10年ほど前の早朝、近所の交差点で若い男性が事故で亡くなった。
轢き逃げ事故…新聞配達を終えて単車で自宅に戻る青年と普通自動車の事故。
逃げた運転手は直ぐ捕まったが、双方に同情した。
青年は交差点近くの住まいだったそうで、信号機のある交差点にしばらく花束が置かれていた。何年も…13回忌が終わったのか、最近は見なくなったが、盆と春先の命日に置かれている。
今朝、夫と三男を駅まで送る途中、交差点の電柱の周囲に生えた雑草を刈っている私と同年配の女性がいた。
帰りに赤信号で停まると、根の深そうな草を根切りしているのが、見えた。
新聞配達の青年は、奥さんが妊娠中でダブルワークしていた、と後で知った。
きっと、本業に就くために焦っていたのかもしれない。
逃げた方は年配の男で、気が動転したのだろう。
その事故の数年後、私の従弟も幼い子を遺して自死したので交差点の花束を見る度、切なかった。
多分、あの女性はお母さんだ。
息子達に「どうか自分より先に死なないで」と想う。
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