6月3日
朝の大峰、曇りがちな空から朝の光が差し込む。
濃い緑の中に、朝日を浴びた木の葉だけが明るい。
自由気ままに見える木々には強い生命力がある。
満開のシロヤシオ
咲き始めのクサタチバナ
待っていてくれたシャクナゲ
鈴なりのサラサドウダン
名前は知らない小さな花
奥駈道で若い女性エリちゃんと出会った。
抜いたり抜かれたりしながら歩いた。
行者還岳に着く。
そう、今日はまさしくこの気持ち。
「だからもうなんにも考えないでお山に行けばいいんだよ」
忙しい仕事を放って来た。
行者還岳でエリちゃんとゆっくりと話した。
高塚山に誘うと、一緒に行くと言ってくれた。
下山しようとすると、一人の青年が登ってきた。
その足元に目が吸い寄せられた。
サンダルだった!!!
思わず質問攻めにする。
石垣島に行っていたからサンダルなのだそうだ。
関空から京都、奈良と行って、奈良駅から吉野まで歩き、奥駈けを始めたそうだ。
本宮まで歩き、下山したら歩いて実家の長野の駒ヶ根市まで帰るつもりだと言う。
しばらく、3人で歩く。
登山靴、地下足袋、サンダル。
登山靴が場違いな気がする。
青年と別れて、高塚山へ向かう。
奥駈道を外れた静かな尾根道を行く。
木が高い。
大峰らしい森だ。
大峰の木は生命力にあふれている。
そのパワーをいただく。
「あっ、あの木面白い形をしているね。」
「まるで何かの横顔みたい!」
「これはタコみたいね!」
「根っこがすごいね!」
「ああ、気持ちいい森だねえ〜〜〜」
高塚山に着く。
展望はない。
ここは森を楽しむ山だ。
エリちゃんと1時間近く、いろいろ話した。
一人だったら、何か食べて、すぐに下山しただろう。
二人だと感動を共感しあえる。
エリちゃんを誘って良かった。
奥駈道に戻る。
エリちゃんは、トンネル西口へ、私は東口に下る。
握手をして別れる。
田植えの合間に無理やり入れた休日。
楽しい出会いと、大峰のパワーで元気をもらえた一日。
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