mixiユーザー(id:1461240)

2017年01月22日00:32

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感想(その2)

私の記憶の中の映像は、
PCの音を聞きながら(多分ミディ音源)手を小刻みに動かすミルピエ。

バレエを少しでもやったことある人ならすぐわかる。
あの手の動き、です。
頭の中のパを追う時に、無意識に手で動きをイメージする、あれです。
バレエ経験者ならすぐに、そのリズムに呼吸を引き込まれてゆきます!
その映像のあとで「素晴らしい音楽だ!」という彼のセリフで
今聞いていた現代音楽風の(それがまた、いいのよ!あせあせ)音楽が今回の音なのだと観客は知るのです。
その音がまた、聞いていくほどに泣けるほど美しいのよ!

それはさておき、その後の彼のつぶやきから、観客は彼がパリオペの階級を無視してスシェクラスからダンサーを選抜したことが分かってきます。
パリオペの人種差別をぶっ飛ばしたことも、オイオイ伝わってきます。
彼は、NON!を繰り返し発しますが、それはダンサーへのダメ出しではなく、自分の振り付けへのダメ出し。
自分のイメージをなぞらせてみて、どんどん振りを変えて行きます。
何度も何度も、躍らせて…
ダンサーも大変だったろうと、心配になるくらい。
実は彼も同じ思いで、ダンサーの健康状態には、団の誰よりも気を配ています。
パリオペのそれが遅れていると、何度も苦言を呈しています。
医療サポートが前近代的だと。
レッスン上の木の床を、クッションリノリウムに張り替えさせたのが彼だと初めて知りました。
うそだろう…
という彼のつぶやきは、そのまま観客の胸の内です。

振り付けが進むうちに、小道具の手配、舞台設定、番宣やらサードステージ(ネット配信)やらスポンサード、取材やらなにやら雨あられのごとく彼に降りかかってきます。
一日1分でもいいから振り付けさせてくれ〜という、彼の悲鳴も刻まれています。たらーっ(汗)

そこに襲い掛かるストの嵐!

本当にこの振りは完成するのか???
観てる方も心配になるほど。

そこに登場する作曲家、パリ管を指揮するまだ年若い指揮者。
その、オケを縦横無尽に操って紡ぎ出してゆく音の見事さexclamation ×2イメージの豊かさ!
苔の生えたエトワールが何といおうが、一度この味を知った観客は昔の美しさだけのパリオペでは満足しないことでしょう。

最初は硬さの見えたダンサーたちがどんどん音の世界にのめり込んでいって紡ぎ出す世界は、
一から十まで決められたクラシックバレエの世界とはまた違った
新しい表現祖世界を見せてくれていました。

特に後半の群像は、イタリアルネサンス絵画の群像が動き出したかのような戦慄でわたしを虜にしたのでした。

これが札幌で見られるのなら、私は万難を排して観に行きますとも!

ムッシュ・ミルピエ、もうマネジメントなんぞ吹っ飛ばして、振り付けに専念してくださいませ!
そうしてまたこのような素晴らしい作品を見せてくださいexclamation

映画館から出てきた私は、覚えずパンフなぞ購入して、もう、ストレスぜーんぶ吹っ飛ばして
心も軽く帰ってまいりましたとさ!(笑)

お終い。(笑)
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