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2017年05月23日23:10

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「砂漠に消えた王子」

ハンサム先生が、朗読劇でトランペットを演奏するというので、
観に(聴きに)行くことにしました。

企画している会社のウェブサイトをみると、
なんともシブい!
なんとなく昭和の香りがするのですが、
原発避難者の方20名を無料ご招待となっていて、
好感が持てました。

会場は、日比谷公園内にある日比谷コンベンションホール。
日比谷図書館の地下1階です。
小さいけれどちゃんとしたホールでした。

原作「星の王子さま」
脚本 大塚汎
出演 清水紘治(朗読)
    桂ゆめ(朗読)
    佐藤秀徳(トランペット)
    佐藤紀雄(ギター)

予ベルの代わりに、おじさんが鈴を持ってステージを歩いていて
唖然としてしまいました。
・・・この舞台大丈夫なのか?
お客さんもご年配の方が多く、
前説もなんだか近所の老人会みたいな雰囲気です。

ところが!!

始まった途端に、あっという間に惹き込まれました。
王子役の桂ゆめさんは、少年のようないでたちで、
髪はきれいなブロンドのショート。
清水紘治さんの飛行士役と息ぴったりで
物語が進んでいきます。

そして時々流れるギターとトランペットも美しいったら!
確固たるワールドが存在していました。
この人たち、本当にすごいな。
ハンサム先生のトランペットはミュートをつけていても
すごくいい音がします。
これは大発見でした。

「星の王子さま」は、読んだことがあるし、
本も手元にあります。
でも、おぼろげにしか覚えていなかったし、
不思議な物語、というくらいにしか思っていませんでした。

しかし。
40歳を過ぎて耳にするその物語は、
とんでもないものでした。
王子と花とのやりとりは、まさに男女関係そのものだし、
ラストは希望ではなく絶望でした。

戦時中に、亡命先で書かれたお話。
ナチスに命を狙われていたと思われるユダヤ人ジャーナリストに捧げられたお話。


私は何も知らなかった。


最後に、清水紘治さんがおっしゃいました。
「世界のいろんなところに、王子さまがいます。」

ああそうだ。
福島から避難している人も王子さまだ。
星に帰りたくても帰れない。
でもどうか、絶望しないで欲しい。

そんなことを考えながら、
私はまた「星の王子さま」を読み直しています。
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