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2017年06月10日17:57
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日本水彩
東京都美術館で開催中の公募展『日本水彩』に行きました。水彩画の公募展です。今回で105回目らしい。
母の友人が画家なのですが、その方も入選しており、その方にチケットになる葉書を頂きました。
1000点くらいあるので、観終るのに４時間かかりました。かなりのボリューム。
肖像画、風景画、静物画、抽象、具象、様々な水彩画がありました。水彩といっても、透明水彩もあるし、アクリルもあるしで、表現方法も色々なんですね。マチエールも色々あったし。
写真撮影がＯＫだったので、好きな絵を撮影して来た。
因みに、私は好む、ヌードで血が出てる絵はなかったよ(^_^;)。そんな絵は、選考の段階ではじかれるのかな？それでも、「耽美」を感じさせる絵がなかったのは不思議だったけれど。観に来ていた年齢層が高かったので、応募者もそれくらいだとしたら、そういう要因もあるのかな？
最初の方に、受賞作品が並んでいた。でも、受賞作とそうでない作品にさほど差はなかったような・・・。
村上豊さん。『冬の雨』。雨降りの様子。にじみが美しかったな。傘をさし道行く人。１人女性がこちらを見ている。孤独感がある絵だな・・・と思った。日本水彩画賞を受賞していた。
廣瀬富士夫さん。『刻』。これ以外にも“刻”と付くタイトルの絵が結構あった。付けやすいタイトルなのかな？時間とか、刻むとか、色々な意味に取れるし。
これは、古い扉なのだろうか。鍵、文字も時間経過があるように感じる。浮き出る模様がちょっと妖怪じみても見える。損保ジャパン賞を受賞していた。
加藤英さん。『時のつかさ』。幼女が襖を開ける絵・・なのだが、どうにも不穏に感じる。周りのぬいぐるみや唐子もちょっと不気味に思える。背景が黒なのも、その一因なのかな？どうも、この幼女は既に死んでいるのでは？と思えてな。もしくは、幼女が開けようとしている襖は“開けてはいけない何か”なのではないか？・・・と。
齋藤雅紀さん。『錆び色の看板通り』。古い町並み。錆びたホーロー看板。忘れられた街・・という感じがする。これも私には死を感じた。忘れられた街だから、町の死・・と思ったのかも知れない。そして、「角を曲がると、ほら、異界。」という感じもして、凄く好きな絵だった。隣りにある身近な異界というイメージ。古賀春江賞を受賞していたのも嬉しかったな（私、古賀春江氏の絵が大好きです）
青木玲子さん。『出逢い』。ヨーロッパの石造りの建物らしい。扉の隙間を覗く黒猫。この猫にはこれから何か出逢いがあるのだろうか？誰と出逢うのだろう？そんな想像が膨らむ絵だった。全体的に重いトーンなのも好み。
宮川美樹さん。『刻』。コーナーの一角が遺作コーナーだったのですが。今までの経歴と亡くなった年と黒いリボンが付いていた。
この絵のタイトルも“刻”ですね。石鹸の泡だろうか？その泡を細密に描いている。これは是非本物を観て欲しい。虹色に輝く泡。でも、宇宙の星雲にも見えるんだ。ミクロからマクロへ。そういう意味の刻って意味はないのかな？
大野正子さん。『残影2017』 古代の柱やアンモナイトを思わせる物が中空を舞う。左下にはコンクリートの柱だろうか？折れて中の針金が見えている。その横には女性。全体は青みががりちょっと神秘的だ。これもちょっと不穏な感じになる。終末的・・というか。残影なので、残った影なのだろう。影だけで、実は実態はもう、何処にもないのかも・・・。2017と付いてるというコトは、他の残影もあるのだろうか？あるなら観たいな・・と思った。
加藤明子さん。『明日ツバメが来る街で』 希望溢れる明るいタイトルとは裏腹の、こちらもちょっと寂しげに感じる絵。全体的には青色。小屋の扉は壊れ、壁は剥がれ、どうにも寂しげな街に思えた。ツバメが来て、これから希望を与えるのかも知れない。
久保田敏さん。『争奪』 鯉（「よね？）が「餌くれろ〜。餌くれろ〜。」と言っている（笑）。口をパクパク鯉の餌とり争奪戦！観ていたおばさまが「生臭そう」と言っていて笑った。匂いも伝わったというコトは、腕があるってコトよな。左後ろに悟ったような顔の鯉がいて、私にはそれがツボだった。
林良一さん。『輪廻』 宇宙のような、星のような、鉱物のような世界。白銀の感じとネイビーな空（かな？）のコントラストも好き。ビックバンなのかも知れない。それとも、アストラル体か？輪廻だし！
唐津善四郎さん。『千年の風格』 屋久杉のような巨木。注連縄もあるので神木なのだろう。瑠璃色の苔の感じと赤茶の木の肌のコントラストも美しく、時間経過も感じる。だから、千年の風格なのだろう。
以前、損保ジャパンで、樹木をテーマにしたフランス絵画展を観たが、何かそれを思い出した。
�盒狭�子さん。『ある日』 この絵、とても好きだったのだが、上の方にあり、光りも入るので写真だとどんな絵か分かりづらい。
聖女の様な人物が草原（くさはら）に立っている。静謐な印象がある絵だった。女性の白さも何処か神々しい。マリア降臨！みたいで。と同時に、寂しげにも見えた。
瓜田勝さん。『帰路、馬と足並み』 夕暮れ時だろう。左に人、右に馬。ゆっくり歩いているのが分かる。足だけの描写だが、力強い感じがした。また、明日に続く・・というイメージもあった。
浅坂祥子さん。『好きに囲まれて』 ぬいぐるみのパンダを抱き寝るブルーの服の女の子。その横には、藤色のドレスを着た女の子も寝ている。周りには、人形等が置かれてる。すやすやと安心して寝ている姿が可愛く好きだった。でも、１番右端のバトンはいらないかなぁ〜・・とも思った。
山根ノブ子さん。『化身木』 黒地に白化した木・・だと思う。盆栽で言うところの舎利木。でも、龍のように見える部分があったり、何か生き物のようにも見える。これは意図的か偶然か？化身木というタイトルなので、やはり意図的なのでは？と。何かに化身した木。
これを見ると、私は、不穏だったり、これ何だろう？と思えたり、何某かのひっかかりがある絵が好きってコトみたいだなぁ。ただ、綺麗な絵はあまり好みじゃないのかも。
ギャラリートークをやっていたので聞いてみた。出展者が審査をした先生に色々質問する形式だった。先生方の話に「なるほど」と納得したり、「いや、絵のバランスは、寧ろこっちの方が私は好きだな。」と思ったり。
本物そっくりに描いたから上手いってワケでもないもんな。絵は好みだし。
先生に「何でこの絵は受賞しなかったんですか？」と訊いてる人もいた。先生の弁は「他に同じようなモティーフで描いた絵があれば、それと比べられてしまう。比べてどうか？というコトになる。それくらいしか違いはない。」と言っていて、やはり大差はないんじゃないかな？と思った。
審査員に何か伝われば、何か伝わった方を優先的に受賞させるだろうし。
あと、「絵に楽譜等を描く時、本当にある曲名なのかどうなのか気になる。」と言っていて、それが入選の差になったりもする・・と言っていた方も。
お土産はポストカード３枚。母も気に入ったのを２枚買っていた。ポストカードの他に、写真プリントも売っていた。でも、写真プリントの方が500円と、ちょっとお高め。ポストカードは216円だったかな？写真の方が判が大きく原色に近くはあったけれどね。
他、都美のミュージアムショップで、ブリューゲルモンスター缶バッチガチャガチャと、ボス缶バッチガチャガチャをやった。ブリューゲルは樹木人間が当たった。ボスは、今展示されている“放浪者”が当たりました。
４時間観ていたので、最後の方、母が「疲れた、お腹減った、喉渇いた。」しか言わなくなってしまった。でも、通常１時間で飽きる母にしては凄いコトだった。母がもうダメっぽかったので、都美のレストランで、“バベル展コラボメニュー”を食べた。何故か母もそれを食べた。母、バベル展観てないのに・・・（私は観たよ）。バベルの塔にもブリューゲルにもおそらく思い入れは何もないだろうが（そもそも母は、バベルの塔が何か分かってなかった）、それでも料理は美味しかったようだ。
１口コロッケと、えんどう豆のスープのセットだったよ。お値段2000円とちょっとお高めですが。
あそこ、精養軒なんですかね？初めて入った（そもそも私は、絵を観てる時はアドレナリンが出ていて、お腹がすかない）。
上野駅前の食べ物屋さんも、やたら“バベルの塔”に便乗した料理を作っていてちょっと笑った。生ハムを盛り上げたピザとかあったよ。盛り上げて塔っぽくするとバベルなんだな。
６月13日までやっています。巡回もするらしい。水彩画好きな人は行くと楽しいと思います。
ただ、分量が分量だけに、時間に余裕を持って観た方が良いよ。
母の友人が画家なのですが、その方も入選しており、その方にチケットになる葉書を頂きました。
1000点くらいあるので、観終るのに４時間かかりました。かなりのボリューム。
肖像画、風景画、静物画、抽象、具象、様々な水彩画がありました。水彩といっても、透明水彩もあるし、アクリルもあるしで、表現方法も色々なんですね。マチエールも色々あったし。
写真撮影がＯＫだったので、好きな絵を撮影して来た。
因みに、私は好む、ヌードで血が出てる絵はなかったよ(^_^;)。そんな絵は、選考の段階ではじかれるのかな？それでも、「耽美」を感じさせる絵がなかったのは不思議だったけれど。観に来ていた年齢層が高かったので、応募者もそれくらいだとしたら、そういう要因もあるのかな？
最初の方に、受賞作品が並んでいた。でも、受賞作とそうでない作品にさほど差はなかったような・・・。
村上豊さん。『冬の雨』。雨降りの様子。にじみが美しかったな。傘をさし道行く人。１人女性がこちらを見ている。孤独感がある絵だな・・・と思った。日本水彩画賞を受賞していた。
廣瀬富士夫さん。『刻』。これ以外にも“刻”と付くタイトルの絵が結構あった。付けやすいタイトルなのかな？時間とか、刻むとか、色々な意味に取れるし。
これは、古い扉なのだろうか。鍵、文字も時間経過があるように感じる。浮き出る模様がちょっと妖怪じみても見える。損保ジャパン賞を受賞していた。
加藤英さん。『時のつかさ』。幼女が襖を開ける絵・・なのだが、どうにも不穏に感じる。周りのぬいぐるみや唐子もちょっと不気味に思える。背景が黒なのも、その一因なのかな？どうも、この幼女は既に死んでいるのでは？と思えてな。もしくは、幼女が開けようとしている襖は“開けてはいけない何か”なのではないか？・・・と。
齋藤雅紀さん。『錆び色の看板通り』。古い町並み。錆びたホーロー看板。忘れられた街・・という感じがする。これも私には死を感じた。忘れられた街だから、町の死・・と思ったのかも知れない。そして、「角を曲がると、ほら、異界。」という感じもして、凄く好きな絵だった。隣りにある身近な異界というイメージ。古賀春江賞を受賞していたのも嬉しかったな（私、古賀春江氏の絵が大好きです）
青木玲子さん。『出逢い』。ヨーロッパの石造りの建物らしい。扉の隙間を覗く黒猫。この猫にはこれから何か出逢いがあるのだろうか？誰と出逢うのだろう？そんな想像が膨らむ絵だった。全体的に重いトーンなのも好み。
宮川美樹さん。『刻』。コーナーの一角が遺作コーナーだったのですが。今までの経歴と亡くなった年と黒いリボンが付いていた。
この絵のタイトルも“刻”ですね。石鹸の泡だろうか？その泡を細密に描いている。これは是非本物を観て欲しい。虹色に輝く泡。でも、宇宙の星雲にも見えるんだ。ミクロからマクロへ。そういう意味の刻って意味はないのかな？
大野正子さん。『残影2017』 古代の柱やアンモナイトを思わせる物が中空を舞う。左下にはコンクリートの柱だろうか？折れて中の針金が見えている。その横には女性。全体は青みががりちょっと神秘的だ。これもちょっと不穏な感じになる。終末的・・というか。残影なので、残った影なのだろう。影だけで、実は実態はもう、何処にもないのかも・・・。2017と付いてるというコトは、他の残影もあるのだろうか？あるなら観たいな・・と思った。
加藤明子さん。『明日ツバメが来る街で』 希望溢れる明るいタイトルとは裏腹の、こちらもちょっと寂しげに感じる絵。全体的には青色。小屋の扉は壊れ、壁は剥がれ、どうにも寂しげな街に思えた。ツバメが来て、これから希望を与えるのかも知れない。
久保田敏さん。『争奪』 鯉（「よね？）が「餌くれろ〜。餌くれろ〜。」と言っている（笑）。口をパクパク鯉の餌とり争奪戦！観ていたおばさまが「生臭そう」と言っていて笑った。匂いも伝わったというコトは、腕があるってコトよな。左後ろに悟ったような顔の鯉がいて、私にはそれがツボだった。
林良一さん。『輪廻』 宇宙のような、星のような、鉱物のような世界。白銀の感じとネイビーな空（かな？）のコントラストも好き。ビックバンなのかも知れない。それとも、アストラル体か？輪廻だし！
唐津善四郎さん。『千年の風格』 屋久杉のような巨木。注連縄もあるので神木なのだろう。瑠璃色の苔の感じと赤茶の木の肌のコントラストも美しく、時間経過も感じる。だから、千年の風格なのだろう。
以前、損保ジャパンで、樹木をテーマにしたフランス絵画展を観たが、何かそれを思い出した。
�盒狭�子さん。『ある日』 この絵、とても好きだったのだが、上の方にあり、光りも入るので写真だとどんな絵か分かりづらい。
聖女の様な人物が草原（くさはら）に立っている。静謐な印象がある絵だった。女性の白さも何処か神々しい。マリア降臨！みたいで。と同時に、寂しげにも見えた。
瓜田勝さん。『帰路、馬と足並み』 夕暮れ時だろう。左に人、右に馬。ゆっくり歩いているのが分かる。足だけの描写だが、力強い感じがした。また、明日に続く・・というイメージもあった。
浅坂祥子さん。『好きに囲まれて』 ぬいぐるみのパンダを抱き寝るブルーの服の女の子。その横には、藤色のドレスを着た女の子も寝ている。周りには、人形等が置かれてる。すやすやと安心して寝ている姿が可愛く好きだった。でも、１番右端のバトンはいらないかなぁ〜・・とも思った。
山根ノブ子さん。『化身木』 黒地に白化した木・・だと思う。盆栽で言うところの舎利木。でも、龍のように見える部分があったり、何か生き物のようにも見える。これは意図的か偶然か？化身木というタイトルなので、やはり意図的なのでは？と。何かに化身した木。
これを見ると、私は、不穏だったり、これ何だろう？と思えたり、何某かのひっかかりがある絵が好きってコトみたいだなぁ。ただ、綺麗な絵はあまり好みじゃないのかも。
ギャラリートークをやっていたので聞いてみた。出展者が審査をした先生に色々質問する形式だった。先生方の話に「なるほど」と納得したり、「いや、絵のバランスは、寧ろこっちの方が私は好きだな。」と思ったり。
本物そっくりに描いたから上手いってワケでもないもんな。絵は好みだし。
先生に「何でこの絵は受賞しなかったんですか？」と訊いてる人もいた。先生の弁は「他に同じようなモティーフで描いた絵があれば、それと比べられてしまう。比べてどうか？というコトになる。それくらいしか違いはない。」と言っていて、やはり大差はないんじゃないかな？と思った。
審査員に何か伝われば、何か伝わった方を優先的に受賞させるだろうし。
あと、「絵に楽譜等を描く時、本当にある曲名なのかどうなのか気になる。」と言っていて、それが入選の差になったりもする・・と言っていた方も。
お土産はポストカード３枚。母も気に入ったのを２枚買っていた。ポストカードの他に、写真プリントも売っていた。でも、写真プリントの方が500円と、ちょっとお高め。ポストカードは216円だったかな？写真の方が判が大きく原色に近くはあったけれどね。
他、都美のミュージアムショップで、ブリューゲルモンスター缶バッチガチャガチャと、ボス缶バッチガチャガチャをやった。ブリューゲルは樹木人間が当たった。ボスは、今展示されている“放浪者”が当たりました。
４時間観ていたので、最後の方、母が「疲れた、お腹減った、喉渇いた。」しか言わなくなってしまった。でも、通常１時間で飽きる母にしては凄いコトだった。母がもうダメっぽかったので、都美のレストランで、“バベル展コラボメニュー”を食べた。何故か母もそれを食べた。母、バベル展観てないのに・・・（私は観たよ）。バベルの塔にもブリューゲルにもおそらく思い入れは何もないだろうが（そもそも母は、バベルの塔が何か分かってなかった）、それでも料理は美味しかったようだ。
１口コロッケと、えんどう豆のスープのセットだったよ。お値段2000円とちょっとお高めですが。
あそこ、精養軒なんですかね？初めて入った（そもそも私は、絵を観てる時はアドレナリンが出ていて、お腹がすかない）。
上野駅前の食べ物屋さんも、やたら“バベルの塔”に便乗した料理を作っていてちょっと笑った。生ハムを盛り上げたピザとかあったよ。盛り上げて塔っぽくするとバベルなんだな。
６月13日までやっています。巡回もするらしい。水彩画好きな人は行くと楽しいと思います。
ただ、分量が分量だけに、時間に余裕を持って観た方が良いよ。
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