山野浩一先生、旅立つ

伝説のSF作家山野浩一先生、7月20日にX電車に乗って旅立たれたとのこと。
「X電車で行こう」「メシメリ街道」などの、シュールながら読みやすい作風が魅力でした。
僕がSFファンを自認し始めていた’70年代後半は、寡作の伝説作家というイメージが定着し、豊田有恒先生からはかなりねじれた悪意混じりのラブコールが続いている状態でした。
しかし、僕が初めて参加した’80年のSF大会でゲストとして登壇されて小説復帰を宣言され、それから間も無く傑作短編「内宇宙の銀河」を発表されたことが印象に残っています。
僕の最も古い記憶にあるSFアニメ「戦えオスパー」のメインライターを務められていたことは、かなり後年になって知りました。
日本SF界がファンも巻き込んだコミュニティとして機能していた時代に、ヒールを演じつつも一貫した姿勢で独自の地位を貫いておられたキャラクターは貴重なものでした。（その論争は、粋がっていただけの高校生には1割も理解できていませんでしたが）
世間的には競馬評論家としての知名度の方が圧倒的ですが、数年前にはSF作品集が2冊刊行されており、もっとSF界でも活躍していただきたい方でした。
合掌。


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