犯罪がゼロでないのはなぜだろうか式の記事はおかしいと思います。記者は愚かにもそのようなバイアスに呑み込まれています。でも小宮信夫・立正大学教授の談話を多めに引用してくださったのはよかった。そこは役に立ちますね。
■集団登校をなぜしないの?千葉の事件から考える子どもを犯罪から守る方法
(THE PAGE - 04月06日 17:13)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=4515163
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多くの学校で新学期が始まったが、先月末に千葉県松戸市で、小学校へ登校途中の女児が殺害された事件はまだ解決しておらず、不安な気持ちを抱えている保護者も多い。女児の通っていた学校では集団登校は行われておらず、女児も一人で登校していたという。文部科学省は2005年、安全対策の一つとして集団登下校の実施を例示する通知をしているが、行われていない学校もあるのはなぜだろうか。
集団登校させてもらえれば…
川崎市のある小学校に娘(7)を通わせる母親(40)の元に夜、LINEで連絡が入った。同級生の母親からだ。「明日、うちの子が休むので一緒に登校しているお友達が1人になってしまう。その子を娘さんと一緒に登校させてもらえませんか」。この学校では、集団登校の仕組みがない。そのため、母親たちは自力で、一緒に通学してくれる子どもを探し、1人にならないよう気を配っているのだ。この母親は「学校が主導して集団登校をしてほしいと思っています。いつも綱渡りなので」と話す。
この母親によると、小学校に入るときに一緒に登校してくれる友達を親が探さなければならなかったという。知り合いがいない保護者は、通学路に親が立ち、通りすがった子どもに「うちの子どもと一緒に通学してもらえないだろうか」とスカウトしているケースもあるという。「うちは幸い同じマンションに一緒に行ってくれる子がいたので助かりました。とは言え、友達が休む場合などは、1人になってしまうので学校まで送っています」と説明する。「1年生で入学したてのときは特に、1人で学校に行くのは物理的に無理だった。しかし学校には集団登校の仕組みがない。千葉の事件も一緒に通学していた友達が引っ越してしまったことで1人での登校になったと聞き、他人事ではない。集団登校を学校が始めてくれればうれしい」。大人による通学路の見守りも毎日ではないという。
集団登校しないのはなぜか
同省の学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(平成27年度実績)によると、全国の小学校20,015校のうち、集団登下校を実施している学校は12,632校で63.1%となっている。それより高い割合で行われているのが保護者らによる見守りで、17,895校(89.4%)で実施されていた。なお、3134校(15.7%)では、スクールバスによる登下校が行われている。上記の結果を踏まえると、保護者らの見守りが行われている学校が大半だが、4割近い小学校では集団登下校が行われていないことになる。殺害された女児の学校もこのパターンに当てはまる。
集団登校を実施しない学校もあるのはなぜか。事件のあった松戸市教委によると、5日から新学期が始まったものの、集団登校を行うような指示はしていないという。代わりに、午前8時から午前8時20分間に登校時間を限定することで、登校時に一人になるのを避ける「集中登校」を始めた学校があるという。市教委の担当者は「登校時の安全確保については各学校の実情に応じて、子どもが1人で歩く時間がないよう対策を取ってもらいたいとお願いした」と話す。
集団登校を義務付けない理由としては「通学路の道幅が狭く、集団で歩くのに向いていない地区もある。また、集団で歩くと前の人についていくだけになり、却って危ないという意見もある。地区によっては、住宅地ではないため周囲に一緒に登校できる児童がいないケースも考えられる」と説明する。
集団登下校は、2005年、広島市や栃木県今市市で相次いだ下校中に児童が連れ去られる事件を受けて導入した学校も多い。文部科学省が出した通知も事件を受けてのものだった。ただ、文部科学省は「安全を確保する有効な方法である一方、大事故を起こす危険もある」として、車が速度を出す道路や歩道が整備されていない場合には避けることが望ましいとしている。2012年4月には京都府亀岡市で集団登校の列に軽乗用車が突っ込み、3人が死亡、7人が負傷する事故が起き、また昨年10月には、横浜市港南区でも集団登校中の小学生の列に軽トラックが突っ込み、男児1人が死亡、7人が負傷した事故が起きている。
読売新聞が昨年3月に公表した都内の小学校についての調査結果でも、都内の公立小1277校のうち、集団登校をしているのは約2割の262校にとどまった。調査では、行わない理由について「集合場所での見守りなど、保護者の負担が大きい」(新宿区)「学校選択制のため、遠くから登校してくる児童がいる」(荒川区)など実施しにくい理由を挙げている。集団登校を行っていない学校や自治体には様々な考えがあることがうかがえる。
防犯上集団登校には一定の効果あり。ただもっと大切なこともある
犯罪学が専門の小宮信夫・立正大学教授は「集団登下校はやらないよりはやったほうが良い。通学路自体の交通安全を高めることは工夫次第で可能なので、集団登下校をやらなくて良い理由にはならないだろう。集団登下校は、一人になる時間が少なくなることから、防犯上の観点からは一定の効果があると言えるだろう」と話す。
一方で、「集団登下校をしていれば必ず犯罪を防げる、というのも違う。集合場所が家の目の前でない限り、集合場所に移動するまでは1人の時間が必ずある。また、登下校中の安全については、学校が完全に守らなければならない、といった義務はない。通学路は、本来子ども・家庭が自衛すべき範囲にあたる」と説明する。
では、学校は何もしなくて良いのか。小宮教授は「今の学校では、自衛のための教育が不足している。子ども自身が危ない場所を察知し、犯罪に巻き込まれるのを回避できるよう教育をしていくことが学校に求められる一番の役割だ。親も集団登下校があれば安心と思う前に、身を守るための知識を子どもに教えることが重要だ」
子どもがいきなり襲われたら抵抗ができず、自衛するには難しいように思う。その点については「子どもの誘拐や性犯罪の8割はいきなり襲われたのではなく、騙されてついていく。宮崎勤事件も、神戸のサカキバラ事件も、奈良女児誘拐殺害事件も、そして神戸女児誘拐殺害事件も、すべてだまして連れ去ったケースだ。
なぜ、だまされるのか。それは、『不審者に気をつけろ』と、子どもを人に注目させているからだ。目の前の人が怪しいかどうか、見た目で判断するのは難しい。そうではなく、犯罪者が好む場所にいるかどうかで判断するべき。犯罪者が好きな景色は『入りやすく見えにくい場所』である。例えば、ガードレールがない道やフェンスのない公園は『入りやすい場所』であり、両側に高い塀が続く道や周囲に家の窓が見えない公園は『見えにくい場所』にあたる。このものさしを使って、景色を解読するよう、学校や保護者が指導することが有効な防犯手段と言えるだろう」と話していた。
(取材・文/高山千香)
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(超耳)
予算も人手も無限にあるのではありません。人の権利を大幅に制限するディストピアに到達しない限り犯罪もなくなりません。自明のこと。
だから「なぜ犯罪がゼロではないのか」「犯罪がある社会は異状である」「どうしてこんな国になってしまったのか」式の発言はとんちんかんですよね。
能力があることと能力を悪用できることとは不可分で表裏一体なのです。だから、人が社会をよくすればよくするほど悪用の幅もまた広がります。それが「ある」ことはある意味で豊かさの表象です。
>通学路は、本来子ども・家庭が自衛すべき範囲にあたる
という小宮教授の言葉が多くの家庭と子どもたちに届くといいなと思います。
かなり安全である現代の日本です。多くの方が気をつけ、自衛しているからでもあると思います。
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