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2017年01月13日00:11

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今、何が起きているのか?

アメリカの次期大統領トランプが記者会見し、
「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」
「米国外に工場を作る企業には「高い国境税を
かける」など、「アメリカ国民の雇用」を
最重視する方針を打ち出しました。

トランプが何を問題視しているかと言えば、
アメリカ企業(特に製造業)がアメリカ国内から
外国に工場を移転し、生産された製品を
アメリカに輸入する「逆輸入問題」です。

すなわち、対外直接投資と輸入
拡大の組み合わせになります。

先進国の国民にとって、
逆輸入の拡大は「雇用」と「需要」を
同時に奪われる形になりがちです。

なぜ「なりがちです」と書き、
「なります」と書かないのかといえば、
経済が適切なインフレ率の下で成長を続け、
国内が完全雇用状態になっているならば、
逆輸入は正当化されるためです。

何しろ、完全雇用であるわけですから、
それ以上、国内に工場を建設したとしても
(生産性向上が伴わない場合)、働く
労働者がいない、という話になります。
すなわち、生産量を増やしにくいのです。

完全雇用でありながら、未だに需要が大きく、
国民が「モノやサービスを買えない」ことで
困っているならば、外国に工場を建設し、
生産された製品を逆輸入すれば
「需要が満たされる」という話になるのです。

とはいえ、サッチャリズム、レーガノミクス以降、
グローバリズムに席巻された先進国は、完全雇用
政策を放棄しました(インフレ率の「抑制」に
政策の目的が変わった)。

特に、二十一世紀に入って以降は、
中国やメキシコなど新興経済諸国の
生産環境が整備され、しかも人件費が
安いということで、先進国の企業は
こぞって「完全雇用ではないにも関わらず」
工場を外国に「移転」していきます。

そして、中国やメキシコなどで
「先進国の企業」が「安い賃金」で生産し、
安価な製品を母国に輸出するという
「逆輸入問題」が深刻化していったのです。

先進国の多くはデフレギャップを抱えるようになり、
失業や実質賃金の低迷が悪化していきます。
それでも、逆輸入は止まりません。

理由はもちろん、そちらの方が企業の
「株主」の利益になるためです。特に、
国籍を(事実上)持たないグローバル
投資家にとって、アメリカの雇用や需要が
メキシコに奪われ、あるいは日本の雇用や
需要が中国に奪われ、先進国の国民が
貧困に苦しむようになったとしても、
「だから、何?」で終わります。

そもそも、目的が違うためです。

グローバリズムが蔓延した世界では、
特定のグローバル投資家の「自分の利益」
最大化のために、先進国の国民が失業、
実質賃金低迷に苦しむ羽目になりました。

結果的に、国内の「グローバリスト」と
一般国民との間に乖離が発生。所得格差、
資産格差が拡大し、「文化」「日常生活」
さらには「言語」までもが二分化され、
国民国家が揺らぐという事態になったのが、
現代世界なのです。

すでに、各国で民主主義により
グローバリズムに対する反発が始まっています。

とはいえ、日本のメディアの情報だけでは、
「対外直接投資」「逆輸入」「完全雇用」
といった事の本質を示す言葉を見かけることは
ほとんどなく、あるいは「定義」「説明」なしに、
それっぽく使われてしまいます。結果、日本国民は
「今、何が起きているのか?」について
正確に理解することができません。



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