ニコニコ生放送でガンXソードが放送されているということで、おすすめされて見てみた。
婚約者を殺した「鉤爪の男」を殺す
っていうことが目的で全てといってもいいお話。
名前も聞いたことが無いアニメだったが、12年も前の2005年のアニメだとは思えぬ感じ。古臭さが全く無い。26話くらいあった中でも特にひどい絵も無く(もしかしたらDVD用にリテイクしたやつだったりした可能性もあるかもしれない)て良い。
作品の自己紹介に「痛快娯楽復讐劇」とか言うくらいなので、本筋の泥臭さとは別にギャグだらけの回があったりしつつも、全話を通して無駄無く最後に集束していく感じに脚本の手腕の高さを見た気がした。
特に一番良いのは、主人公がブレない事。誰に何を言われようがとにかく「鉤爪の男をぶっ殺す」事しか考えない。
復讐物っていうとよくあるのが……
・殺された○○はそんなこと望んでない!
・人を殺したらあなたもそいつと同じよ!
・過去にばかりとらわれずに未来を見ろ
・復讐は新たな憎しみを産む……
こんなような説得、説教ともいうべき言葉が並べ立てられる事があると思う。私は昔から「なんで復讐はしたらいけないのか」と考えているが、いまんところ明確な答えが出てない。だってどう考えても
「最初に悪いことした奴が悪い」
としか思えないからだ。それでも復讐をしないのは「法律で禁止されてるから」以外に私には無い。……まぁ、別に復讐しなきゃいけない事が私にはいまんとこ無いからいいんですが。
百歩譲って良いようにとらえるとすれば、
・犯罪者が更生したのちに生むことになる経済的利益が社会的に大事
・一人殺されたら、最低でも二人は死ぬ事になってしまうのは種の保存的に悪手
くらいのことは考えられなくもない。この事に関して被害者(遺族)が納得出来るのであれば、犯罪者を許してもいいと思う。でも、被害者(遺族)がそれでも納得出来ないなら、別に復讐してもいいんじゃないかと思うんだけどなぁ。
「ちゃんと刑罰で罪を償ってるんだからいいんだよ」
と言われるかもしれないが、いくら罰金を払おうが、何年懲役を受けようが、何年牢屋に入ろうが、どんなに謝罪されようが、殺された人は戻らない。
「殺した事は許してくれ。でも俺は死にたくない」
って虫が良すぎない? 自分は絶対に出来ない事(命の放棄)を他人に強制した(殺した)のに、それを許せって許せるわけないじゃん。
さて、ガンXソードではラスボスが唐突に「すんげぇパワーで時空を圧縮して時間を巻き戻せば、私が殺した人も生き返る。私の計画が達成すれば愛する人も帰ってくるんだぞ?」と言うのだが、それすらまったく躊躇することなく
「俺からエレナの死を奪うな」(エレナは主人公の婚約者)
と言って退けたのにはしびれましたね。
と、ここまでノータッチですが、ガンXソードは実は巨大ロボットモノでもあるわけですが、そのロボットのデザインがあまり私の好みではないのが少し残念か。どっちかといえば作中にいたエルドランぐらいベタなデザインの方がイイな。
あと、もうちょっと明確な「必殺技」みたいなのがあると良かったかなぁ。
とはいえ、全体的には大変良く、満足である。
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