「［ナーヴ］ 世界で一番危険なゲーム」 ’16 (米)
監督：ヘンリー･ジュースト，アリエル･シュルマン
脚本：ジェシカ･シャーザー
ｍ：デイヴ･フランコ
ｆ ：エマ･ロバーツ，ジュリエット･ルイス
ネット視聴者が要求する度胸試しゲームに参加し
抜き差しならなくなる女子高生のお話。
匿名の観衆（ゲーム［ナーヴ］を視聴する人々）の要求が
エスカレートする不気味さはあるものの、
中盤以降の要求は過剰すぎて
元のヒロインのキャラ設定では絶対許容できない事態になってしまい
刺激的だがマンガな展開にうんざりしてしまったよ。
「カイジ」のゲームを思い出した。
あれは過剰が面白かったし
それに挑むだけの理由がキャラたちにあったからね…。
「傷物語�� 冷血篇」 ’17
総監督：新房昭之 監督：尾石達也
完結。
物語シリーズの熱心な読者ではないが
なるほどこのようにしてアララギくんとキスショットの
関係というか均衡というか…は成立したわけね。
このシリーズは大人不在で閉じた思春期世界の
妄想というか偏向というか…が鬱陶しくて
おばさんにはもの足りない。
しかし演出は閉塞世界をよく表現していると思うし
くそ明晰で衒学的でさえあるカッコつけた台詞を喋る
声優たちの技量によって成立しているアニメだなぁ…と思う。
「母の残像」 ’15 (ﾉﾙｳｪｰ･仏･ﾃﾞﾝﾏｰｸ･米)
監督：ヨアキム･トリアー 脚本：エスキル･フォクト 撮影：ヤコブ･イーレ
美術：モリー･ヒューズ 衣装：エマ･ポッター 編集：オリヴィエ･ブッケ･クエット
ｍ：ガブリエル･バーン，ジェシー･アイゼンバーグ，デヴィン･ドルイド
デヴィッド･ストラザーン
ｆ ：イザベル･ユペール
ヨアキム･トリアーはラース･フォン･トリアーの甥であるらしい。
そんなことを大々的に書かなくても
ダンカン･ジョーンズがボウイの息子だと知らなくても彼の作品がよいように
本作はすぐれた映画なのだ。
戦争写真家イザベルの死から３年、
夫と二人の息子がそれぞれの記憶や現在の状況から照らして
“イザベル”を検証する。
複数のイザベル像が立ち上がるが
それは彼女の人間の複雑性を明かすのではなく、
残された３人の
不安や逡巡や未熟や後悔を映す鏡となっていて、
その反映が“家族”である３人を確かにして行くのである。
遺族が死を受容する物語―と言えば平凡だが
死後明らかになるのが死者の真実ではなくて
遺族のそれぞれが解かっていなかった自身の内奥だ…というのが
とても面白いのだ。
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