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2017年03月19日00:28

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経済談義第30回:いくらでもよい為替レート

経済談義シリーズ第30回です。日本経済超悲観派の僕がその論拠を解説していきます。



さて為替について取り上げていますが、まずは根源的な話から。
円ドルレートはいくらぐらいが理想的か、経済ニュースで経済評論家にアンケートを取ったりしていますが、いやいや本質的にはレートはいくらでもかまわないという話です。


それを考えるため、思考実験をしてみます。


SF小説のようなパラレルワールドがあったとして、次の三つの世界があったとしましょう。

1) 100円世界:1ドル=100円の世界。これを100円世界と名付けます。

2) 10円世界:1ドル=10円の世界。同じく10円世界と呼びます。

3) 1000円世界:1ドル=1000円の世界。1000円世界です。

この三つの世界、アメリカの物価、ドル建てのモノの値段はどれも同じで、日本側の物価が違います。
アメリカで1ドルで売られているものを日本に持ってくると、1)の100円世界では100円になり、2)の10円世界ではそれが10円、1000世界では1000円になるわけです。日本国内で取引される物価も同様に桁が違うものとします。

このうち、100円世界は現実に比較的近いわけですが、それと比べると、10円世界ではすべてのモノの(円建ての)価格が1/10になってしまい、1000円世界では逆に円価格が10倍になってしまうわけです。


物価が桁違いに低かったり高かったりしたら大変だ、買い物もできない、とお思いになるかもしれませんが、さてでは、それでなにか不都合があるかというと、実のところ10円世界でも、1000世界でも、どちらの世界にしろ全く問題ありません。
1000世界ではたしかに物価が10倍ですが、それに合わせて給料の相場も同じく10倍ですから、生活に困ることはないのです。

一方の10円世界ではモノの価格が一桁小さくなりますから、円の下に補助通貨として「銭」が必要になると思われますが、それ以外の不都合は特になくて、すべての売り買い、取引は通常通り行うことができて、貿易も両替も問題なく行えます。


このことからわかることはつまり、一ドルが100円だろうが10円だろうが1000円だろうが、あるいは他の中途半端なレートだろうが、どちらかの国の物価が適切かつスムーズに調整されてさえいれば、実は経済には本質的には関係ない、レートなんて実は重要でない、ともいえるのです。


とはいっても現実の世界では為替レートにより様々な影響があって、メーカーも金融会社もレートを気にかけているわけです。さて、そうした影響は一体どういうところからくるのでしょうか。
それについて次回以降で考えてみましょう。



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