おはようございます。木下藤吉郎です。
今から60年前の1957年(昭和32年)の今日、広島県瀬戸口町(現 尾道市)の耕三寺への参拝客200人以上を乗せた第五北川丸が、座礁事故を起こしました。定員の3倍を超える人数を無理矢理乗せていたことも災いしてあっという間に船は沈没し、操縦していた見習甲板員と、乗客112人が死亡または行方不明となる大惨事となりました。
■日本の重大海難（機船第五北川丸沈没事件)_海難審判所ホームページ
http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/judai/30s/30s_5kitagawa.htmまた、今から40年前の1977年(昭和52年)の今日は、女優で、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の、紺野まひる(こんの まひる)さんの生まれた日です。
■紺野まひる - Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%BA%E9%87%8E%E3%81%BE%E3%81%B2%E3%82%8B4月12日 水曜日
世間一般では、フィギュアスケート選手の浅田真央(あさだ まお)さんが現役を引退する旨を伝えた件でもちきりになっているようですが、きのう私はそれよりももっと衝撃を受けた記事を見つけました。
かつてNHK Eテレで「ことばおじさん」こと梅津正樹(うめづ まさき)さんが「ことばおじさんのナットク日本語塾」というスポット番組を担当されていましたが、今回の「朝の歳時記風日記」はそんな雰囲気の漂う内容になりそうです。
旬であるがゆえ、昨今は桜の話題が尽きないですが、桜の花が見頃を迎えた時に起こる風雨を、天気予報では「花散らしの雨(風)」とさも当たり前のように表現されます。
もちろんこれは、せっかく咲いた桜の花を散らせてしまう雨や風のことを「花散らし」と表しているのであり、殆どの方はそう解釈することで納得されている事と存じます。
ところが、この「花散らし」という言葉は、本来の意味とは大きくかけ離れているという事実が、調べてみてわかったのです。
本来の「花散らし」とは、昔(おそらく平安時代〜江戸時代の間)は旧暦の3月3日の翌日、すなわち「桃の節句」(「上巳の節句」「雛の節句」などとも呼ばれる)から一夜明けた日(旧3月4日)に、主に若い男女が野山へ遊びに出ることをそう呼んでいたのを示しているそうです。旧暦の3月4日は現代で言えば3月の終わりから4月ごろのことであり、ちょうど桜が見頃を迎え、野山にもたくさんの草花が咲き乱れる時期であります。ゆえに、その時期に野山に遊びに行くというのは、花を散らしに行くようなものであるとして、そのような言い方がなされたのでしょう。
ところで、このような事実を知ったネットの住民たちは、こぞって「若い男女が野山で遊ぶ＝セックス(性交)する」なる勝手な方程式っぽいものを作って祭り上げ、「『花散らし』はエッチな言葉だった！」と囃して拡散しているようです。
もちろん、花散らしで野山に出た若い男女の中にそういった行動に出た方も、いないわけではなかったかもしれませんが、広辞苑などの辞書にはあくまで「野山へ遊びに出る」としか書かれていません。つまり、花散らしには純粋に野山の花を愛でるなど自然を嗜む動きがあった可能性も否定はできず、花散らし＝性交というのは「間違いとは言い切れないが、正しくもない」というのが正論でしょう。
ちなみに、桜の花を散らしてしまう雨のことを、「桜流しの雨」とも呼ぶそうです。あまり馴染みがないような感じもいたしますが、どうも「新世紀エヴァンゲリヲン」の映画の主題歌として宇多田ヒカルさんが発表した曲の名前が「桜流し」であり、こちらから「桜流し＝桜の花を散らす雨」の意が広まっているようです。
思えば「流し雛」や「白線流し」など「流す」という言葉は「散る」という言葉に比べて、ほのぼのとした印象を感じます。「花散らし」より「桜流し」の方が、より風流でよろしいのでは、と私は思っています。
この他にもう一つ、気になって調べた言葉があるのですが、それはまた明日にしたいと思います。
■「花散らし」ってどういう意味？ : 日本語、どうでしょう？
http://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=325
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