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2017年01月10日23:49

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「2016年度 私的ベスト20」 邦画篇

はい。お約束の邦画です。大豊作の。
なんだって昨年はこんなに邦画がアタリだったんだ??
20本も選べて
どれも面白かったなー…って褒めたくなる作品なんだよ。

あ、ちなみに
昨年の鑑賞数は366本でした!

う〜…
あまりに鑑賞数が増えるばかりで感想文がちゃんと書けないから
意識的に減らそう…としたのになー(-_-;)

今年も緊縮 厳選で行きたいのだが
1月は30年代の欧米映画の名作選が図書館で上映されるのよ…
ずっとずっと観たかった
ルイス・マイルストーンの「雨」がついに観られる!
未見のヒッチコックも2本ある!
…とか言ってると
すぐ週7本になっちゃうんですよねー…。





「2016年度 私的ベスト20」邦画篇



1.この世界の片隅に ’16 (日) 片渕須直

邦画大豊作の16年度。一次選考には41本残った。そのトップは「すずさん」のアニメだった。アニメで残ったのはこれだけだった。各方面であまりに評判がよすぎるのが鬱陶しい…くらい評価が高いが、本当にいいのでぜひ観るように(笑)!


2.淵に立つ ’16 (日・仏) 深田晃司

深田晃司は「さようなら」も残ったが、人生の不毛にすがって“幻想の家族”を生き続けた末に「淵」に臨んでしまう夫婦を描く この恐ろしい作品を。「この世界の片隅に」が登場するまでは」絶対1位だった秀作。


3.ハッピーアワー ’15 (日) 濱口竜介

これは東京方面では一昨年の括りに入っているのだと思う。演技未経験者4人が主人公である5時間超えのドラマが観客を攫うのは、“あるかもしれないもう一つの私の物語”として4人のもう若くない女性のエピソードを読ませるからなのだ。


4.シン・ゴジラ ’16 (日) 庵野秀明

ゴジラ映画史にその名を刻む傑作。女子が支える「君の名は。」胸キュンフィーバーとは別の真正オタクフィーバーが確かにあったよ、あの夏(笑)。あの暑苦しい熱狂を映画(邦画だよ!)にもたらしたことを評価しておかなくては。


5.葛城事件 ’16 (日) 赤堀雅秋

崩壊家族…というには あまりに成員の孤立が深く病んでいて、もはや“家族の話”ではないような気になり、三浦友和の“抑圧の父”“支配する男”を眺め続けて 胸が悪くなる映画。


6.アイ・アム・ア・ヒーロー ’16 (日) 佐藤信介

原作未完でありながら 和製ゾンビ映画を正しくエンタメにしてみせた快作。←これだけで評価できる! たぶん正当なエンタメは「シン・ゴジラ」とこれだけ。


7.クリーピー 偽りの隣人 ’16 (日) 黒沢清

黒沢清は「ダゲレオタイプの女」もあったが仏・ベルギー・日合作のフランス語作品ということで洋画の括りで一次選考に残った。黒沢映画の魅力は“ただ事ではない不穏”を映した画を観る快感にある。


8.俳優 亀岡拓次 ’15 (日) 横浜聡子

「ウルトラミラクルラブストーリー」以来久々の横浜聡子の長編。戌井昭人の小説が原作。安田顕演じる脇役俳優 亀岡拓次が実に愛しくて、麻生久美子の居酒屋の女将とのシーンの自然で 且つ豊かな滋味が本当に気持ちがよくてとろけそうになる。


9.ひそひそ星 ’15 (日) 園子温

福島の風景の中で滅び行く人類がもはや継承することのない“物”(宅配便)を受け取る…それが“詩”として言葉と映像になっている。それは悲しいことなのだろうか…?園子温が詩人であることを証す うつくしい作品。


10.オーバー・フェンス ’16 (日) 山下敦弘

熊切和嘉,呉美保に続く佐藤泰志の函館譚。職業訓練校の男どもの造形が見事で、彼らのよさがヒロイン蒼井優の熱演を喰ってしまった感がある。オダギリジョーの40男の背中を保証するのも彼らの存在である。


11.FAKE ’16 (日) 森達也

ドキュメンタリーは6本選考に残っていたのだが、森達也15年ぶりの新作であるこれは胡散臭さが半端なく異様な面白さがある。命がけで信じるよりも気持ちよい嘘で騙される方が楽だな…と思ったよ。


12.溺れるナイフ ’16 (日) 山戸結希

原作は果たしてこのように呪術的恋愛を描いているのだろうか?と思うくらい、少女マンガは 南紀の“神宿る地”を叙する中上健次の小説世界を画にしたかのような映画になっているのだった。


13.ディストラクション・ベイビーズ ’16 (日) 真利子哲也

暴力のもたらす生命の躍動と煌めきをのみ享受する男(泰良)を「聖」として、彼に対照する哀しい卑小(高校生 裕也),届かぬ純性(弟 将太)を「俗」として描き、泰良のストイックな狂気を叙述する快作。


14.永い言い訳 ’16 (日) 西川美和

家長たる“厳父”という前時代的な“器”が失われてから 男たちの家庭での立ち位置は一挙に曖昧になり、結婚は男に“大人”をもたらさなくなった。厄介な家長がいなくなることは女にはいいことだったはずが、大人にならない“夫”を抱えることになったのだ。これはそういうクソ野郎の主人公が他者の受容を体験し ちょっと大人になる話。


15.SHARING ’14 (日) 篠崎誠

3.11を扱った“記憶”の物語だが、津波や原発被害は観念的であり“あの日”をめぐるドラマというより不安を描く心理劇のような印象。アタマが勝っている構造が先に見えてしまうのが難だが、不安を醸成する画と音がよくて、究極のホラーに転じるラストに震える!


16.リップ・ヴァン・ウィンクルの花嫁 ’16 (日) 岩井俊二

ネットで物を買うように男を見つけ結婚したヒロインの浮遊する人生に付き合って、まるで不幸な夢を見ているような変転の末に 本気で他者に望まれる人間となって、“生きる”実感を得る…そんな感じの 決定的な何かが起こるわけではない柔らかな触感が嬉しい映画。


17.アズミハルコは行方不明 ’16 (日) 松居大悟

地方都市に暮らすパッとしない28歳のアズミハルコが、緩慢に死んで行くような日常に表情をなくしているのが何気にリアル。登場する男全員サイテー!な“怒れる女たち”のお話。


18.お父さんと伊藤さん ’16 (日) タナダユキ

お母さんがいたから家族の中でその存在を我慢して貰っていたお父さん―というお父さんの造形が上手くて、娘も息子も母親任せで本気で父と向き合って来なかった―ために母の死後 厄介な事態が進行するのだが、30歳のヒロインの恋人50歳の伊藤さんの“飄々”が“家族”を上手い具合に照らしてくれるのよ。


19.ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年 ’15 (日) 阪本順治

阪本順治は劇映画「団地」も残ったが、ドキュメンタリーとしての面白さからこちらを。華々しい戦績を披露するでもなく 試合の映像を提供するでもなく 練習風景を見せるでもなく、ただ喋っている普段着の辰吉を撮っているだけなのに、そこにボクサーが映り込んでいる…ことに感動する。


20.ふきげんな過去 ’16 (日) 前田司郎

北品川の昭和な古民家に何でもアリな設定のわけアリなキャラを放り込んで、仏頂面の高校生“不機嫌な果子”の退屈な夏休みが過ぎて行くお話。あり得ない奇妙なお話を呑み込む昭和レトロな古民家の美術がナイス♪ 小泉今日子は不良の母親が似合うねぇ(笑)。
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