レトロゲーをクリアしてみようのコーナー。
今回プレイしたのは、バンダイより発売の「ドラゴンボールZ�掘［鸚鐃預た祐屐廚任后�
おなじみのカードバトルすごろくですね。
さて、この作品についても、ぼくは子供のころにクリアした記憶があります。
そして、まったくといっていいほど印象に残っていません。
あるのは、人造人間編の途中までしかシナリオがない、というがっかり思い出くらいでしょうか。
はたして今回プレイして思ったのは「なんじゃこら」でした。
ええもう、シナリオがね。
「カードバトルシステムについて」
とりあえずシナリオは後回しにして、まずはカードバトルについて。
こちらは、いい意味で進化したと言えそうです。
今までは、カードの左上に星、右下に漢数字と、２種類の数字を搭載していました。
前作だと星が攻撃力（と移動力）、漢数字が防御力（と攻撃順）でした。
それが今作では、漢数字を撤廃し、そこに「イベントマーク」が入っています。
前作では、行動後に「イベントカード」なるものをめくることで、敵が出たり回復したりといったイベントが起きていたわけですが、今作では、手札とイベントカードを融合させたわけです。
これにより、移動だけでなく、戦闘中にもイベントが発動します。
ただし、戦闘中には移動系イベントは無意味で、同様に移動中は戦闘系カードが無意味となるなど、カードの使いどころがけっこう大切な感じになりました。
回復イベントもけっこうな確率で引いてきますが、敵から受けるダメージもそれなりに高いため、マメな回復は大事です。そのあたりはバランスが取れていると感じました。
「簡略戦闘モードについて」
ただし。
この簡略戦闘モードについては、はっきり言って不要です。
プレイヤーキャラのレベルが一定以上になると、戦闘が簡略モードになります。
通常の戦闘は、攻撃１回ごとにカードを選び、イベントが発動し、バトルアニメーションを見る、という流れです。
これが簡略モードになると、戦闘開始時の１回だけ手札を選び、あとは敵が全滅するか味方が全滅するまで勝手に戦闘がばしばしと続きます。
これの何が問題かというと「カードイベントが一切発動しない」ことにあります。
このゲーム、手札のイベントは、６〜７割でプレイヤーにプラスの恩恵をもたらします。
そして何より大切なのが回復イベント。通常の戦闘では、手札の引きによっては毎ターンの回復が可能なわけで、それにより安定した雑魚戦ができるわけです。
ところが、レベルが上がって簡略モードに切り替わると、これができない。
じゃあ戦闘じゃなくて移動で回復カード使えばいいやん、と思うかもしれませんが、移動後に敵とエンカウントしてしまうと、手札のイベントは発動しません。
そしてエンカウントの確率はかなり高め。２〜３回でエンカウントすることもあれば、毎回のように怒涛のエンカウントが起きることもあります。
味方のHPがピンチになって、移動で回復カードを使おうとしたらエンカウントで無駄遣い。
そして簡略モードでエンカウントすると、最初の一回「追い払う」が失敗すると、もうあとは死ぬまで戦うしか道が残されていません。
もちろん、レベルが上がったから簡略モードになるわけで、HP満タン状態から１回の戦闘で死人が出ることはありません。
しかし、ろくな回復もできないまま２回、３回と戦闘を繰り返せば、そのうち力尽きます。
何なんだよこのシステムは。
結局、簡略モードになったら、敵からはできるだけ逃げて、ある程度安全に雑魚を処理できるようになるまでひたすら修行場でレベル上げです。
（実際、敵を倒した経験値よりも修行場の経験値のほうがはるかにでかい）
何だこの作業の流れは。
これなら、ひたすら戦闘していた強襲サイヤ人のほうが面白いとすら思えてしまうよ。
「シナリオについて」
原作がさほど進んでいない状態で、ゲームを作ればどうなるか、という酷い見本のような中身ですね。
人造人間というタイトルを銘打っていながら、その脅威をほとんど感じることができません。
というのも、激震フリーザほどの極端なバランスではないので、ラスボスである１７号、１８号たちをわりと堅実に倒すことができてしまうんですよね。
そもそもラスボスすらイベントカードの「じっちゃん」が効いて、動きを止めてしまえるというのはさすがにどうなんだろう。
フリーザにはチャオズの超能力が効かなかったというのに。
しかも主人公の悟空は原作通り、病気で離脱。
戻ってくる頃までシナリオは進まない（初期セルが登場して終わり）ので、途中から主人公不在でゲームが終わってしまいます。
なんだよこれ！
シナリオが盛り上がらないから、ゲームが盛り上がるはずもないです。
途中、劇場版のクウラが登場してシナリオの尺稼ぎをしてますが、さほど面白くない。
強襲サイヤ人の場合は「悟空があの世に行っている間に現れたガーリックを、残されたZ戦士たちで倒すことができるか！？」という、シナリオ上の整合性も取れていました。
そして生き残ったメンバーに、修行を終えた悟空が合流してベジータを迎え撃つ、という、熱いシナリオなわけです（戦闘シーンが冗長で、そこは賛否が分かれるところですが）
しかし本作では、そもそもクウラが強くない（前述のように、雑魚戦をいかに生き延びるかのほうがはるかに問題）ので、肩透かし感が強いです。
ラスボスといい、クウラといい、このゲームはボスの強さのバランスを間違えているように思います。
あるいは、手札とイベントカードの合流というアイディアを、ゲームバランスに生かしきれなかったというべきでしょうか。
さっきも言いましたが、イベントカードで登場する「じっちゃん」によって、どの相手でも「１ターン、動きを封じる」ことができるため、ほぼ無傷でボスを倒すことも不可能ではありません。
まあ、運次第といえばそうなんですけど。
つまりは運ゲーにもなりえるゲームなんですよね。
ドラゴンボール３のバランスを思い出します。
なんだか文句ばかり書いてしまいました。
ゲームの滑り出しは面白いと感じたんですよ、確かに。
しかし、全体的なゲームバランスと、シナリオの中途半端さがすべてを台無しにしてしまった感じです。
３部作をそれぞれ１０点満点で評価するとしたら
Z１・・・６点 Z２・・・８点 Z３・・・３点
といった具合でしょうか。
シリーズの晩節を汚してしまった感すらあり、とても残念に思います。
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