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2017年08月07日00:32

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禁断の一曲・・・

この曲も近年のマイブームであるのだが,これを聴くとどうにも冷静でいられなくなるという,謂わば禁断の一曲となりつつある・・・。

ピアノソナタ第3番ヘ短調作品5〜第2楽章Andante espressivo(J・ブラームス 1833-97独)。
穏やかな変イ長調の主題に始まるこの楽章の冒頭には,作曲者と同時代の独の詩人シュテルナウによる「夏の恋」の一節が記されているという。
そのシュテルナウの詩自体が,いい年こいた私のような者にとっても,思わず赤面するような内容なので,ここに転用することも憚られるのだが(シュテルナウ 夏の恋でぐぐるとヒットする), 気の利いたメロディアスな旋律が殆ど見つけられない代わりに,南独(ミュンヘン郊外とかオーバーバイエルン地方とか・・・)や南オーストリア(ペルチャッハとかの避寒地)の夏の日の夕映えのような光景が脳裏に明滅する・・・。
古典的な様式美と構成感の尊重と,厳しい自己抑制の間から零れ落ちるような憧憬とパッションと・・・。
作曲したのは19〜20歳頃と思われるので,顎髭を蓄えた後年の写真からは想像できないような白皙の美青年であったブラームスが,デュッセルドルフでシューマンに薫陶を受けた時代である。
シューマンがライン川に投身自殺未遂をする以前のことだから,果たしてシューマン夫人のクララに対する思いが如何程であったのかは知るよしもないが,女性の影響無しにこのような作品を書けるとも思われない・・・。

リトアニアの俊秀Vadim Chaimovich(表記はヴァディム・チャイモヴィチで良いのか?)の情感たっぷりな演奏で第2楽章を聴く・・・。

そして,ここ数日,この第2楽章を聴くと,過ぎ去りし若き日々への懐旧の念と焦燥感のせいか,冷静で居られなくなる・・・。
多分明日も聴くんだろうな・・・


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