■山行概要
◆【谷川連峰】
天神山(1502m)⇒谷川岳トマノ耳(1963m)
◆2017/8/5(土)、曇り時々雨、平均気温25℃、湿度100％(体感)
不快指数ミストサウナに服着て入るレベル、全備重量16.0kg
◆所要時間6:00(コースタイム4:30)、累積標高差約644m、歩行距離約6.9km
※天神峠⇒トマノ耳⇒天神平
◆8:33/土合駅(標高663m)着⇒9:20/出発⇒9:45/谷川岳ベースプラザ(標高750m)
着、土合口から谷川岳ロープウェイ⇒10:05/天神平(標高1319m)着⇒リフトで天
神峠(標高1500m)着⇒10:30/天神山(標高1502m)⇒10:35/天神峠より登山開始
⇒11:20/熊穴沢避難小屋(ここで11:40まで小休止)⇒12:25/天狗の留まり場(ここ
で12:40まで小休止)⇒13:20/天神ザンゲ岩(ここで13:30まで小休止)⇒13:45/谷
川岳肩ノ小屋着⇒13:55/谷川岳トマノ耳(標高1963m)登頂⇒14:00/谷川岳肩ノ小
屋(ここで14:45までお昼休憩)⇒15:45/熊穴沢避難小屋(ここで16:00まで小休止)
⇒16:35/天神平(標高1319m)着⇒谷川岳ロープウェイで土合口へ⇒17:35/土合駅
へ帰還
谷川岳に行ってきました。谷川岳、有名な山ですよね。山やらない人でも名前くらいはみんな聞いたことあるんじゃないでしょうか。元々今回の日程は前の日記でも書いた通り、上高地⇔涸沢の日帰りピストン企画のために予定を開けていたのですが、色々とあってイベントは前の週に前倒しに。せっかく予定空けたのでこれはどこか山に行かないと！ただ真夏の暑い時期なので低山は不可。とは言え近場の2000mクラスで目ぼしい山はだいたい行ってしまったので、どうしようかな、と考えていたら、だーたかさんとOG原さんから同時に「ここは谷川岳じゃね？」と言われ、それもそうだな、と計画を立てる。
当初は西黒尾根で上がって肩ノ小屋に泊まり、天神尾根から土合口に降りてくる計画だったのですが、例によって天気がこれまた！ここ数ヶ月ずっと同じパターンで、週中になると予報が急変、山行予定の週末になると必ず雨が降ると言う。予報がどうずれても日曜は天気崩れるのが確実っぽくなったので、予定を日帰りに変更。土合口からロープウェイで天神平に上がり、天神尾根をピストンする、ごくごくオーソドックスなルート(「ヤマノススメ 2nd season」聖地巡礼コースとも言う)に変更。急ぎ新幹線の切符を買い、小屋泊予定だった荷物を日帰り仕様に入れ替える。
当日は新幹線を降りて高崎駅でOG原さんと待ち合わせ。今回はこの2名パーティーです。高崎からは上越線で水上に出て、さらに乗り換えて土合駅へ。ホントは水上から直通バスで「谷川岳ベースプラザ」まで出るのが楽なんですが、初めての谷川岳ならやはし土合駅は外せない。もっと混んでるかと思ったら電車も空いてて少し肩透かしを食らう。8:33、予定通り土合で下車。ホームは新清水トンネルの中でとても涼しい。但し湿度は高い。そしてホームからいきなり始まる「天国への階段」462段！噂には聞いていたが、これはスゴイ！もうね、バリアフリーなんぞ糞食らえ！と言わんばかりの階段です。もちろんエスカレーターもエレベーターもありません。この階段を登らなくては地上に出ることは出来ません。しかし、どうですかこの光景！もうね、バイオハザードに出てくる地下道みたいですよ。照明も暗いし湿度高くて下には靄が充満、至る所から水が湧き出ている。階段を登り切ったら更に階段が！階段は全部で486段ありました。当然無人駅。
駅舎を出ると猛烈に暑い！青空が見えるので心配した天気は大丈夫そうだが、朝9時前でこの暑さは大丈夫だろうか？一緒に電車を降りた他の登山客は皆出発してしまった。時刻表を見ると平日休日関係無しに電車は1日6本しかない。念のため時刻表の写真を撮る。無人の駅舎には自分ら二人だけ、明るいからいいけど夜なら相当不気味な雰囲気だろうね、ここ。時折駐車スペースに車が入り、家族連れが例の階段を見学しに中に入って来る。わざわざ電車に乗らなくてもこういうアプローチの仕方もあるのか、と一人感心する。
ノンビリ支度して9時半ちょうど、土合駅を出発。右に折れて車道を上がって行く。直ぐに踏切が出て来て隣に別の駅舎があるのだが、これも土合駅。実は土合は登りと下りでホームが全然別の場所にあるのだ。登りホームは地上の普通の駅で、下りホームだけが地下の深い場所にある。途中、慰霊碑やレリーフのある場所があり、せっかくなので見学。程なくして「谷川岳ベースプラザ」に到着。ここで往復のチケットを買ってロープウェイで天神平へ。上はガスっているが天神平は素晴らしい天気だ。つい嬉しくなって(それもあるけど、聖地巡礼コースですからね、やっぱリフトも乗らないと！)今度はリフトの券を買ってレトロなアベックリフトで天神山山頂へ。ここで展望台に行ったり写真撮ったり知らぬ間に完全に観光モードになってしまった(一応聖地巡礼コースですからね、山頂の神社や展望台にも行きましたけどね)。
「ねえ、もう10時半なんだけど・・・。」
OG原さんの一言でハッと我に返り、ようやく登山スタート。土合に着いてから2時間も遊んでしまった。まあここから肩ノ小屋までは標準コースタイムで3時間程度なので、少しペース上げて所要時間で3時間ならまあ何とかなるだろ、と、そそくさとと出発。それにしても暑い。風が全然なくて湿度が高いので、汗がどんどん出てくる。熊穴沢避難小屋で小休止するも、あまりの暑さで若干バテ気味に。足の遅い自分はOG原さんより一足先に出発。のっけからいきなり鎖場登場。まあ鎖を掴む必要は全くないのだが、どうも避難小屋から先の道は全て岩の様だ。登り切ったと思ったら次から次へと岩の急登が出て来る。ただでさえ無風と湿度で暑いのに、岩場の全身運動で一気に汗が噴き出して来る。とにかく標高を上げる以外涼しくなる方法はない。黙々と一人で進むが一向に涼しくならない。標高1500m以上の稜線で気温は25℃を下回ることが無い。なんだこれ。
小屋と小屋のちょうど中間点にあたる「天狗の留まり場」で小休止、後続のOG原さんを待つ(ちなみに人糞があって物凄く臭かった)。ガスの中、稜線上にOG原さんを発見、手を降ると向こうも気づいて手を振り返す。岩に登ってザックを下し、一息入れる。しかし10分待っても20分待ってもOG原さんが来ない。自分が岩に登っている間に気づかず先に行ってしまったのだろうか？流石に30分待っても来ないので、追い抜かれたと思って急いで登山再開。20分ロスだとすると相当離されてしまった可能性がある。しばらくするとザックの中で声がする。どうも無線のコールみたいだ。ザックを下して無線を出す。いつもは無線は外付けして直ぐに使えるようにしているのだが、今回は非常時以外は使わない想定でアンテナもロッドタイプを装着して、ザックに入れっぱなしだったのだ。
応答すると何と、OG原さんはさっき手を振った直ぐ上の所から動いてないとのこと。どうも暑さにやられて体調が悪くなってしまったみたい。20分程座り込んでいたとのこと。ゆっくりペースでこれから移動するとのことなので、そのまま待つことにした。今回珍しくスマホはずっとアンテナが立っていたのです。auでアンテナが立つのだからdocomoも当然だろう、と思っていたら、実はdocomoはずっと圏外であることが判明。用があれば電話かかってくるだろう、と自分勝手な思い込みをしており反省。無線もいつものルーチンで出発前にお互いウェイクアップをかけてあるか確認しているので、電源を切っていてもOG原さんからのコールで起動したが、完全に電源を落としていたら連絡が取れないままだった。やっぱこの無線のウェイクアップ機能は非常に優秀だ。ここ最近の山行では、スマホの通話圏外での連絡で無線の活躍ぶりが光っている。今回も役に立ちました。
OG原さんと合流、依然気温は25℃を下回らない。体温上昇を防ぐため、スローペースでゆっくりと登山道を進む。が、自分はいつもと何ら変わらない。暑いのは確かだが、自分は特に体調が悪いわけでも熱中症の症状が出ているわけでもない。いつものペースで歩くが、標準コースタイムの6掛け位の速度のOG原さんからしたら、相対的に相当遅く感じるのだろう。ザンゲ岩(天狗の留まり場と同様、ここにも人糞が！臭くて長居出来ない。どうやらこのルートの二ヶ所の岩は野糞スポットのようですぜ！)での小休止を切り上げしばらく進むと、開けたエリアに出た。地図にも記載がある雪田が見える。雪の上からはもうもうと靄が立ち昇る。木の階段を登って肩ノ小屋に到着。そのまま通り過ぎてトマノ耳へ。13:55、登頂！ガスが立ち込め、眺望は一切無いが、覗き込むと凄い角度で斜面が切れ落ちているのがわかる。さすが谷川岳だぜ！一ノ倉沢はこんなもんじゃないんだろうなあ。。ガスの切れ間からオキノ耳が見える。谷川岳は双耳峰で、どちらのピークにも山頂の証があるが、オキノ耳の方がトマノ耳よりも14m高い。
オキノ耳に向かおうとするOG原さんを呼び止めストップをかける。
「時間切れです。小屋前で飯食って下山しましょう！」
「は？何言ってんの、直ぐにそこだよ、片道10分だよ！」
「そしたら昼抜きになっちゃいますよ、今日のコンディションじゃお昼抜いたら下山出来ないっすよ！」
時計を見ると14時ちょうど。ロープウェイの最終は17時。実際下りは天神平まで所要時間で2時間あれば大丈夫だろう。ただこれは何もトラブルがなければ、の話。この天気だと降り出すのは時間の問題だし、雨で濡れた岩場を登りと同じスピードで降りられるのか？あの狭い尾根道で下山渋滞が起きたら追い越しはできないのでは？気温はあいも変わらずだが標高を下げれば更に暑くなる。急いでまた体調悪くなったりしないか？色々考えるとギリギリは良くない。多分オキノ耳を往復してからお昼を食べて下山してもギリギリ最終には間に合うと思う。でも何か一つでもトラブルがあったら乗り遅れてしまう。天神平から歩いて下山するとなると、土合駅に着いてももう電車が無い。「谷川岳ベースプラザ」からのバスはどうだ？17時の最終のロープウェイが到着するのが17:15なので、おそらく18時くらいまでなら大丈夫だろう。だが歩いて下山となると下りてくるのは確実に18時半を回る。バスも電車も無ければそこでチェックメイトだ。ってことでやはり30分は余裕を持ちたい。つまり下山開始のリミットは14:30。後30分でオキノ耳を往復して飯を食えるとは到底思えない。
「気持ちはわかるし自分だって勿論行きたいですよ、でもそういうことなので今日は時間切れですよ、下りましょう！」
「まあ確かにそうですね」
かなり渋々だがOG原さんにも納得してもらい、肩ノ小屋に戻る。あー、なんかデジャブ。前にもあったなあ、こういうシチュエーション。そうそう、子供連れて四阿山登った時だ！同じくロープウェイの最終に間に合うかどうかって状況で、あの時はお昼を捨ててピークを取ったんだった。お昼ご飯抜きが確定して子供たちがグズッって大変だったんだよ！
これ↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1910872367&owner_id=5956264
木のベンチを陣取り、お湯を沸かしてそそくさとインスタント系の飯をかっ食らう。コーヒーを淹れる時間くらいはありそうだ。肩ノ小屋は収容人数40名と小さく、きっとギュウ詰めなんだろうなあ、と思ったら宿泊者はほとんどいない。時間が早いせいかも知れないが、14時段階では3人くらいしか居なかった。さっきまで山頂に居た人たちも続々と下山して行く。その間にもガスはどんどん濃くなって行き、視界は20ｍほどしかない。若干時間を押して14:40、下山開始。快調に飛ばすも、岩エリアで予想通りの下山渋滞。10数人が一列に固まって岩場の通過に手間取っている。まあ安全第一なので仕方ないが、追い抜けないのは何とももどかしい。途中何度か大粒の雨が降ってきて、レインウェアを出すかどうか逡巡する。小休止は取らず、コースタイム＝所要時間で1時間ピッタリで熊穴沢避難小屋へ。ここで10分ほど休憩。ここから天神平まで40分なので、これもコースタイム＝所要時間で行けるだろう。焦らなくても最終の30分前には着けそうだ。当然だが帰りはリフトは使わない。わざわざ天神山まで登り返すことになるからだ。行きは通らなかった巻き道を使って最終30分前に天神平へ到着。
結果的にはオキノ耳を往復出来たと思うが、これで良いのです。何事も余裕を見ないとね！洗い場があるので靴やポールの泥を落としてからロープウェイへ。土合口には17時ちょうどに戻ってきた。トイレ行ったり手を洗ったりコーラを一気飲みしたりして、ベースプラザを後にする。誰もいない車道を二人で土合駅まで歩く。17:35、到着。朝駅に着いてからちょうど9時間が経過した。
色々検討した結果、帰りは水上に戻るのではなく、越後湯沢まで出て新幹線で戻った方が断然速いだろうってことに。確かに高崎から土合まで、乗り換え含めて1:14かかるが、越後湯沢から高崎までは新幹線で25分しかかからない。ってことでそのまま、また下り線に乗るので今度はあの486段の階段をホームまで降りなくてはならない！これはなかなかない経験なんじゃなかろうか？土合駅の階段を往復！お〜！
越後湯沢に到着。ここはほぼ毎年、1月の3連休にスキーで来るのだが、閑散とした様子に驚いた。店も土産屋も19時で全部閉店。それ以前に人が居なさ過ぎる。スキーのシーズン中しか知らないので、ちょっと驚いた。ここでまた今度はお風呂か飯かの二択を迫られる。結果、風呂は無しに。駅近くで軽く飲み食いして帰路に着く。今回前半でゆっくりし過ぎたのが一番の敗因。スタートをあと30分早めていれば、何の問題もなく両方のピークを踏めたのに・・・。まあ結局ガスで景色はほとんど見えなかったし、次回は晴天時に再訪したいと思いますよ。最近こうやってどんどん課題が溜まっていくのだが、ちゃんと消化できるのかしら。順番的には蛭ヶ岳⇒丹沢表尾根踏破⇒大菩薩峠を片付けてからなので・・・来年以降かなあ。。
■写真解説
�‥攅膠悗留修粒�段。上から下を見下ろすが、先が見えない〜！今回登山よりも土合駅のインパクトが強すぎてねえ・・・。。
��天神山からの天神尾根と谷川岳。この時間はまだガスは大丈夫だったんですが、午後からは真っ白になってしまった。
��ガスの中、双耳峰の片耳「トマノ耳」に登頂。時間切れでオキノ耳に行けなかったのが残念でならない。
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