも安全に関する設備投資が
減価償却費を100億円ほど上回る。
単純計算で毎年280億円の資金不足。
180億円の経常赤字にメスを入れないと、
借金しても返せないし、借金すらできない」
と、語っています。
JR四国は、8月18日、1987年の
国鉄分割民営化以降、鉄道事業の赤字が続いており、
「自助努力だけでは路線維持は近い将来困難になる」
とし、不採算路線の利用促進や維持で
自治体などに支援を求めていく方針を明らかにしました。
そもそも、鉄道事業が単体で
黒字化することはほとんどありません。
実は、外国の鉄道事業は基本的に赤字です。
黒字になっているJR東海、JR東日本、JR西日本、
さらには首都圏の私鉄、地下鉄は、むしろ「例外」なのです。
特に我が国においては、鉄道は路線単体では
赤字になったとしても、「国家全体」のインフラを維持し、
国民が各地域で不自由なく暮らせるように
するための交通インフラとして捉えるべきです。
JR北海道やJR四国が不採算路線を廃線にしていくと、
その地域で人々は暮らせなくなります。
すると、人口は都市部に、
特に東京一極集中が加速していくことになるでしょう。
世界屈指の自然災害大国である我が国において、
東京一極集中を進める危険性については、
今更、解説する必要もないでしょう。
国鉄分割民営化の時点から、JR北海道、JR四国などの
鉄道事業の赤字は予想されていました。
一部の地域が赤字になることが確実な形で「分割」され、
民営化が強行されてしまったというのが実情です。
民間企業が「赤字路線」を維持することなど、
出来るはずがありません。
ところが、自民党は国鉄民営化の際に、
『国鉄が・・・あなたの鉄道になります。
民営分割 ご期待ください。
●全国一からローカル優先のサービスに徹します。
●明るく、親切な窓口に変身します。
●楽しい旅行をつぎつぎと企画します。
民営分割 ご安心ください。
●会社間をまたがっても乗りかえもなく、不便になりません。運賃も高くなりません。
●ブルートレインなど長距離列車もなくなりません。
●ローカル線(特定地方交通線以外)もなくなりません。
62年4月を目指して新しい鉄道を皆さんと一緒に考える
自民党』
という、今からしてみると「詐欺」としか
言いようがない広告を新聞に出しました。
そもそも、国鉄は赤字の地域(北海道、四国など)の鉄道を、
黒字の地域の利益でカバーするという
考え方になっていました。
そうである以上、分割民営化し、
「ローカル線もなくなりません」
といった約束を守れるはずがないわけです。
もちろん、経済合理性=グローバリズムの視点から見ると、
「何で、赤字のローカル線を運用しているの?」
という話になってしまいますが、
「国家全体の安全保障」を考えたとき、
赤字が続いたとしても、各地の鉄道網を維持し、
人口の集中を防ぐことには価値があるわけです。
特に、自然災害大国の我が国では。
(次回に続きます)
<番外編>
明治時代、最初は鉄道導入に否定的だった
大久保利通も、実物を一目見て、
富国強兵を叶えるべく
すぐさまその普及の必要性を
感じたと言います。
それから日本がどれだけ経済成長をしたかは
周知の事実です。
しかしそれはあくまで、
東京一強の経済です。
これから地方経済がどうなっていくか、
それはインフラにかかっていることは
間違いなさそうです。
必死に投資をしてきた先人と、
日本衰退論を掲げ投資を否定する現代人。
明治の偉人たちは今の日本を見て
何を思うか、考えずにいられません...
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