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2017年05月24日02:41

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 【質問】 1987年ラサ騒擾とは?(下書き)

 【質問 kérdés】
 1987年ラサ騒擾とは?
Mi az 1987-os Lhasa zavargások?

 【回答 válasz】
 ダライラマ法王の和平案に応えて1987年9月27日,ラサ三大寺の一つ,デプン寺の僧侶によるデモが起きた.
 10月1日にはセラ寺の僧侶たちによるデモがあったが,警察は僧侶を連行.
 その僧侶たちを救うために民衆が警察署に火をつけたことで,騒擾事案に発展.
 中国軍の発砲により3人の犠牲者が出た他,報復的な大量検挙が行われた.

 以下は船戸与一による,事件を目撃したチベット人露天商へのインタビュー;

------------
「第1回目は9月27日の朝9時半だった.
 ラサの町の中にバルコルという広場がある.
 その周りが市場なんだ.
 店は5千か6千くらいあるよ.
 その他に,私みたいな路上で商売やってる人間がごっそりいる.
 その数ははっきり知らない.

 とにかく,そのバルコルに朝の9時半,突然,デボン寺院(ラサの三大寺院の一つ)から27人のラマ僧がやってきた.
 先頭の3人はチベットの国旗を持っていた.
 他の僧侶は,
『ダライ・ラマ猊下の長寿を! チベット独立万歳!』
と叫んでいた.
 27人の僧侶はそうやって広場の中を回り始めた.
 こんなことは初めてだったから,私は驚いた.
 普通のチベット仏教の習慣ではバルコルの中を5回廻るんだが,27人の僧侶が3回目を廻った時,いつの間にかラサにいる他の僧侶もそれに参加して,
『チベット独立万歳!』
と叫び始めた.
 そしてバルコルの中を5回廻った時は,僧侶の数はもう数え切れないほどになった」
「僧侶たちはそうやってバルコルの中を回り続けた?」
「いや,5回廻って終わりだ.
 広場の中央をツクラカンというんだが,そこに壇がある.
 その上に3人の僧侶が立った.
 そして叫んだ.
『ずうっと中国政府の言いなりになっていいわけがない!
 我慢にも限度がある!
 みんなで一所懸命,力を合わせて何かをやろう!
 肩を合わせて頑張れば,必ず何かができる!』
とね」

――それを聞いてあなたはどうしたんです? そして,バルコルの周りの市場の人たちは? ただ見ていただけ?

「いや,誰もが自分の店の品物をしまって,一緒に参加した.
 その時,警備の車が来て,僧侶たちの前で止まった.
 その途端にみんなが車の周りに集まった.
 警備の中国人警察官は7人だったけど,チベット人の勢いに車を下げた.
 その時,鼻の高い白い肌の外国人が5人いて,写真を撮ったら,中国人警官がそのカメラを取り上げた.
 チベット人の若者も一人写真を撮ったが,それも取り上げられた.
 それから7人の警官はチベット自治区区役所に引き上げていった」

――チベット自治区区役所というのはバルコルからどれくらいの距離にあるんです?

「1kmか1km半くらいだね.
 僧侶たちはそのままその区役所に向かっていった.
『みなさん,チベットの独立は近い!』
と叫びながらね.
 私も一緒に行った.
 バルコルに集まったチベット人はみんな行った.
 そしたら,先に連絡が入ってたらしく,区役所の前で軍隊が待っていた.
 僧侶たちはそこでみんな捕まって,車の中に押し入れられた」

――待っていた軍隊とは何人くらい?

「大きなトラックが4台いたけど,兵隊の数は分からない.
 とにかく僧侶は全員逮捕され,一般の人も6人ほど.
 若者だったけどね.
 私も他の連中も,僧侶と軍隊の間に入って逮捕を邪魔しようとしたけどダメだった.
 捕まった人たちがどこの刑務所にいるのか,殺されたのか,その後全然わからないらしいんだけど…」

――軍隊は発砲はしなかった?

「いや,無茶苦茶に殴っただけだ.
 30cmくらいの長さの,鞭みたいにしなる黒い警棒で.
 中には電流が通じてる棒もあった.
 とにかく,9月27日の騒ぎで僧侶たちがそうやって逮捕されて終わった.
 午後1時ごろだよ.
 私はそこで家に帰った……」

------------「週刊ポスト」1988年1月,p.226

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://www.tibethouse.jp/about/mainland/history/
http://www.sftjapan.org/nihongo:tibetancause
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51273254.html


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