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2017年05月07日18:25

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Prokofiev's Orchestra Works

昨日のクルージングメニューは,夏に買ったまま未開封で,お蔵入りになりかけていたプロコフィエフ(1891-1954露→ソ)の管弦楽曲集。
バレエ「ロミオとジュリエット」,同「シンデレラ」,交響曲第1番「古典」,カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」,映画「イワン雷帝」の音楽のCD6枚組で,確か1,200円程度だったと記憶している。
バレエ2曲がアンドレ・プレヴィン(1929-米)指揮ロンドン交響楽団,「ネフスキー」と「イワン」が,リッカルド・ムーティ(1941-伊)指揮フィルハーモニア管弦楽団。
今日聴いたのは,プレヴィンによるバレエ2曲だ。

プロコフィエフの音楽の特徴を一言で語るのは極めて難しいが,Tuttiで不協和音が鳴り響き,ブラスのハイトーンと鏤められた各種打楽器が随所で炸裂するという一面があり,聴いていてテンションが上がるものであることは確かなようだ。
「ロミオとジュリエット」は,かつて作曲者自身が編曲した演奏会用組曲から,不協和音と大音響が炸裂する「キャピュレット家とモンターギュ家」,そしてスリリングな妙味に富み,悲劇的な「タイボルトの死」を演奏したことがあるが,全曲版は勿論,ストーリーに沿って楽曲が並ぶ。
まあ内容が内容だから,イタリアが舞台とはいえ,暗くて悲劇的な内容なので,間違っても晴れ晴れとした音楽ではない。

もう一曲の「シンデレラ」は,ハッピーエンドの話ではあるが,社会主義リアリズムの時代に活躍し,当局ともうまくやってきたプロコフィエフの手になるものであるから,これまた大団円でも晴れ晴れとしない・・・。
中でも,かつてフィギュアスケートにも使われたワルツなんか,深夜0時を告げる鐘の音や時計の針音が続き,名曲に入れても良いと思うのだが・・・。

70年代前半は,カラヤンとベルリンフィルが全盛期を極めていたのだが,同時にプレヴィンの指揮するロンドン交響楽団も,全盛期を迎えていたと思われる。
ハリウッドの劇伴出身だけに,こうした民族色と色彩感に溢れた音楽は,プレヴィンの最も得意とするところであり,緊密な合奏力と精妙なアンサンブルを誇り,「スター・ウォーズ」Ep4〜6で劇伴を務めたロンドン交響楽団が見事に応えている・・・。交響曲第1番は,私が学生になった頃に第7番とのカップリングで発売され,評論家連中に袋叩きに遭っていたという曰く付きの演奏だが,スマートで颯爽としていて,実に聴き映えがする。
そう言えば,この組み合わせは私の好きな交響曲第5番変ロ長調op.100を録音していたと記憶しているが,長らく廃盤のままだろうか・・・。
英EMIとしては,交響曲全集に纏める予定だったのだろうが,プレヴィンがロンドン響の音楽監督を辞任したため,頓挫したのだろう。
惜しい話しだ・・・(ラフマニノフの交響曲全集は,死の島と交響的舞曲,ヴォカリーズ等を加えて完成している)。

それにしても,「ロミオ」には交響曲第1番のガヴォットが,「シンデレラ」には「3つのオレンジへの恋」の行進曲のメロディが,それぞれ転用されている箇所があるのに,今回改めて気付いた・・
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