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2017年03月03日09:00

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おひな様

本当に申し訳ないけど、娘のひな飾り、ここ3年ばかり出せていません。
わりと小ぶりとはいえ3段飾りで、やはり場所をとるのも一つ。
だが何より、出し入れ担当の夫が仕事で不在なうえ、収納場所が天袋で私でも辛うじて手は届くのですが、そこまで。それなりに重さもありピクリとも動かせないのです。

母が買ってくれたんですけどね。

私たち「部屋が広くないので、小さめで場所をとらないもので」
人形屋「みなさんそうおっしゃるんですが、やはりこのくらいの物が…」
母「…そうねぇ〜」

私たち「出し入れがラクなほうが、間違いなく毎年飾れると思うので」
人形屋「みなさんそうおっしゃるんですが、やはりこのくらいの物が…」
母「…そうねぇ〜」

みなさんそうおっしゃるんなら、みなさんそういう事情なんだろうに、なんなの。
お母さん、私たち(姉妹共有でした)のひな人形、どうなったか覚えてますか。

それは母の実家から買ってもらったんですよね。
男雛女雛の一段のみ、けっこう立派なサイズで、毎年ピアノの上を片付けてそこに乗せていましたが、めっちゃはみ出していて、ピアノを弾くと揺れるのでちょっとゾワゾワしました(落ちるほどではない)。
お衣裳もお道具もいくら眺めても飽きず、決して触らないようキツく言い聞かされていましたが、こっそりおひな様の手から扇子をとって開閉してみては、どの開き具合でも松の絵柄がズレないことに感動していました。
いつの頃か、おひな様の髪が後ろから見ると長いことに気づいてからは、背伸びして屏風の隙間から覗き込んだものでした。
菱餅の甘そうな質感が好きで、菱形の「ひなおこし」を買って来てくれる母を「お餅はないの? 本物の菱餅を食べてみたい」と言って困らせたり。

そんな実家を建て替えたのは、高校生の頃。
近所のアパートに一時引っ越して、家ができたらまた戻ったのですが、その頃から飾らなくなりましたね。
で、あるとき聞いてみたんですよ。どこにしまってあるの?と。
母の衝撃の回答が、こちら。

「引っ越しのときにお父さんが、なんでも捨てろ捨てろって、邪魔なものは捨てろ、あれもこれも捨てろ、年に一度しか使わないものは年に一度しか困らないんだから、とにかくいいから捨てろ捨てろって言うから、どうでも良くなって燃えるゴミに出した」

かくして、錦のお衣裳も繊細な繧繝縁も、ひなまつり当日だけ点灯してもらえる幻想的な薄布のぼんぼりも、私の記憶の中に生き続けるものとなったのでした。
その時は「なんちゅうことを」と思いましたが、思えば母も大変だったろうに、自分の日常をエンジョイすることに夢中で、ろくに引っ越し作業の手伝いをしていなかったかも知れません。

天袋のなかのおひな様に、出せなくてごめんなさい、これからも見守ってやってくださいと心で手を合わせて、娘のリクエストメニューの買い出しに行ってきます。
あぁその前に、お赤飯仕込むぜ。ちらし寿司は給食で出るんだぜ。

人形供養?ひな人形の処分の仕方
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=116&from=diary&id=4458674
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