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2017年03月05日05:07

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バルトーク「ルーマニア民族舞曲」

知り合いのピアニスト、Uさんのコンサートに行ってきた。
近くの喫茶店の2Fのサロンコンサート、とはいえ、50名くらいいた模様。
Uさんをきちんとした所で聴くのははじめてだ。

Vnとのデュオ。
印象に残った箇所のみ。

前半、ヴィターリのシャコンヌ。
なんだかVnは、大柄で、ヒマワリのような人。
情熱的なVnで、ロマン派が向いている印象。
(そういうアレンジなのだろうか)

***

後半
「バルトーク ルーマニア民族舞曲」
この一曲の為に、聴きに来たようなものだ。
短いがものすごくエッセンスが詰まった曲だ。

1曲目
冒頭おや、という箇所があったものの、端正な演奏だ。
クラウスで同曲を聴くと「名人芸の語り」のようだが、若いUさんはそこまでの域には達していない。(失礼)

でも曲の魅力を十分に伝える演奏だ。アクセント、トリルのような箇所が巧い。
2曲目の「ためらいがちに歩く」ような音楽。
3曲目の「踏み踊り」の弱音の美しさ、粒の揃った音はとてもよい。
神話的な拡がりがあって、民謡をここまで仕上げるバルトークの力はすごいなー。
4曲目のモノローグもいい。
5曲目の「ルーマニア風ポルカ」は、ダイナミックスとリズムが抜群だ。
「速い踊り」も雑にならず、小さな熱狂に持って行く手腕の巧さ。

この辺りは、当時の人にとっては、tanzen、お祭りの音楽だったに違いない。
当時の人にとっては、ジャズであり、演歌だったのだと思う。
それを洗練された音楽にもっていくバルトークの手腕。

はじめにクラウスと比較してしまったが、
Uさんも、もっと弾き込んで、強弱のニュアンス、や物語性(童話)を持たせれば、いいレパートリーになるんじゃないかなー。

粒の揃った弱音とダイナミクスは十分な武器になると思うので、自身の強みとして活かせればよい気がする、と批評家みたいに勝手に思ってしまう。(失礼)

ともあれ改めて、曲の良さを堪能させてくれたUさんに感謝する次第。

***

次のシューベルトの即興曲 142-2は、むずかしい。
第一音で、お客さんをうならせなければいけない、シューベルトの音でなくてはいけない。
小品のむずかしさだ。ごまかしがきかないのと、わずか数分で聴き手を説得させなければならない。
かつ有名曲だとお客さんも知っているのでなおさらだ。
Uさんの演奏も後半になり、曲の良さを堪能させてくれた。

次はめずらしく、プルチネッラから「イタリア組曲」。
こんな形で聴くことははじめてだ。

Vnとともに、とっても楽しめた。2曲目が出色。
Vnの方は、ロマン派があっているのでは、と思ったが、やはり次のグラズノフの「瞑想曲」が一番しっくりきた気がする。
ヴィブラートもたっぷりで豊麗。
グラズノフやハチャトゥリアンのVnコンチェルトがマッチする気がする。
最後のファリャの「スペイン舞曲」もよし。

***

11月のシモーネ・ヤング以来の「生の音」で飢えていたせいか、
バルトークの5分くらいの曲に熱くなってしまった。
でも本当によい曲、大好きな曲です。

皆さん、お好きなバルトークの曲ってありますか?
バルトークは、ピアノの小品はぴんと来ても、管弦楽曲はともかく、カルテットはまだ自分には厳しいです。(Vnコンチェルトの2番はいいですね!)
カルテットは理屈っぽいのか暴力的なのか不明...。
コダーイの方が親しみやすいです。

名人芸?のクラウスの演奏があったので貼り付けます。


9 10

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