お使いを頼まれた小僧が走っていると、向こうから医者がやってきました。
小僧と医者は
見事にぶつかり、医者ははずみで転んでしまいました。
「こら、あぶないではないか!」
医者は立ち上がると、小僧の頭を
手でたたこうとしました。すると小僧が、
「手だけはかんべんを
足でけるのなら、いくらでもかまいませんが、手でぶつのだけは、どうか、どうか、ごかんべんを
」と、泣きながら言います。
「はて?足でける方が痛いだろう?なぜ、手でぶつのはダメなのだ?」医者が不思議そうに聞くと、小僧は言いました。
「足でけられても、痛いだけで命には別状ありません。しかし、あなたさまの
お手にかかると、助かる者も助からないと、もっぱらの評判ですから」
ちゃんちゃんばらばら
(14.8.17)
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