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2017年03月17日23:33

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「お嬢さん」

25日は 「Yesterday イエスタデイ」
      「スーパーメンチ 時代をプロデュースした男!」、

26日は 「ホワイト・バレット」、

27日は 「LA LA LAND」
      「彼らが本気で編むときは、」、

1日は  「ザ・スライドショーがやって来る! 「レジェンド仲良しの秘密」」
      「At the terrace テラスにて」、

2日は  「大地の子守歌」、

3日は  「お嬢さん」
      「花芯の刺青 熟れた壺」、

4日は  「フィッシュマンの涙」
      「トリプルX : 再起動」、

6日は  「しゃぼん玉」、

7日は  「灼熱」、

8日は  「エリザのために」
      「WE ARE X」、

9日は  「フランコフォニア ルーヴルの記憶」
      「マン・ダウン 戦士の約束」、

10日は 「アシュラ」、

11日は 「ボヤージュ・オブ・タイム」
      「哭声 コクソン」、

12日は 「僕と世界の方程式」
      「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」、

13日は 「太陽の下で-真実の北朝鮮-」、

15日は 「ラビング〜愛という名前のふたり〜」、

16日は 「チア☆ダン」を観に行きました。



「トリプルX〜」「WE ARE X」「チア☆ダン」は1ヶ月パスポートがあるので行きました(笑)。
タダなのに
「チア☆ダン」は金返せ!と思いました(笑)。


そろそろちゃんと感想を書いておかないといけない作品が溜まって来ました。
ちょっとづつでも消化しないと…。
この後
「アシュラ」「哭声」の韓国映画3連発行きたいのです!
すごいな 韓国映画!





「お嬢さん」 ’16 (韓)


監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン 原作:サラ・ウォーターズ
撮影:チョン・ジョンフン 美術:リュ・ソンヒ 衣装:チョ・サンギョン
編集:キム・サンボム,キム・ジェボ 音楽:チョ・ヨンウク
m:ハ・ジョンウ,チョ・ジヌン
f :キム・ミニ,キム・テリ,キム・ヘスク,ムン・ソリ

’16 全米映画批評家協会賞 外国語映画賞
’16 カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 芸術貢献(バルカン)賞
’16 シッチェス国際映画祭 観客賞
’16 ロサンゼルス映画批評家協会賞 外国語映画賞,美術賞


原作も英国製ドラマも未読未見。
相当ハードなレズビアンのベッドシーンがあるので
てっきりパク・チャヌクの翻案かと思ったら、
サラ・ウォーターズの原作が百合小説で時代もヴィクトリア朝らしい。
パク・チャヌクの翻案の妙は
時代設定を日本統治下の朝鮮半島にし
詐欺師の標的となる令嬢を日本人に設えたことなのだ。
なんとなればこの変態的物語を保障するエロ小説の朗読が
韓国語ではなく日本語で行われることになるからである。
日本人である我々には
韓国人俳優が喋るなめらかには聴こえない日本語の卑猥語は
そのどこかたどたどしい未成熟な感じが実に恥かしいのだ。
はたして
外国語(日本語)で語られる卑猥語は
韓国人にはどう怪しく聞こえるのだろう?
或いは
ペニスやディック,プッシィと英語にしてしまうと乾いて聴こえ
イヤラシさが希釈されるのと同じに
キム・ミニの口が○○と言ってもちっともイヤラシく聴こえないのだろうか?
少なくとも俳優たちは
母国語で○○と卑猥語を発するよりも心理的に楽な気がする。
大量の日本語の台詞を覚えるストレスは
一々の卑猥語を藁の中の針にしてしまうだろうし。
この言語の異化装置が見事に機能しているのが映画の核の一。
もう一つは
原作の「城」を華族フジワラ伯爵が朝鮮に建てた
「和洋折衷の大邸宅」にして
例のこだわりの意匠で魅惑的な異世界を構築してみせたことである。
洋間の壁紙はもちろん
和室の障子や襖や板戸がかくもその存在を主張するのも
パク・チャヌクの美術に対する執拗なこだわりによるのだ。
手袋必須令嬢の着物,ドレス、小間使い珠子(スッキ)の朝鮮服
伯爵の和装,洋装の詐欺師の礼装に
明らかに異様な日本髪や時代錯誤なコルセット姿、
果てはタカラヅカよろしく男装の麗人姿まで、
キャラたちは
春画春本が蒐集され好事家が密かに集う怪しい屋敷を背景に
美々しく装い続けるのだ。
冒頭 大雨の中、スッキの出立が赤ん坊だらけであることの異様さも
スッキの出自,生育環境の説明よりも異様さをこそ主張しているし、
パク・チャヌクはエロい画を様式化するかのように
レズビアンの性交を 男に籠絡される未通女のはにかみを
抑圧者(日本)の意匠の中に様々に変奏してみせる。
その華麗に陶然とする!
語り手の変換により二転三転するお話に翻弄されるより
パク・チャヌクのエロい演出にニヤニヤしてしまう
そういう映画である。
佳作。
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