10人が暮らす村に、新参者が移住してきました。
初めの数年、
新参者は、早く村に馴染もうと、苦手な農作業も頑張り、
村人から頼まれごとをすれば、二つ返事で引き受けました。
誰からもお礼を言われることもなく、病気の時も休ませてもらえず、新参者は頑張りました。
そして、新参者は心の病になりました。
村人は、敵と敵でもないけど味方でもない人ばかりです。
誰も新参者を守ってくれません。
それでもいつか誰かが分かってくれるんじゃないか、
まだまだ、自分の要領が悪いのがいけないんじゃないか。
新参者はそう思い踏ん張ってきました。
気がつけば25年が過ぎ、26年も過ぎました。
新参者はまだまだ新参者のままです。
最近では新参者の話を聞いてくれる人もすっかりいなくなりました。
過ぎた年月で新参者には村以外、帰る場所もなくなりました。
新参者は空を眺めて思いました。
疲れたなぁ。
ログインしてコメントを確認・投稿する