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2017年02月22日21:50

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スノーデン・愚行録・SAOオーディナルスケール観てきたよ

■スノーデン
鑑賞前日、2〜3時間しか睡眠取れてなくてですね。劇場の椅子とか温度とか非情に快適なので、ぐっすり眠ってしまいました。まんなか3〜4割観れてないよ! その上で抱いた感想は、スノーデンを英雄的に描き過ぎててなんか気持ち悪いな、というもの。作中でも、深い付き合いのあるのは恋人だけ。実物はどういう人柄なのか分かりませんが、もし映画が現実に忠実なのであれば、スノーデンは付き合いにくい人間なのかもね。

■愚行録
もともとそういう意図で作られたのですが、人の醜い部分をクローズアップして描いたお話です。ゲスくて気持ち悪い。グロいのは大丈夫だけど、こういうのはあんま楽しめないんだなと再認識。殺人事件の犯人とか子供の父親とかは序盤でだいたい想像ついてしまうので、種明かしでの驚きはありませんでした。

■ソードアート・オンライン オーディナル・スケール
オリジナル映像化ですが、時系列的にはマザーズロザリオとアリシゼーションの間の話になります。いろいろ問題があって、俺は楽しめなかったなー。音楽は良かった。絵は、ところどころこれ劇場版だよね? と首をかしげるところはあった(アスナの首とか胸とか、キリトのぐぬぬ顔とか)ものの、概ね悪くは無かった。声優陣の演技も、まあEiji君以外は及第です。鹿賀丈史はなんでキャスティングされたのかようわからんが。ということは、シナリオや演出に難があるということ。以後ネタバレ話になるので改行しますね。



















基本的には、理屈の合わない設定が多すぎてお話に没入できなかった、のだと思います。まず問題点一つ目はARデバイスのオーグマー。原理的にはナーヴギアやアミュスフィアと同じもの、と作中では説明されます。SAO事件に対する拒否感が強い中で、ARは現実世界と途絶しないのでより安全であると謳われるわけですが。キリトは観念的な問題提起を行いますが、もっと即物的な理由でオーグマーはヤバいでしょ。映画の中の演出としては、ゲームアプリであるオーディナル・スケールの起動中は、オーグマーは現実の風景を完全に隠蔽し、プレイヤーの視界を仮想世界の映像で塗り替えてしまってます。なのでオーディナル・スケールは予め予告され封鎖・隔離された場所でのみ遊べるようなのですが、100%視界ジャックしておいて、屋外でプレーできるわけがないでしょう、危険極まりない。怪我人が出るのは当然で、誰が責任取るんでしょう。実際風林火山メンバーは(事故では無く意図的な加害ですが)、襲われて怪我を負ってるのに誰からも監視されてない。おかしいでしょ。

二つ目はゲームプレーの演出です。ARなのですから、体感フィードバックは存在しないわけです。あっても、手に持った武器用デバイスの振動くらいのものでしょう。攻撃を受けても単にゲームキャラの数値としてのHPや身体欠損ダメージがあるだけで、衝撃を感じたり痛かったりするわけではないわけです。被ダメージによるペナルティを負わないために、武器でパリィしたり攻撃軌道を躱したり、スポーツ感覚で体を動かしはしても、攻撃を受けることによって痛みや恐怖を感じるわけではないはずです(そのレベルに達するフィードバックは規制対象になるはず)。剣や斧を振り抜いてもスカスカ空振りするだけで、キリトみたいな鬼気迫るゲームプレーにはなりようがないのですねえ。キリト主観の格好良いバトルと、ギャラリー主観ののほほん映像でもあれば印象は違うのですが、そういうのが許される話でもないですしね。つまり格好良い(現実離れした)バトルシーンを描きたいならば、ARなんか題材にしてはいけないわけです。SAOの謳い文句は『これはゲームであっても、遊びではない』ですが、いくら真剣な背景事情があったとしても、オーディナル・スケールのプレー感覚はあくまでも単なるゲームでしかない。あとキリトさんもEiji君も現実世界の物理法則を無視しすぎです。重心と足裏の面積というものがあるので、よほどの体格差が無いと、素立ちのまま腕1本で成人男性を吊ったりはできないんですよ……。

三つ目はクライマックスでの逆転劇です。ユイがキリトのゲーム仲間を援軍として連れてくる、というのは原作アリシゼーション編でやってますよね。原作既読者は既にその展開は読んだことあるよ、となります。未読者は(多分これから作る)アニメ第3期のクライマックスで、映画でやった奴じゃん、となるわけ。これはいかんでしょう。胸熱展開ではありますが、これが許されるのは一度きりですよ……。二度三度と使われては興醒めなギミックです。絶対駄目!! 毎回大集合してたら、数が頼りのDQN集団にしか見えません。(まあユウキだけは良いでしょう)

四っつ目はEiji君の扱い。まるで救われないまま終わってしまいました。阿呆が裏切られてザマァ! とでも思えってことでしょうかね。いいのかよそれで。エンディングの途中からエピローグ的な絵が表示されてるのに気付くの遅れたので、Eiji君のフォローがあったのを見逃してるのかもしれませんが。

最後はアレですかね。アスナの記憶喪失と解除、どういう仕組みだったのだかわけが分かりません。キリトの最大の行動理由なのに、なぜそうなったのか、どうしてそれを解消できたのか、納得のいく理由の説明が皆無でした。適当すぎでしょ。映画のために無理矢理話を作ってる、というのがありありと分かってしまうので、頂けません。もっと頑張れや。


と、いうわけで。オーグマーというデバイスも、オーディナル・スケールというゲームシステムも、物理的に何の危険もないのに一人だけ必死な形相でゲームプレーをするクレイジーなキリトさんにも、観ていて胸の痛くなるようなガッカリ感を味わわされてしまったわけです。で本来SAOの原作者は、一見理由無きご都合主義に見えるような展開であっても、裏側では(強引であっても)論理的に辻褄の合うような説明を常に用意しておく性格はなず、なのです。ファンタジーではなく、SF界の住人なのです。なのにこれは、どういうことなの。設定もシナリオも煮詰められておらず、ずいぶん適当な出来では無いですか。大きく期待を外された俺はこう吠えるしかないわけ。川原礫、よくも俺を裏切りやがったな!

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