日曜夜の現実逃避・・・(笑)。
大音響を炸裂させて,憂さを晴らす。
交響曲第4番ヘ短調op.36(P.I.チャイコフスキー 1840-93露)。
チェコの名匠ラファエル・クーベリック(1914-96)指揮する手兵であるミュンヘンのバイエルン放送交響楽団のオケ。
中庸とか微温的でもどかしいと言われたこの指揮者の真骨頂を聴く。
私が最高のドヴォルザーク振りと断じるクーベリックであるが,やはり本分は,モーツァルトからベートーヴェンを経て,シューベルト,シューマン,そしてワーグナーやブルックナー,ブラームス〜マーラーに至る独墺系の作曲家だったのだろうが,スラブ系という共通項から,チャイコフスキーも録音を残している。
特にこの第4番は,シカゴ交響楽団(51年録音,モノラル),ウィーンフィル(59年録音,ステレオ)と二種の録音が有り,私は後者のCDを持っているが,このCDは違う。
冒頭から裂帛の気合が入り,濃厚な表情と抉りの効いたリズム,むせ返るような歌,そして両端楽章コーダでの痛烈な追い込みが顕著で,ライブならではの劇的な高揚感と相俟って,絶大な効果を挙げている。
確か正規盤はAltusからピンカス・ズッカーマンが弾いたVn協奏曲と一緒に出ていたと記憶している。
このミーティア盤は謂わばバチもんかも知れないが,その熱気と興奮は十二分に伝わる(確か69年の録音)。
思えば,かつてこの曲を演奏したのも,最早10年前か・・・。
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