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ブラッドランド ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (単行本) 単行本 2015/10/15
ティモシー スナイダー (著), Timothy Snyder (原著), 布施 由紀子 (翻訳)
単行本: 346ページ
出版社: 筑摩書房 (2015/10/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480861297
ISBN-13: 978-4480861290
発売日： 2015/10/15

　ヒトラーとスターリンの二大独裁政権下、1933年から1945年までの僅か１２年間に
ヨーロッパ中部（ウクライナ、ベラルーシ、バルト三国、ロシア西部）で、戦闘任務
に就いていた兵士は含まれない1400万人が殺害されました。三分の一はソ連、四分の
一は第二次大戦前、戦争開始までの八年間にスターリン政権は400万人を銃殺または、
餓死させ、ナチス・ドイツはその半分の約４年間に強制収容所で、工場で製品を流す
かの様な効率で1000万人を殺害しました。飢饉、民族浄化、強制収容も含めるとスタ
ーリン政権下の死者総数は900万人、ナチス政権下1,200万人に達するとしています。
　2001年に刊行された共産主義黒書によると、共産主義による犠牲者はソ連で約2000
万人、中国で6500万人、全世界では合わせて1億人を数えます。元のデータ、統計の
取り方等で解釈が異なりますが、共産主義の妖怪と、ナチスの悪魔が徘徊し、総力戦
と革命に明け暮れた20世紀に人類史上最大級の虐殺が起こった事は間違い有りません。
　読み進めると暗澹とした気分になり、羅列された数字に無感傷になりましたが、
殺害された犠牲者は一個の人間とする最終章に幾分救われた気がします。