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2017年08月01日06:52

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2017年夏休み列車旅 03

☆ 岩手県北自動車・106急行バス(2017年07月31日(月))
 宮古駅前0905−1120盛岡駅前(東口)

まずは,昨日から使っている「きたいわてぐるっとパス」の,最終行程。
このバスで盛岡まで戻ると,ぐるっと1周したことになる。
もっとも,この「ぐるっとパス」は,同じ方向であれば期間内に何周しても良いことになっているのだけれど,私は盛岡にて離脱する。

106急行バスは,国道106号線を走ることからこの名前がついている。
そしてこのバス路線は,JR山田線の宮古−盛岡の区間とほぼ並行している(盛岡側で,一部,大きく離れている部分はあるが)。
しかし,そのJR山田線で宮古−盛岡間を直通する列車(快速)は,1日に4往復しかない。
所要時間は,106急行バスが約2時間15分,JRの快速列車が約2時間。
よって,宮古−盛岡の都市間連絡という点では,ほぼ1時間に1本の便がある106急行バスの圧勝といえるだろう。

JR山田線の釜石−宮古の区間は東日本大震災によって運休しており,復旧工事完了後は三陸鉄道に譲渡されることになっている。
JR山田線のうちの残る宮古−盛岡の区間も,106急行バスに敵わないとなると,JR山田線は盛岡近郊の交通需要を拾うくらいしか生き残る道がないのかもしれない。

とまあ,バスを待ちながら,そのバスのライバルである鉄道路線のことを考えてしまうというのも,変な話ではある。

宮古駅前のバス乗り場に入ってきたバスの側面前方には,最近の観光・高速路線タイプの大型バスでよく見る,特徴ある斜めの曲線ラインが入っている。
とすると,このバスは日野自動車の「セレガ」か,いすゞ自動車の「ガーラ」かのどちらかだろう。
もっとも,セレガもガーラも同じジェイ・バスというメーカーのバスであり,日野が売るときにはセレガ,いすゞが売るときにはガーラになるというだけのことなんだけど。
(セレガとガーラとが並んでいるのが、こちら。https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/61/Hatobus_728-770_selega-gala.jpg

国道106号線は,閉伊川に沿って走っている。
川でも海でも湖でも,水のある風景は気持ちが良い。
そんな景色を見ながらウトウト居眠りをしていたら,突然,車内に携帯電話の呼び出し音が鳴り響いて,目が覚めてしまった。
どこぞのアホたれが,マナーモードに設定していなかったらしい。
せっかくの気持ち良い居眠りタイムがぶち壊されて,ちょっとだけ,ムッとした。

バスはほぼ定刻に盛岡駅に到着した。
ちなみに,降りてから確認したところ,私がここまで乗ってきたバスは日野自動車の「セレガ」だった。


☆ JR東北本線(07月31日(月))
 盛岡1208−1337一ノ関

昨日「ぐるっとパス」を買ったIGRいわて銀河鉄道の窓口に寄って,スタンプラリー達成賞の商品を受け取った。
エコバッグと,サインホルダー。
(サインホルダーとは,名札・カード・メニュー・写真などを卓上に立てておくための透明ケース。私の職場では「L型」とも呼んでいる。)
リーフレットには,エコバッグはともかくサインホルダーのことは載っていなかったので,ちょっと驚いた。
さて,これ,どのように使おうか。

引き続き,JR線のきっぷ売り場へ。
次なる目的地までの乗車券を購入しようとしたのだけれど,券売機の上の運賃表には目的地が掲載されていない。
「この地図にない場所へのきっぷは窓口で購入するように」との旨の記載があったので,隣にあるみどりの窓口に行き,指定席等券売機で乗車券を購入した。

次なる目的地へ向け,まずは一ノ関駅を目指す。
新幹線で移動した方が早くて楽なのだけれど,この区間は昨日,新幹線に乗っている。
だから,今日は在来線で移動。

盛岡駅の5番ホームにて,一ノ関行きの列車の到着を待つ。
ほどなくして入選してきたのは,JR東日本701系電車の,2両編成。
この車両は,昨日乗ったいわて銀河鉄道のIGR7000系と同型の車両。
いわば,北東北の電車の標準型車両,といったところか。

平日の昼間なのに,2両編成のロングシート座席はほぼ埋まっており,立ち客もちらほら出ている。
さすがに「社会人!」という感じの人は見当たらないけど,年配の人から若い学生さんまで,乗客の年齢層に偏りが見られない。

終点の手前まで,列車はほぼ定刻どおりの運行で来た。
しかし,終点・一ノ関駅の一つ手前である山の目駅を出たところで,防護無線信号(非常停止信号)を受信して緊急停止。
ただ,大したことはなかったようで,ほどなくして安全が確認されて運行再開。
結局,一ノ関駅には5分ほど遅れて到着した。


☆ JR大船渡線(07月31日(月))
 一ノ関1417−1446猊鼻渓

ところで,私がこんな風に「乗り鉄」になったのは,なにが原因だったのだろう。

小学生のころから,電車が好きだった。
でも,列車旅を好きになった原点は,たぶん,中学2年生の夏休みに,仲の良かった友達3人と出かけた,(たしか)3泊(うち1泊は車中泊)の旅行だとおもう。
上野駅から夜行急行十和田号に乗って三沢まで行き,奥入瀬渓流−十和田湖−八幡平−盛岡−平泉・猊鼻渓−松島と回ってきた。
自分たちで時刻表のページを繰り,切符を取り,宿の予約を取った(当時はユースホステルの全盛期だったけど,私たちはユースの会員証を持っていなかったので国民宿舎に宿泊した)。
当時の友達とはすでに30年以上も会っていないけれど,みんな,どうしているだろうか。

その旅行のときに訪ねた場所のひとつが,猊鼻渓。
それで,37年ぶりに行ってみようかという気になった。
記憶の中に残るみずみずしい緑が,幻だったのかそうでないのか,確かめたいと思って。

閑話休題。

先ほど盛岡駅で購入した乗車券には,途中下車の制限がない。
そこで,一ノ関駅の改札口からいったん外へ出て,コインロッカーに荷物を放り込んで,再び改札をくぐった。

大船渡線の気仙沼行列車は,2両編成のディーゼルカー。
ホームに入ってきたのは,JR東日本非電化ローカル線の標準車両ともいうべき,キハ100系。
JR東日本で非電化ローカル線に乗ると,必ずといっていいほどこのキハ100系・110系に遭遇する。

大船渡線には「ドラゴンレール大船渡線」という愛称がある。
これは,大船渡線の沿線に竜に関する言い伝えがあるとか,そういうことではない (^^;。
地図で見る大船渡線の形が竜のように見えることから名付けられたのだそうな。
ユニークなネーミングだと思うけど,愛称として定着するかというと,いかがなものかという気もする。

列車は30分ほどで,単線上に片面ホームの無人駅である猊鼻渓駅に到着した。
この駅が37年前にはどんな佇まいだったのか,とんと記憶にないのだけど,これほど寂れてはいなかったような気がする。


☆ 猊鼻渓(げいびけい)舟下り(07月31日(月))

猊鼻渓駅で下車したのは,私を含めて5人ほど。
5人のうち2人は学生さんであり,観光客は私を含めて3人。

駅前に「猊鼻渓舟下り場まで480m」という案内板があり,その案内に沿ってしばらく歩いていくと,小舟の発着場に出た。
ちょうど15時00分発の船が出るところだったので,大人1人1600円(ちょっと高いなぁ)の料金を払ってチケットを購入し,小舟に乗り込んだ。
ついでに,乗船場のわきで「魚のエサ」(50円)を売っていたので,これも買い込んだ。

猊鼻渓は,大正12年(1923年)に国の名勝に指定され,昭和2年(1927年)に日本百景に選定されている。
名勝指定によって開発行為が規制されたことにより,猊鼻渓は大正時代からの自然の姿をそのまま残しているのだそうな。

川下りの小舟は,救命具を兼ねた座布団に座るというもの。
いわゆる「掘りごたつ」にはなっていない。
股関節が硬くてあぐらをかけない私にとっては,ちょっと辛い。

私が乗り込んだ小舟は,杉材で作られた50〜60人乗りの中型船。
船頭さん曰く,他に75人乗りの大型の舟と,38人乗りの小型の舟とがあるのだそうな。
どの舟も,船頭さんが(原則として1人で)川底に竿を刺して舟を操る手漕ぎ船で,当然のことながら,大型船より小型船のほうが楽だと言っていた。

「猊鼻渓舟下り」と銘打ってはいるが,この舟は,まずはこの砂鉄川を上流へと遡る。
流れの穏やかな川だからこそできるのかもしれない。

川面を覗いてみると,魚が泳いでいるのが見える。
水深は浅く,舟のとおるところは大体深さ1mくらい。
(あまり深いと,竿が川底に届かない。)
水深が深くないのと,川の水がきれいなのとで,川底の石までもが見える。

船頭さんによると,船が進むのを追いかけて泳いでくるのは,ウグイだそうな。
先ほど買った魚のエサを投げ込むと,水面をバチャバチャ波立たせながら,エサに食いついてきた。
他には,アユ,イワナ,ヤマメもおり,秋にはサケも遡上するもいるという。
鴨もついてくるので,エサを手のひらに乗せて突き出したら,あっという間に食べられてしまった。

舟が木陰に入ると,川面を渡る風が心地よい。

この砂鉄川は北上川の支流で,その名の通り砂鉄が取れるという。
渓谷美を形作る両岸の岩は石灰質で,そのため,この近くにはセメントの工場がある。

上流へ30分ほど遡ったところで,乗客はいったん,舟から降ろされる。
ここからさらに上流へ行ったところに,猊鼻渓の名称のもとになった「大猊鼻岩」(獅子の鼻のように見える岩。「猊」とは獅子のこと)などがあるという。
フォト

大猊鼻岩の脇にはイノシシの横顔のような岩があり,そのイノシシの目のように見える穴に「運玉」という素焼きの玉を投げ入れることができたら「運玉投入認定証」をもらえるのだそうな。
フォト

そんなわけで,ダメでもともと,私も運試しをやってみた。
そしたら,なんと。
入っちゃった(^^♪。
フォト
大猊鼻岩の付近を20分間ほど散策してから,再び舟に乗って船着き場へと戻る。
わが国ではいわゆる観光舟下りを行っているところが18か所あるけれど,ほとんどの舟下りがモーター付きの船を使用するか下り方向のみの片道であって,手漕ぎの小舟で往復するのはここだけなのだそうな。
船頭さんは,大変だ。

下りでは,船頭さんが「げいび追分」という追分節の舟唄をうたってくれた。
ただ,このげいび追分には
「大船渡線に乗り換えしやんせ/一関より遠からず」
という一節があるので,この舟唄が観光のために作られた民謡であることがわかる。

約40年ぶりに訪れた猊鼻渓。
以前はもうちょっとにぎやかだったような気がするのだけど,でも,ひょっとしたら,その直後に訪れた松島の印象と混同しているかもしれない。
ともかく,再訪できてよかった。
藤の花の季節や,紅葉の季節にも,来てみたいと思った。


☆ JR大船渡線(07月31日(月))
 猊鼻渓1708−1738一ノ関

げいび追分には,大船渡線で猊鼻渓を訪れるようにとうたわれている。
しかし,私とともに小舟に乗っていた約40人のうち,大船渡線に乗って来たのは2〜3人程度。
ほとんどの人はマイカー利用だし,団体客はバスで訪れる。
実際,2時間に1本程度しかない大船渡線の列車で観光に来るというのは,無理があるだろう。

さらに,その大船渡線自体も,その路線名にもかかわらず,現在では大船渡まで鉄路がつながっていない。
鉄道に乗っていけるのは途中の気仙沼までで,気仙沼から大船渡・盛までは,線路敷をバス専用道に転用したBRT(バス高速輸送システム)が運行されている。
今後は,げいび追分の歌詞も,変えざるを得ないのかもしれない。

大船渡線の車中でそんなことをぼんやり考えているうちに,一ノ関に到着。

今宵は,一ノ関駅近くのホテルを予約してある。
コインロッカーから荷物を出して,ホテルにチェックインして、本日の行程はここまで。

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