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2017年03月28日20:21

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◆関係者を出せ!財務省の交渉記録廃棄は大問題だ  焦りが出た自民党、森友学園問題で火に油を注ぐ  ◆ 森友問題の本質は「100万円寄付金」の有無ではない

◆関係者を出せexclamation財務省の交渉記録廃棄は大問題だ  焦りが出た自民党、森友学園問題で火に油を注ぐ

【JB press】 03/28
筆坂 秀世



 森友学園問題で自民党の焦りによる下手な対応が目立っている。

最悪手だったのが籠池泰典前理事長の証人喚問だ。



 当初、自民党は野党の参考人招致要求に対し、同氏が私人であることや刑事事件になっていないことを理由に、頑強に拒否してきた。

ところが、3月16日、参院予算委員会の現地視察が行われた際、籠池氏が「安倍晋三首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と語ったことから事態が急転直下動き始めた。



 竹下亘自民党国会対策委員長が、「(籠池氏を)質(ただ)さなければならないという思いは非常につよく持っている。 総理に対する侮辱だからしっかり受け止めなければならない」と即座に反応し、籠池発言の翌日の17日には衆参予算委員会で籠池氏の証人喚問を議決した。



 異例づくめである。

一民間人に対して、問題発言の翌日には、参考人ではなく、偽証罪に問われることもある証人喚問を決定する。

しかもその理由が、「首相を侮辱したから」というのである。



 衆議院議院運営委員会理事会で民進党の泉健太議員が「首相の名誉が傷つけられたという理由で今後も証人喚問をするのか」と確認したのに対し、自民党の佐藤勉議院運営委員会委員長は、「今後の証人喚問のあり方を協議したい」とその場を引き取ったそうだが、こんな理由で証人喚問など本来は行うべきではない。



 こんなことを認めてしまえば、一民間人といえども人差し指首相を批判することができなくなってしまう。

勿論、このようなことがしばしばあるとは思わないが、少なくともあってはならない。

議会運営に人差し指汚点を残したと言わざるを得ない。





● “危険な賭け”は失敗だった


 しかし、このようなやり方は、自民党や安倍首相にとって“危険な賭け”でもあった。

籠池氏は、100万円問題について否定するどころか、2015年9月5日、森友学園が運営する幼稚園に講演で訪れた昭恵夫人から、「『安倍晋三からです』とおっしゃって封筒に入った100万円を下さった」 「大変名誉な話なので鮮明に覚えている」と証言したのだ。



 勿論この真偽は不明である。

領収書なども存在していない。

だが同時に籠池証言が虚偽だと立証する根拠も存在していない。



 講演料として10万円渡したということも同様に、渡したとする籠池証言が正しいのか、受け取った「記憶がない」という昭恵夫人の言葉が正しいのか、闇の中のままだ。



 自民党内では、籠池氏を偽証罪で告発すべきだという声があるという。

はっきり言うが、これは再び最悪の手を打つことになる。

昭恵夫人が否定しているから籠池証言が偽証だというのは、あまりにも無理がある。

それなら野党が要求しているように、昭恵夫人も証人喚問しなければ筋が通らない。



 かつてロッキード事件などでは、対決尋問ということも行われた。

違う証言している者を対決方式で喚問し、真相を探ろうというやり方だ。

自民党にそこまでの覚悟があるのだろうか。





● 衝撃的な総理大臣夫人付谷氏のFAX


 籠池氏の証人喚問で当該国有地の借地期間などを巡って、昭恵夫人付の谷査恵子氏から籠池氏にFAXが届けられていたことが判明した。

この内容について、安倍首相や菅官房長官は、「ゼロ回答だ」と火消しに躍起になっているが、日本語の読解力があれば、ゼロ回答どころか財務相が昭恵夫人の意向を忖度していたのではないかという疑いを強く持たせるものである。



 FAXは2通ある。

1通目は、「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」 「国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思います」 「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」というものである。



 このFAXで重要なことは、「昭恵夫人にも報告」しているという記述である。

これは、昭恵夫人の意向に従って谷氏が財務省に問い合わせたことを強く示唆しているからである。



 また「当方としても見守ってまいりたい」というのは、今後も希望がかなうよう努力するという意味にとるのが普通だろう。



 さらに2通目では、長期の定期借地や賃料の優遇については否定的だが、土壌汚染の処理費用については「予算措置を行う方向で調整中」という財務省の回答が記述されている。



 谷氏は、経済産業省のいわゆるノンキャリアの役人である。

そのような人物が財務省の課長クラスに該当する室長と直接交渉するということは、通常はあり得ない。

背後に、総理大臣夫人の威光があったからこそと考えるのが妥当であろう。



 昭恵夫人が全く無関係だったとは、到底、言い難い状況になってきたことは確かである。





● 森友学園問題の元凶は財務省だ人差し指


 そして、今回の問題で間違いなく許されないのは、財務省の対応である。



 森友学園問題の最大の疑惑は、国民の貴重な共有財産である国有地が、なぜただ同然で払い下げられたのかにある。

払い下げたのは財務省近畿財務局であり、国土交通省大阪航空局もこれに手を貸している。

約10億円の土地が8億円以上も値引きされることなど、通常はあり得ない。

当然、どういう経過でこうなったのか、異例な取引だけにその記録が残されていなければならない。



 ところが、この交渉経過を示す記録がすでに廃棄処分にされていたというのだ。

しかも、このこと自体は財務省の内規によれば問題がないと、佐川理財局長らが国会で答弁している。



 「公文書管理法」という法律がある。

その第一条にはこう書かれている。



「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする」



 公文書というのは、恣意的に廃棄処分にしてはならないのである。

なぜならそれは、国民共有の知的資源であり、国の活動を国民に説明する原資料になるからである。

ところが財務省は、森友学園との土地取引の説明について不可欠な資料を廃棄したというのである。



 公文書を故意に破棄する行為は「公用文書毀棄(こうようぶんしょとうき)罪」(刑法258条)にあたる可能性がある。

佐川理財局長は、野党側の「交渉記録を廃棄したのであれば、当時の関係者から聞き取り調査を行うべきだ」という追及も頑なに拒否している。

要するに知られたくない、知らせたくないというだけのことだ。

これを世間では「隠蔽」という。

なぜ隠蔽するのか。

良いことなら隠すはずもない。

悪いことをしたから隠すのだ。



 これこそ国民を侮辱する行為だ人差し指

首相を侮辱すれば証人に喚問されるが、国民を侮辱しても何も責任を取らせないのか。

自民党は、よくよく考えるべきだ。



 なぜ、自民党は財務省の交渉記録廃棄に蓋をするのか。

そして、自民党の中で「昭恵夫人には説明する責任がある」という声が石破茂氏以外から上がらないのはどうしたことか。

誰もが総理怖さに声もあげられないというのだろうか。

情けない。




      ◇◇◇

筆坂 秀世

1948年兵庫県生まれ。
元参議院議員、政治評論家。
著書に『日本共産党』、共著に『自民党はなぜ潰れないのか 激動する政治の読み方』『参議院なんかいらない』『私たち、日本共産党の味方です』『どん底の流儀』などがある。
記事一覧 http://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E7%AD%86%E5%9D%82%20%E7%A7%80%E4%B8%96



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◆ 森友問題の本質は「100万円寄付金」の有無ではない

【ダイヤモンドオンライン】 03/28
上久保誠人:立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長+



 3月23日、「森友学園」の籠池泰典理事長への証人喚問が行われた。

籠池理事長は安倍晋三首相夫人・昭恵氏が森友学園の経営する塚本幼稚園で講演会を行った際、籠池理事長と2人きりの状態で「安倍晋三から」として「寄付金として、封筒に入った100万円をくださいました」と証言した。

また、籠池理事長からは、大阪府の小学校設置基準緩和について、政治家に協力を求めたとして、以前から名前が出ていた鴻池祥肇氏に加えて、東徹氏(維新の会)、柳本卓治氏(自民党)らを挙げた。



 これに対して、昭恵夫人はフェイスブック上で「私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料をいただいたこともありません。 私は講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません」と完全否定した。

名前を挙げられた政治家も、国有地売却や大阪府の小学校設置認可基準の緩和をめぐり不当な働き掛けを否定した。

ただし、籠池理事長の依頼に対して、役所へ照会したことは認めている。





● 政治家の「実名」以外何も明らかにならなかった証人喚問


 基本的に、筆者はジャーナリストではなく学者だ。

森友学園の件に関して、何か裏情報などを持っている訳ではない。

この連載の紹介文の通り、「様々な出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習など様々な枠組を使い分析する」のである。

従って、この問題についても、あくまで日本政治・社会の特徴を一般的に論じることに徹している。



 証人喚問で明らかになったことを一般的に考えてみよう。

端的にいえば、証人喚問で話されたことは、日本政治・社会では「当たり前のこと」の範囲を超えるものではなかった。

前回論じたように、運動会など学校行事等に地方政治家や国会議員が、選挙対策として顔を出すのは日本政治の日常だ。



 そこでは、「教育方針が素晴らしい」などリップサービスを交えた来賓祝辞もしていただろう。

自民党だけではなく、維新の会とも「オルタナ保守系」同士で交流を深めていたのだろう。

そんなことが続くうちに、小学校を作りたいと相談を受けるようになった、というのが基本的な流れだ。



 証人喚問で明らかになったのは、その政治家の「実名」というだけのことだ。

しかし、政治家に役所を動かす力があったことが明らかになった訳ではない。

「政治家が相談に乗る」 「役所の担当者を紹介する」という通常の陳情があっただけだ。

名前が挙がった政治家も、陳情があったこと自体を否定していない。



 結局、籠池理事長が地方・国の様々な政治家に接触し、近畿財務局にも掛け合ったが、国有地を安く購入することはできず、財務省理財局訪問のアポ取りさえ断られていた。

理事長が理財局に直談判して、初めて森友学園の要求が通ったのであり、政治家はルールに従って事務的に対応していた近畿財務局を動かすことはできなかったという、既に明らかになっていたことを超える事実は出てこなかったのだ(本連載2017.3.14付p2)。

前回の繰り返しだが、結局少なくとも鴻池元防災相を超える「大物政治家」が関与したかが焦点ということになる。





● 昭恵夫人が財務省を動かすことはあり得ない


 証人喚問の実施をずっと否定してきた自民党が一転、実施を決めたのは、籠池理事長が「安倍首相から100万円の寄付を受けた」と発言したからである。

「売られた喧嘩は買う」とばかりに、そこまで言うなら、「偽証罪」に問われる証人喚問で白黒つけてやろうということだ。

従って、突き詰めれば証人喚問の焦点は、本当に森友学園の土地取得に首相および昭恵夫人の関与があったかのみということになる。



 それでは、昭恵夫人だが、財務省を動かす力は全くないし、あってはならないだろう。

どこかの国で、「占星術で大統領を動かす」という噂のファーストレディがいたが、日本は「官僚支配」と批判され続けてきたほど、完璧にシステム化された政治・行政システムを持つ国で、ファーストレディが「女帝」のような権力を持つことはあり得ない。



 一般的に知られている昭恵夫人の人物像から、何が起きていたのか容易に想像できるのではないだろうか。

昭恵夫人は歴代ファーストレディの中でも、最も行動的で社交的な部類に入るそうだ。

元々、交友関係が広い上に、夫が最高権力者だ。

首相夫人となってから、どんどんいろいろな人が寄って来ていたのだろう。

籠池夫人はその中の一人と考えればいい。



 昭恵夫人は元々リベラルな思想で、原発問題などで安倍首相と意見が異なる「家庭内野党」だそうだ。

それでも、「首相夫人という権力」に近寄ってくる人の思想を、いちいちチェックすることなどできない。

普通の人間関係でも、相手の思想信条がわかるのは、しばらく付き合ってからだ。



 そこで思想信条が合わないと気づいても、人間関係をキッパリと切るというのは難しい。

「政治家の妻」なのだから立場をわきまえろというかもしれないが、日本では、政治家の妻だからこそ、近寄ってきた人を簡単に切ることはできないという側面もある。

夫の選挙のために、人差し指「誰にでもいい顔をする」のが政治家の妻の役割ともいえるのだ。



 昭恵夫人と籠池理事長夫人のメール交換が問題となっている。

しかし、社交的な上に、元々SNSでの発信等も熱心に行っている昭恵夫人にとっては、普通のことなのだろう。

気軽に色々な人とメールやSNSで交流していて、その一人が籠池理事長夫人だったということだ。

昭恵夫人と籠池理事長夫人のショートメールのやり取りの全文が、自民党の西田昌司参議院議員の事務所から公開された。

その内容は、確かに「口止めともとれる」ものではある。



 しかし、見方を変えれば、昭恵夫人は「逆切れ状態」の籠池理事長側を少しでもなだめようとフォローのメールをしていたように思える。

ましてや、相手から送られてきたメールをスルーするのは、相手を更に怒らせてしまう心配がある。

返事をしないという訳にはいかないだろう。

慎重な言い回しをしなければいけないが、何か返事をしないといけないのだ。

昭恵夫人のメールからは、そのあたりの苦慮の跡が見えるように思う。



 いずれにせよ、例え昭恵夫人の森友学園の交流が色々あったとしても、そこから彼女が「財務省を動かす」という仮説を証明するところまで因果関係を辿るには、あまりに距離が遠すぎて、証明のしようがないだろう。

安倍首相と昭恵夫人の日頃の関係性から見ても、どこかの国の「占星術政治の女帝」のような要素を見つけ出すことは全くできない。





● 首相の100万円の寄付金の有無は森友学園の問題の本質ではない


 そうなると、安倍首相本人が森友学園の土地取得に関与していたかが最後の焦点となる。

しかし、証人喚問が終わってなお、首相本人の直接的関与を示す事実は見つかっていない。

この連載が指摘してきたように、第一次安倍政権(2006年9月〜2007年9月)の失敗から、政敵に隙を与えないように守りを固めてきた首相が、保守思想を露骨に出した軽率な行動を取る筈がないと思っている(2014.12.18付)。



 しかし、籠池理事長が「首相から100万円の寄付をいただいた」と発言したことが、証人喚問を実施する直接的な引き金になった訳であり、それが事実かどうかが争点となっている。

一般的にいえば、講師が謝礼金を断った場合、講演を実施した側としては、謝礼金として予算取りしていたものが浮いてしまうことになる。

その際、実施した側は講師の了解を取った上で「寄付金」という形で浮いた予算を処理し、別の用途に使わせてもらうということは、よくあることだろう。



 あるいはもっと踏み込んで、安倍首相からの直接的な寄付の有無については、なかったとはいえないかもしれない。

一般的に講演を頼まれた時、ただ謝礼をいただくだけでなく、それに対する「お返し」を用意することがある。

普通は「菓子折り」程度だろうが、夫人が講演にいくとなれば、夫である首相が「菓子折り」代わりに少し「包んで持たせる」ことは、あり得ないことではないのかもしれない。



 今回の問題が発覚した当初を思い出してみる。

安倍首相は国会で、森友学園の教育方針に共感を持っているかのような答弁をした。

首相が何と言おうと、森友学園に好意的だったことは明らかだ。

そこで昭恵夫人が講演すると聞けば、何か包んでもおかしくない。

ただ、その額が「100万円」であるならば、我々の庶民感覚では理解できる範囲を大きく超えているとは思うが。



 そもそも、政治家が学校に寄付をするという行為自体は、人差し指選挙区外であれば違法ではない。

今回の問題は、それが小学校設立の認可と、学校設立のための土地取得のプロセスに問題があったために、取り上げられることになっただけだ。

仮に、寄付が事実だとしても、首相のプロセスへの関与を疑うならば、それは首相が「カネをもらった」ケースだろう。



 今回は、首相が「カネをあげた」のであり、そこから「人差し指首相と森友学園は深い関係だ」と推測することはできても、首相の関与との因果関係の証明は極めて難しい。

今回の森友学園を巡る問題の中で、これは本質的に重要な問題ではない筈だ。



 結局、「首相が100万円を寄付した」という籠池理事長の発言に対して、「売り言葉に買い言葉」的に証人喚問を実施したものの、むしろ「首相の寄付」 「昭恵夫人のメール」に過度に関心が集中してしまい、本質的に人差し指重要な問題から国民の注目が完全に外れてしまっているのではないだろうか。





● 保守派が政界・関係に影響力を持つ「空気」が本質的な問題だ


 前回指摘した通り、今回の森友学園の問題で本質的に重要なのは、どの政治家が関与して森友学園の格安での国有地取得が実現したかではない。

むしろ重要なのは、基本的には政治家は誰も「口利き」をしていないのに、財務省理財局が安倍首相の意向を「忖度」して、首相と「近い関係にある」と思った籠池理事長の直談判を、自らの判断で受け入れてしまったことだと思う。

そして、その「忖度」の背後に、安倍政権を支持するとされる「日本会議」など保守派が、なんとなく政界・官界に影響力を持っているような「空気」が流れていることが、嫌な感じがするのである(2016.11.8付)。



 そういえば、文部科学省が2018年度から使用される道徳と各教科の教科書検定結果を発表したとのニュースが流れていた。

小学校の道徳については、文科省から「国や郷土を愛する」 「公共の精神」などの学習指導要領の内容に従っているか、細部に至るまで検定意見がつけられたという。



 文科省が教科書につけた意見は、例えば「日本の伝統と文化の尊重」のためだとして、「パン屋」を「和菓子屋」に、「アスレチック公園」で遊ぶ子どもたちを「こととしゃみせんの店」に変更するなどがある。

何となく、英語の使用を禁止し、野球のストライクを「よし」と言わせたような、かつての非常に人差し指偏狭なナショナリズムの復活の芽を感じてしまうのは、筆者だけだろうか。



 驚くのは、このような文科省の意見が、道徳だけではなく他の教科にも及んでいるからだ。

理科では「なるべく地名を入れて、郷土愛を誘う」ことが求められており、例えば「大きな山車を引く大阪の岸和田だんじり祭り」を素材に、物を動かす力を考えさせる教科書があるという。



 数学でも、演習問題に日本国土や文化に関する素材を多く取り上げたり、「和算」や、数学の問題や解き方を額に書いて神社などに奉納した「算額」を紹介したりする教科書が増えた。

数学でそこまで「郷土愛」 「日本の伝統」に拘る必要があるのかと疑問に思うのは、筆者だけではあるまい。



 このように、文科省やその意向に従う教科書会社など、教育において安倍首相やそれを支持する保守派の影響を意識する「空気」が流れていることが非常に気になるのだ。

森友学園の問題における財務省だけではない。

あらゆる省庁にその「空気」が広がっていないだろうか。

いや、もしかすると、保守派の意向を省庁が「忖度」しているだけではない。

省庁内に、人差し指保守的な思想を持つ官僚が増えているのではないかとも疑ってしまう。



 今回の森友学園の問題から明らかになりつつある本質的に重要なこととは、保守派の影響が日本政治・社会全体を覆いつつあるという、非常に大きな構造的な問題ではないだろうか。

(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)



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極右と安倍首相の親密関係こそ問題の本質だ  森友学園問題を欧米メディアはどう報じたか




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作業員作業員作業員

「日本会議」の連中は「保守」なのかexclamation & question

昔使われた言葉だが、「反動」と言った方が良いと思うが。





      ◇◇◇

上久保誠人
立命館大学政策科学部教授、立命館大学地域情報研究所所長

1968年愛媛県生まれ
早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了
Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)
博士論文タイトルはBureaucratic Behaviour and Policy Change: Reforming the Role of Japan’s Ministry of Finance。


上久保誠人のクリティカル・アナリティクス
国際関係、国内政治で起きている様々な出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習など様々な枠組を使い分析する。
バックナンバー一覧 http://diamond.jp/category/s-kamikubo2
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