6月19日
「今度ツボさんが東京にいらしたら、こちらの山に一緒に行きましょう。どこでもツボさんの行きたい山にアッシー君しますよ。」
ヤマレコで知り合ったトムさんからありがたい申し出があった。
6月18日に法事で東京に行くことが決まると、早速どこの山に行こうか検討する。
3つ挙げた候補からトムさんが興味を持った浅草岳に行くことにした。
この時期、浅草岳にはこのあたりの山にしか咲かないヒメサユリが咲く。
例年より雪が多く、開花が遅れていると聞き、果たしてご対面できるかワクワクする。
息子の家の近くのコンビニで待ち合わせ。
初対面だが、写真を見ているのですぐにわかる。
「すみません、時計を忘れたので一度家に戻ってから高速に乗るんでいいですか?」
よくあること!
登山口近くの道の駅で車中泊。
登山口に着いて、「泥だらけになるようだから最初からスパッツ付けましょうか?」と聞くと・・・
「スパッツとかを入れた袋を道の駅に置いて来ちゃったようです・・・」
「えっ?じゃあすぐに戻りましょう。」
駐車場の車を止めたあたりには袋が点々・・・
二度あることは三度あるんじゃないかと内心思うが、初対面なので黙っておく。
今日は曇り後晴れの予報。
ちょっと出だしが遅いほうが天気が良くなるでしょう!
六十里越登山口から歩き出す。
浅草岳にはいくつかコースがあるが、このコースが一番長い。
だが、去年のレコで見た写真の景観を是非この目で見たい。
急登1時間ほどで尾根に上がる。
ここからは緩やかな道のはずだ。
快適に歩く。
ガスはなかなか晴れない。
数日前、トムさんからいただいた「天気が悪そうなら奥秩父や山梨の山も考えましょう」というメールに「私が晴れさせます!」と啖呵を切った以上晴れてもらわねば!!!
サンカヨウやエンレイソウなどの大好きな花が出てくる。
ツバメオモトは今年初めて見る。
ヒメサユリも咲いているだろうか?
南岳からは痩せ尾根が続く。
ヒメサユリの蕾が出てくる。
期待度が高まる。
すると、後ろからトムさんが、「咲いていますよ!」と言ったので顔を上げる。
先のほうにヒメサユリが一輪咲いていた!
しかし、ずるいわよねえ〜〜〜
先を歩いている私より先に見つけるなんて!
やっぱり26センチの身長差のせいかしら?
初めての開いたヒメサユリ、君はきっと多くの登山者に感謝され、一杯写真を撮られたんだろうね。
鬼ガ面山に着く。
なかなかガスは晴れない。
晴れていれば素晴らしい展望が開けているはずなのに…
「ガスが晴れてきましたね。」
少しずつ周りの景色が見えてくる。
浅草岳の山頂も見えてきた。
なだらかな浅草岳に続く稜線は片側がスパッと切れた荒々しい山容だ。
この景観を見たかったんだ。
足元の花を愛でたり、周りの景色を眺めたり、足どりは軽いけど遅い。
山頂近くには少しだけ雪が残っていた。少しだが、分厚い。
さすが豪雪地帯の山だ。
山頂に着く。
少しずつ遠くの山の雲も取れてくる。
一昨年登った会津駒、尾瀬の燧ヶ岳、その右には是非とも登りたい平ヶ岳に越後三山の山。
鬼ガ面山からの歩いて来た稜線がよく見える。
田子倉湖は十字の形をしている。
すっきりとはいかなかったが、何とか青空が顔を出してくれた。
「ありがとう!」
「いや、まだ早いですよ。」
えっ?私はトムさんじゃなくて浅草岳と青空にお礼を言ったんだけど・・・
まあ、黙っておこう。
来た道を戻る。
行きには見られなかった絶景が広がっている。
豪雪は人の考えが及ばない造形を生み出す。
最後に最初に出会ったヒメサユリに別れを告げる。
咲いていてくれてありがとう。
だいぶ下ったところで、トムさんが「実は靴下も忘れて裸足で登山靴履いているんですよ。」と言う。
思わず目が点になる。
開いた口が塞がらないとはこのことか・・・
やはり三度あった!!!
「でも、靴擦れにはなりませんでしたよ。」
なんて足の皮の厚いヤツだ・・・と面の皮の厚い私は思う。
いやはや、忘れん坊大将を自認する相方をも上回る忘れん坊っぷり!
まあ、この忘れん坊アッシー君のおかげでヒメサユリが咲き始めた浅草岳に登ることができました。
感謝です!!!
しかし、またどこかでヒメサユリを見たら忘れ物がないか気になるんだろうなあ〜〜〜
私はちゃんとお土産の日本酒買い忘れませんでしたよ!!
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