ブルーナさんの思い出

ディック･ブルーナさんのミッフィーちゃんやブルーナの絵本は、もちろん私も古くから親しみがあって、児童図書館でよく借りていました。
ミッフィーシリーズの登場人物（ほとんど動物ですがｗｗ）が皆正面を向いているのは、読んでいる子供に語りかけるためだそうです。
その頃は普通の子供らしく、可愛い絵とお話が大好きだったのですが。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミッフィー　アニメ


ブルーナさんの絵の最大の特徴である、ブルーナさんは、絵に白と黒以外は茶色と朱色と黄色と灰色と青と緑しか使いません。


あとから必要に迫られて、人参のみにオレンジを使うようになったそうですが。たったこれだけの色と線のみで世界を表現します。
線もデッサンから線をどんどん省いていき、最終的に残ったものが本質のものであると言う考えのものとから生まれています。
色で誤魔化したくないし、線でも誤魔化したくない。と言う哲学からこの作風は生まれています。


その芸術性の素晴らしさに気づき、学生の頃からブルーナさんの大ファンになりました。
画集はもちろん展覧会にも行った事があります。
その頃からミッフィーではなくて、ブラックベアが好きですね。

このブラックベアのポスターが無茶苦茶カッコいいんですよミッフィーのシリーズもそうですが、特に卓越した構成力が見られるのがこのブラックベアのシリーズです。
このブラックベアは正面だけでなく、横向きの絵もあります。


普段描いている絵からは想像出来ないと思いますが、私は絵を描く上でブルーナさんから多大な影響を受けました。
生きている線を引くこと。色で誤魔化さない事。つまり、狙った線を引く事によって、その絵は死んでしまう。

アニメーターでは芦田豊雄さんと村瀬修功さんの影響はものすごく受けていますが、私の絵が漫画的でもアニメ的でもない。と、言われるのはそのせいかもしれません。

「ミッフィー」のディック・ブルーナさん死去
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=4438279

今、生きている絵本作家の方で、この方以上の人は、もういらっしゃらないのではないでしょうか？
ブルーナさんの生み出した作品たちは、これからも残っていき、これからも楽しませてくれると思います。芸術家の素晴らしいところは、そこである。と、誰かが言いましたが。

ブルーナさん。心よりご冥福をお祈りいたします。