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2017年05月12日23:19

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゚Д゚) < ガッバル再び (Gabbar Is Back)

■「コレ、もっと流行ればいいのに!」と思うものありますか?
(TOKYO FM + - 05月12日 17:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=257&from=diary&id=4569314

 当然、今日で終わった南インド映画祭のノリで言っちゃえば「インド映画」!!
 踊るもの、踊らないもの、泣けるもの、笑えるもの、悲惨な現実を描く社会派から、空前絶後のファンタジーまで、ありとあらゆる映画が作られているから、かならずなにかハマるものがある…はず。たぶん。
 日本でイメージされるインド映画なんて、「七人の侍」見て「日本映画って、全部チャンバラだよね」って言ってるようなもんでね!
 来れ、インド映画ブーム再び!!



ガッバル再び (Gabbar Is Back) 2015年 131分
主演 アクシェイ・クマール & シュルティ・ハーサン
監督 クリッシュ
"賄賂を受け取る者あらば、皆は言う…「それに手をつけるな、ガッバルが来るぞ!」"

https://www.youtube.com/watch?v=MYpvNGSiq6E

 その日、マハラーシュトラ州で同時多発的に税務官10人が誘拐された。
 警察の一斉捜査にも関わらず犯人を特定できない中、被害者9人が突如解放され、最後の1人は絞首刑同然に殺されている所を発見される。同時に各メディアや警察署にACF(Anti-Corruption Force=腐敗排除組織)の"ガッバル"と名乗る男から「賄賂を受け取るような腐敗した役人を一掃する」と言う声明が!!
 警官サドゥラームは、独自にこの犯人を導く手段を思いつくも、役立たずの上官に相手にされないばかりか酷い侮辱を受け、役職を離れて自分一人で捜査することを決意する…。

 その頃、国立大学で物理(?)を教える人気教授アディティヤ・シン・ラージプートは、ひょんなことから帰り道に弁護士見習いのシュルティに止められ、彼女の友人のお産を手伝うことに。それをきっかけに仲良くなっていく二人だったが、シュルティの怪我の治療のために訪れたパティル病院にて、患者を食い物にし組織的に治療費をふんだくる病院の実体を目撃したアディティヤは…!!

OP Warna Gabbar Aa Jayega OP ver. (さもなくば、ガッバルが来るぞ)

https://www.youtube.com/watch?v=BUMoWvu7_a8

わーい(嬉しい顔) タイトルの「ガッバル」とは、伝説的名作である1975年のヒンディー語(インドの連邦公用語。主に北インド圏の言語。その娯楽映画界を、俗にボリウッドと言う)映画「炎(Sholay)」に出てくる悪役ガッバル・シンのこと。
 極悪非道で全ての制約・価値観から自由であり、かつ滅ぼされる悪役としての悲哀を持ち合わせていたことから大人気になった、ボリウッドを代表する凶悪な悪役の代名詞である。「再び(Back)」とあるけど、別になにかの続編と言うわけではない、これ一本で完結している映画。

 本作は、2002年のタミル語(南インド タミル・ナードゥ州の公用語)映画「Ramanaa(ラマナー)」のリメイク作となる映画。日本では、2016年にIFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)にて上映。
 オリジナル映画は、他に03年テルグ語リメイク作「Tagore(タゴール)」、05年カンナダ語リメイク作「Vishnu Sena」、07年ベンガル語リメイク作「Tiger」としてそれぞれ公開されているほどの人気作。

 オリジナル映画は未見ながら、テルグリメイク作「Tagore」は(字幕なしで)見ていたので、本作前半部分はある程度のリファインはあるものの大筋は共通する物語になっている感じに見ていた。んが、後半より政治的な部分や学生紛争的ニュアンスが強くなっていくと、もうまったく別の映画のような展開。テルグ版後半が、裁判劇の中で主人公が不正と戦う物語になっていたの対して、こちらは警察側の改革と主人公側のそれとの対立、加熱する学生紛争に対するある種の戒めを含む希望を描いていく映画になっている。
 残念なのは、せっかくヒロインにシュルティ・ハーサンを招いておきながら、ほとんど活躍の場を与えずに主人公・悪役・警察の3つの価値観がしのぎを削る話になってしまった所か(どーせアイテムガール的に踊らせるんだったら、一曲歌わせてあげればよかったのにぃ)。

 この手の仕置人型ヒーローよろしく、暴れ回るアディティヤ役のアクシェイはさすがに貫禄。
 長い手足を振り回しながら、重圧感を与えるアクションの数々は怪獣並み。もっとアクロバティックなアクションを見たかった気もするけど、飛び蹴り1つの所作だけでもカッコEEEEEーーーー!!
 私怨を込めた復讐と言う所に、タイトルの元ネタ「ガッバル・シン」に共通する不敵さ、哀しさ、恐ろしさが込められているんだろうことはわかるけど、その暴力肯定の意思が学生に伝播して行くさまの方が、より恐ろしく、もの悲しい。まあ、それに対して子供を応援する母親像が出てくるあたり「ああ、インドだなあ」って所でしょか。

 監督を務めるクリッシュ(本名ラーダ・クリシュナ・ジャガルラムディ。またはラーダクリシュナ・ジャグルラムディ)は、テルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)映画で活躍している映画監督で、本作がヒンディー語映画デビューとなる。
 映画プロデューサーの父ジャガルラムディ・サイババと義兄ビボー・シュリーニーバスの協力によって、08年にテルグ語映画「Gamyam(目的地)」で監督デビュー。大ヒットを飛ばして、フィルムフェア・サウス監督賞を始めとした映画賞を獲得。以降も大ヒット作を連発する人気監督になっていく。本作は5本目の監督作で、同じ年にはテルグ語映画「Kanche(フェンス)」も監督している。

 「ガッバル」と言うタイトルのわりには、元のガッバル・シンへのオマージュ的シーンはまったくなく(気づいてないだけで入ってるかもだけど。わりとマハラーシュトラ・ローカルなネタは多用されてる気もする)、その武闘派ゲリラ的な"ガッバル"の活躍は、かつての独立運動家バガット・シンの姿の投影のように見えてくるのは、深読みですかねえ…。
 ターゲットとなる腐敗する権力が、税務官から医療界、警察、不動産始め都市計画関係者に政治家一党と、どんどん規模が拡大するにつれてガッバル支持の学生や庶民も増えていく所に、一種のカタルシスのようなものが生まれて、最後の演説も説教的ではあってもわりと盛り上がるシーンになっているから不思議。インド社会に対してカウンターパンチを食らわす革命闘士となれ、と言うメッセージがそのままインド独立闘士ヘのリスペクトを含めたその再来を願っているようにも見えてくる。

挿入歌 Aao Raja (王は来た!)

https://www.youtube.com/watch?v=66VN2ZIWPnw
*支持政党党首のお面を、参加者全員が装着してる画面の異様さたるや…!!

挿入歌 Coffee Peetey Peetey (コーヒーを飲む間 [僕たちの目と目は語り合う])

https://www.youtube.com/watch?v=uZheKCBWMlo


・元のタミル語映画「Ramanaa(ラマナー)」のテルグ語リメイク作「Tagore(タゴール)」はこちら
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1783047620&owner_id=3570727


・Gabbar Is Back を一言で斬る!
「いくら、緊急出産を手伝ってくれたと言っても、見ず知らずの男に生まれたての赤ちゃん抱かせちゃっていいんかいねえ…?(映画的には「良い」としておくべきかw)」
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